不動産売却の契約をしている人

大分県内に売却用の「中古マンション、中古戸建て、土地」を所有している方は、早めに準備に取りかかりましょう。不動産はすぐに売れるものではなく、売却活動に入ってから数カ月かかることは珍しくありません。

大分県内の不動産関連の指標で、懸念される数字が出始めています。今ならまだ「投げ売り」する必要はないでしょう。しかし、値上がりを待って売却を延期する時期ではありません。
大分県内に売却予定の不動産を所有している方は、不動産仲介会社に連絡を取り、所有する不動産の査定をしてもらいましょう。査定額さえ把握しておけば資金計画を立てることができますし、いつでも売却活動に着手できます。

日本経済が2019年に入って振るいません。日本の景気は、東京から改善して、大分県のような地方から悪化します。したがって大分県経済の暗転は突如やってきます。経済が悪化すると、不動産価格は確実に値下がりします。

不動産価格は個別事情に左右されるので、大分県内の不動産でも今後値上がりする物件はあるでしょう。しかし自身の不動産がそのような「ラッキー物件」になると期待するのはリスキーです。
個人にとっての不動産は家計の最大資産ですので、「売却の準備」という自己防衛策を講じたほうがよいでしょう。

この記事のポイント!
  • 県内の中古マンションや中古戸建てや土地の価格が今後、高騰することは考えづらい
  • 早めに売る準備を整えておく
  • 「投げ売り」合戦になる前に動きましょう

大分県の不動産の全体的な話題

個別の不動産をチェックする前に、大分県の不動産全体に影響を与える話題を紹介します。不動産価格にとってよい影響をもたらすニュースと、悪い影響をもたらすニュースがあります。

大分銀行が「大分ベンチャー企業」に積極投資<よいニュース>

大分銀行が「大分ベンチャー企業」に積極投資<よいニュース>

大分県には、鉄鋼、石油、半導体、自動車などの産業があり、製造品出荷額は福岡県に次いで九州2位です。
大分県に工場や拠点がある企業には、ソニーセミコンダクタ、キヤノン、昭和電工、新日鉄住金、住友化学、旭化成、TOTO、ダイハツ、サッポロビール、川崎重工業などが名を連ねています。
大分県の製造品出荷額は2002年の2.9兆円から2008年には4.4兆円にまで拡大しました。リーマンショックの影響で2009年は3.1兆円にまで落ち込みましたが、翌2010年にはすぐに4.1兆円まで回復し、その後はコンスタントに4兆円台を維持しています。

また大分県では、ベンチャー企業も育っています。飲食店や遊園地などに定額サービスを提案するイジゲン株式会社(本社・大分市金池町)、機能性液晶フィルムの九州ナノテック光学株式会社(本社・日出町)、徘徊防止システムの株式会社LIFE(本社・大分市舞鶴町)といった企業は、大分ベンチャーキャピタル(大分VC)株式会社の出資を受けています。

大分VCは大分銀行の関連企業で、次の内容に合致する企業に投資をして、大分県経済を盛り上げようとしています。

  • 少子高齢化、都市の一極集中、地方市場の縮小といった大分県経済の課題を解決できる
  • 観光、まちづくり、地方創生など、大分県のポテンシャルを活かすことができる
  • 他企業とのマッチングや経営支援など、経営力の強化を図っている

大分VCは、金融機関や中小企業基盤整備機構などから出資を受け(お金を集め)て「ファンド」をつくり、そのお金をベンチャー企業などに投資します。
ベンチャー企業が利益を上げたら、投資したお金と「プラスα」を回収し、出資者に分配します。

大分VCが運用しているファンドは2019年7月現在7つあり、優れたアイデアや技術を持って新事業展開にチャレンジする成長意欲旺盛な企業や、地域経済に貢献している社会的意義のある企業に投資しています。
ファンド名と投資規模は以下のとおりです。

大分ブイシーサクセスファンド一号 5億円
大分ブイシーサクセスファンド二号 5億円
大分ブイシーサクセスファンド三号 5億円
大分ブイシーサクセスファンド四号 5億円
大分ブイシーサクセスファンド五号 10億円
大分ブイシープラムファンド 3.5億円
大分ブイシープラムファンド二号 2億円

ファンドや投資は経済の「肥料」になるので、地元経済界にこうした仕組みが根付いていることは大分県経済にプラスに働くでしょう。

大分県経済は「足腰は弱い」が「勢いは普通」<悪いニュース>

内閣府の県民経済計算によると、2015年の大分県の県内総生産は4.4兆円で、47都道府県中33位です。つまり下位グループに属していることになります。県内総生産は都道府県の経済規模を示しています。
大分県より上位の3県は、30位石川県4.6兆円、31位青森県4.5兆円、32位長崎県4.4兆円でした。
大分県より下位の3県は、34位沖縄県4.1兆円、35位山形県4.0兆円、36位香川県3.8兆円です。
典型的な地方県が並んでいます。

そして県内総生産の2014→2015年の上昇率では、大分県は3.2%で24位でした。大分県経済