家の価格が落ちているイメージ

島根県内に「中古マンション、中古戸建て、土地」をお持ちの方は、売却活動に難儀されていませんか。「売りに出してから1年が経過するのに購入希望者が現れない」という不動産オーナーもいるのではないでしょうか。

もし、売り出し価格を値下げすれば買手がつきそうであれば、値下げしてでも売却したほうがよいかもしれません。それは島根県経済に勢いが感じられないからです。地域の経済が落ち込むと、その地域の不動産価格も値下がりします。

もちろん不動産価格は高くなったり安くなったりを繰り返すので、島根県内の不動産が今後絶対に値上がりしないわけではありません。売却してから市場が上向き「あのとき売らなければよかった」と後悔する可能性はゼロではありません。

しかし個人の不動産売却では「成功する方法」を探すより、「失敗しない方法」を選択したほうがよいでしょう。つまり、わずかな望みにかけて不動産価格の値上がりを待つより、値下がりリスクを重くみて「売れる時に売る」ほうが無難です。

ただ、今ならまだ、あせって投げ売りする必要はありません。複数の不動産仲介業者に不動産の見積もりを依頼し、仲介を依頼する業者を選定し、ある程度時間をかけて買い手が現れるのを待つことができます。
島根県の不動産オーナーは、売却活動に着手する時が到来したと考えてよいでしょう。

島根県の不動産の全体的な話題

不動産の種類ごとの分析は後段で行いますので、ここでは不動産全般に影響を与える話題をピックアップしていきます。

「一部に弱い動きがみられる」

島根県統計調査課は2019年3月、「島根県の経済動向2018年12月」を公表しました。それによると島根県経済は、一部に弱い動きがみられるものの、持ち直しの動きが続いている状態です。
主な指標の評価は次のとおりです。

生産活動 総じて持ち直し
雇用情勢 改善の動き
個人消費 緩やかに持ち直し
投資動向 持ち直しの兆し
企業倒産 倒産件数0件
金融情勢 貸出金残高は対前年4.0%増
物価 対前年0.7%上昇

経済動向の評価を読み込むと、どうしてもポジティブワード(「持ち直しの動き」)に注目したくなりますが、しかし不動産の売却を検討している方はよりシビアに観察すべきでしょう。したがってネガティブワード(「一部に弱い動き」)を覚えておきましょう。

中古住宅市場の冷え込みが懸念される

島根県経済の投資動向のうち住宅関連では、新設住宅着工戸数が前年同月比25.9%プラスでした。この数字だけみると急上昇している印象を受けますが、実態はそうではありません。
島根県内の新設住宅着工戸数の過去6カ月の推移は以下のとおりです。
2018年7月15.6%→8月△14.7%→9月△7.6%→10月△27.9→11月△6.3%→12月25.9%
(△はマイナス)
4カ月連続で前年割れした後の急上昇ですので、「2018年12月25.9%プラス」は反動増とみるべきで、上昇トレンドとはいえません。

そして新設住宅着工戸数の4カ月連続前年割れ(2018年8~11月)の裏には、中古不動産価格の下落傾向が隠れているかもしれません。
日本人は新築志向が強いからです。中古住宅を買ってリノベーションする動きが注目されていますが、住宅市場全体を眺めると、それはまだ一部のトレンドにとどまっています。
日本でいまだに、「新築住宅でなければ買わない」人や「新築が買えないから仕方なく中古住宅を買う」人が少なくないのです。

つまり、新築住宅の市場が伸びても中古住宅が伸びるとは限りませんが、新築住宅市場が落ち込んでいる場合、住宅需要全体が落ち込んでいると推測できることから、中古住宅の落ち込みも懸念されます。
「新築住宅ですら買手が減っているのだから、中古住宅はさらに減っているはずだ」と考えることができます。

「島根県の経済動向」は毎月更新され、以下のURLでみることができます。中古不動産のオーナーには、小まめにチェックすることをおすすめします。
http://pref.shimane-toukei.jp/index.php?view=12888

成長率は低くないが経済規模は小さい

内閣府の県民経済計算によると、2015年の島根県の県内総生産は2.5兆円で、前年から3.3%増加しました。増加率の高さランキングは47都道府県中22位ですので「頑張っている地方の県」といった印象を持つでしょう。
島根県の上の3県は、19位福岡県3.7%、20位青森県3.6%、21位山形県3.3%で、下の3県は23位宮城県3.2%、24位大分県3.2%、25位鹿児島県3.2%となっています。

しかし県内総生産の金額ランキングをみると、島根県(2.5兆円)は一気に45位にまで落ち込みます。その下には46位高知県2.4兆円と、47位鳥取県1.8兆円があるだけです。
成長率が高いからといって経済が強いとはいえません。むしろ経済規模が小さいだけに「のびしろ」が大きく、少額の成長でも成長率が高く出てしまいます。
例えば経済規模が世界トップレベルの東京都は、成長率では2.0%で39位にとどまっています。

島根県の中古マンションの売買状況

それでは不動産の種類ごとに売買状況をみていきましょう。
まず、島根県内の中古マンションの売買状況ですが、活況とはいえません。まず、しっかりとした中古マンション市場が形成されているのは松江市だけです。出雲市にも小さな市場はありますが、その他の市町村では、そもそもマンションがないこともあります。

「市場が形成されていない」とは、中古マンションを売る人も中古マンションを買う人もほとんどいない、という意味です。
島根県で中古マンションを売却する場合、購入希望者が現れたら「逃がさない」ようにしたいものです。

松江市の平均価格は2,160万円?

ある不動産会社は、松江市内の中古マンションの平均価格は2,160万円と紹介していますが、サンプル数が多くないためこの金額は目安と考えておいたほうがいいでしょう。

別の不動産会社が公表している中古マンション価格を集計して延べ床面積ごとの平均値を取ったところ、次のようにまとめることができました。

地区 ~60m² ~70m² ~80m² ~90m² ~100m² 101m²~
松江市 1,198万円 1,950万円 2,190万円 2,135万円 2,480万円 2,900万円
出雲市 1,790万円 2,780万円

それではこの表のなかから、注目の物件を紹介します。

松江市内中原町の11階112平方メートル4LDK、3,950万円

松江市内中原町にある13階建て全36戸のマンションの11階、112平方メートル4LDKの部屋が3,950万円で売りに出ています。2006年11月完成です。

エントランスのオートロックのドアの手前に管理人室の窓があり、出入りする人を監視できる構造になっています。質感のある物件です。
ただ、112平方メートルとマンションとしてはかなり広めですが、築十数年が経過しているだけに4,000万円に近い価格は気になります。

値段の高さの要因は、松江市内中原町という立地にあります。
すぐ近くに松江城があり、文豪、志賀直哉と芥川龍之介の旧居もあります。島根県庁本庁舎や松江市役所、島根県立図書館、島根県立武道館も徒歩圏内にあります。ただ地区内に松江少年鑑別所がある点が気になる人はいるでしょう。
JR山陰本線・松江駅までは2.5キロほどで、徒歩7分です。
広い地図でみると、松江市内中原町は宍道湖と中海に挟まれた土地にあり、日本海もそれほど遠くありません。水に囲まれた環境は魅力的です。
まさに地方都市の好条件物件といえ、価格の高さも納得できます。

松江市東朝日町の最上階9階92平方メートル4LDKが2,480万円

松江市東朝日町にある9階建て全103戸のマンションの最上階の9階、92平方メートル4LDKの部屋が2,480万円で売りに出ています。2003年10月完成です。

リビングダイニングは14帖なのですが、6帖の洋室とつながっているので解放感があります。対面式キッチンも今風で好感が持てます。
築15年以上経過していますが、浴室やトイレなどの水回りに古さは感じられません。質感ある設備が使われているからでしょう。
エントランスが豪華で、なおかつそこまでのアプローチが長いので、マンションの出入りは気持ちよさそうです。
首都圏などの大都市では9階は高層階とみなされませんが、高い建物が少ない松江市では9階からの眺望は見応えがあります。

92平方メートルであれば一家4人が余裕で住むことができるので、2,500万円を切る価格は、地方都市ならではといえるでしょう。

出雲市今市町の11階112平方メートルが2,780万円

出雲市今市町にある15階建て全56戸のマンションの11階、112平方メートル3SLDKの部屋が2,780万円で売りに出ています。2007年1月完成です。

この物件の外観は立派で、地域のランドマーク的存在です。リビングダイニングは19帖と広めで、さらに隣の和室の仕切りを外すと計25帖になるので、大勢が集まっても大丈夫な構造になっています。
対面キッチン、三面鏡化粧台、広々した浴室と、水回りの設備も充実しています。玄関が広く初めて来客する人は驚くでしょう。11階のバルコニーからは山脈が見渡せます。
エントランスとそこまでのアプローチのつくりがしっかりしていて高級感が漂います。

出雲市今市町はJR山陰本線・出雲市駅の北側と東側に広がっていて、商業施設や飲食店だけでなく、出雲市役所や松江地方裁判所出雲支部、出雲科学館などの行政・文化施設も多数集まっています。保育園、幼稚園、高校、病院も地区内にあり、住環境は恵まれています。島根大学医学部附属病院は3キロ圏内にあります。
10キロ圏まで広げると出雲大社、宍道湖、出雲空港、日本海も入ってきます。

築十数年ではありますが、部屋の広さと階数の高さと立地のよさを考えると、3,000万円を大きく割り込む価格は値ごろ感があります。

島根県の中古戸建ての売買状況

次に、島根県内の中古戸建ての売買状況をみていきましょう。
すべての市町村で中古戸建ての市場が形成されているわけではありませんが、中古マンションよりは市場に出回る物件は多い傾向にあります。
地方の街の住民は、やはり戸建て志向が強いようです。

地区 101m²~
松江市 1,573万円
浜田市 1,098万円
出雲市 1,847万円
益田市 949万円
大田市 300万円
安来市 1,639万円
江津市 1,563万円
雲南市 1,480万円

このうち、注目の物件を紹介します。

松江市浜佐田町の105平方メートル4LDKが2,880万円

松江市浜佐田町にある木造2階建て、土地面積277平方メートル、延べ床面積105平方メートル4LDKの中古戸建てが2,880万円で売りに出ています。2015年完成の築浅物件です。

リビングダイニングは19帖と広く、内装は濃いブラウンの木目調と白い壁のコントラストが清潔感と品のよさを演出しています。対面式キッチンはシンプルなデザインながら洗練されています。
リビングダイニング、玄関、洗面所、風呂場、トイレなどはデザインコンセプトが同じで、センスのよさを感じます。ウォークインクローゼットの広さは特筆もので、女性に喜ばれそうです。
土地面積は4LDKの一般住宅としては広大に感じるでしょう。ウッドデッキがあるのでガーデニングや家庭菜園にも力が入るはずです。

松江市浜佐田町は宍道湖の北東の湖岸に接していて、ウォーターフロントの街です。松江城まで道路距離で3キロ、JR松江駅まで6キロと、近からず遠からずの距離にあります。近くには法吉ゴルフクラブがあり、日本海に面した古浦海水浴場まで9キロです。この物件は「やや郊外」に建つオシャレな家といったところでしょうか。
都市機能の便利さをある程度維持しつつ、自然豊かな環境で暮らすことができるので、3,000万円を切る価格には好感が持てます。

出雲市平野町の108平方メートル4LDKが3,080万円

出雲市平野町にある木造2階建て、土地面積256平方メートル、延べ床面積108平方メートル4LDKの中古戸建てが3,080万円で売りに出ています。2017年9月完成の築浅物件です。
南欧風の赤い屋根と薄紅色の壁が印象に残る家です。広大な土地を活かし、玄関までのアプローチを長く取っているので、家に入るのが毎回楽しみになるでしょう。駐車スペースは無理すれば3台は入りそうです。

出雲市平野町から一畑電車大社線・高浜駅までは徒歩圏内です。一帯は住宅街となっていて生活に必要な商業施設や学校施設などが整っています。島根県立中央病院も2キロ圏内にあります。
そしてこの地域の魅力は、出雲大社まで6キロという距離です。自動車なら10分という近さです。一畑電車大社線・高浜駅から出雲大社前駅までは2駅です。
日本海の海岸線の景勝地である日御碕までは道路距離で15キロ、自動車で30分以内です。
出雲大社と優れた自然環境を同時に満喫できる物件です。

雲南市加茂町猪尾の151平方メートル4LDKが1,480万円

雲南市加茂町猪尾にある軽量鉄骨2階建て、土地面積303平方メートル、延べ床面積151平方メートル4LDKが1,480万円で売りに出ています。
1995年6月完成で築20年以上経過していますが、外観はきれいで塗装し直していると思われます。洗面所とトイレと風呂場はリフォーム済みです。快適な家であることは間違いありません。

雲南市加茂町猪尾は宍道湖の南西部に位置する街で、山間部に近いのですが、近くに国道54号と松江自動車道が走っているので、自家用車がある世帯であれば不便を感じることはないでしょう。JR木次線・加茂中駅まで3キロ、自動車で5分です。
出雲大社も意外に近く、道路距離で26キロ、自動車で40分ほどで到着します。
日本海と山と神様の近くで暮らしたい人には、1,480万円は魅力的な金額ではないでしょうか。

島根県の土地の売買状況

2018年の島根県の公示地価で、全用途の平均変動率(前年比)は△1.1%(△はマイナス)と19年連続の前年割れでした。
島根県用地対策課は、下落は続いているものの「下落幅は6年連続で縮小している」と改善傾向を強調しますが、売却用の土地を保有している方はこれをポジティブな情報ととらえないほうが無難です。
もちろん土地の専門家が提供する情報なので間違っているわけではありませんが、土地を売るという経済行為を行う時は、ビジネスの視点を持って情報の分析を行う必要があります。

全国の傾向と今後の日本経済を考慮すると先行きは不安

島根県の全用途と全国の全用途の平均変動率は、それぞれ次のように推移しています。

島根県の全用途 2016年△1.9 2017年△1.4% 2018年△1.1%
全国の全用途 2016年0.1% 2017年0.4% 2018年0.7%

このように並べると、島根県も全国も改善傾向にあるように感じるかもしれません。しかし島根県の土地オーナーは、「全国的に土地の価格が値上がりしているのに、島根県では依然として前年割れが続いている」とネガティブにとらえておいたほうがよいでしょう。そのようにとらえておくことで、売却の失敗リスクを減らすことができます。

国内経済は2013年から2018年まで、それほど急激ではありませんが確実に上昇してきました。したがって、全国の全用途の地価が上昇幅を年々拡大させているのは、根拠があります。
しかしこの好景気があっても、島根県の全用途の地価は下がりを続けています。2016年から2018年まで、島根県の地価は全体的に悪化しているのです。
このことから、東京や名古屋や大阪の好景気は島根県に届いていない、と考えるべきでしょう。

そして日本経済は2018年終盤から減速し始め、2019年に入ってからもさまざまな経済指標は悪化しているか、または改善していない状況です。
つまり、国内経済は今後さらに落ち込むとの懸念があります。
好景気は大都市から始まり、不景気は地方から始まります。その法則にしたがうと、日本の代表的な地方である島根県の経済は、悪化する危険があります。経済が悪化すると地価は確実に値下がりします。

47都道府県ランキングでは、2018年の島根県の公示地価は次のような位置づけになります。

  • 全用途平均価格:39位
  • 全用途平均変動率:38位
  • 住宅地平均価格:37位
  • 住宅地平均変動率:38位
  • 商業地平均価格:43位
  • 商業地平均変動率:43位

平均価格と平均変動率の全国ランキングがほとんど同じになっています。島根県の下位のポジションが今後ますます定着してしまう危険があります。

さまざまな経済情報を総合的に考えると、地価の下げ幅が縮小しているというポジティブな見解は力を失うはずです。売却用の土地を持っている方は警戒を怠らないようにしましょう。

県庁所在地の松江市でも低調

地方の県のなかでも、県庁所在地の地価が堅調で全体を下支えできている場合、状況はそれほど深刻ではないかもしれません。しかし島根県の県庁所在地である松江市の地価は明らかに不調です。

島根県の全用途と松江市の全用途の平均変動率を比較してみましょう。

松江市の全用途 2016年△1.3 2017年△0.8% 2018年△0.5%
島根県の全用途 2016年△1.9 2017年△1.4% 2018年△1.1%(再掲)

県全体の落ち込みほどではありませんが、松江市でも前年割れが続いています。松江市も「毎年値下がりしている」ことには変わりありません。

住宅地と商業地の地価の推移について、島根県、松江市、全国を並べてみます。

住宅地価格の平均変動率の推移
島根県 2016年△1.6 2017年△1.1% 2018年△1.0%
松江市 2016年△1.2 2017年△0.7% 2018年△0.4%
全国 2016年△0.2% 2017年0.0% 2018年0.3%

住宅地でも、「全国は明らかに改善しているのに、島根県は前年割れを続け、松江市も県全体の悪化スピードよりは緩いが前年割れしている」傾向がみられます。

商業地価格の平均変動率の推移
島根県 2016年△2.6 2017年△1.9% 2018年△1.5%
松江市 2016年△1.5 2017年△1.0% 2018年△0.6%
全国 2016年0.9% 2017年1.4% 2018年1.9%

全国の商業地の価格上昇率には勢いが感じられます。そのなかでは、松江市の2018年の△0.6%は微減ですが、前年割れしている以上「相当悪い」印象を持ってしまいます。

高価格でも喜べぬ松江市の地価

2018年の島根県の公示地価を地点ごとにみていくと、高価格を記録した場所はほぼ松江市が独占しました。ただそれでも喜べる状況ではありません。

2018年の島根県内の住宅地の高価格ランキングベスト3は次のとおりです。

  • 1位:松江市学園2丁目463番「学園2-21-28」83,500円/平方メートル(△1.6%)
  • 2位:松江市内中原町140番1、83,200円/平方メートル(0.0%)
  • 3位:松江市学園南1丁目382番「学園南1-14-29」80,900円/平方メートル(0.0%)

( )は平均変動率です。首都圏や大阪圏などの大都市では、高価格の土地ほど値上がり率が高くなっていますが、島根県と松江市では、高価格の土地でも前年割れか前年並みです。
住宅地価格トップの松江市学園2丁目は、JR松江駅までは3キロほどとやや離れているのですが、菅田公園やイオン菅田店をはじめとする商業施設、飲食店、各種クリニックがあり、島根大学もすぐそばにあります。近くには朝酌川が流れています。
このように「景気がよくなっていいはずの土地でも景気が悪い」現象が起きているので、将来の値上がりは期待できません。

続いて、2018年の島根県内の商業地の高価格ランキングベスト3は次のとおりです。

  • 1位:松江市朝日町字伊勢宮476番7(あさひ薬局)166,000円/平方メートル(0.0%)
  • 2位:松江市朝日町字伊勢宮470番1外(サウナ25)113,000円/平方メートル(0.0%)
  • 3位:出雲市今市町字藤ケ森930番3、97,200円/平方メートル(△0.5%)

商業地の価格ベスト3も、前年割れまたは前年並みでした。
松江市朝日町字伊勢宮はJR松江駅の北口の地区で、一畑百貨店松江店をはじめとする商業施設や飲食店がひしめく、にぎわいがある場所です。「それでも値上がりしない」ところに、松江市経済の勢いのなさを感じます。

まとめ~住みやすさが不動産価格につながらない

島根県民は島根ほど住みやすい土地はない、と感じているのではないでしょうか。出雲大社という全国から人が集まる寺社仏閣があり、山と海に囲まれ、静かにすごすことができます。

しかし地元の人たちの住みやすさと不動産価格は必ずしも比例の関係にはなりません。しかも近くに広島県という大きな経済圏(県内総生産ランキング12位)があるので、人・モノ・カネはそちらに引っ張られてしまいます。
したがって島根県内に売却用の不動産を保有している方は、希望する価格ではなかなか売却できないことを覚悟しておくべきでしょう。購入希望者が現れたら、価格よりも売却することを優先させたほうがいいかもしれません。

また、日本経済は2019年に入ってから下落基調に移行しつつあります。2013年から続いた好景気の波は山陰まで届かず、不景気の波が起き始めてしまうかもしれません。
不動産は「売れる時に売る」という姿勢で臨んだほうがよいでしょう。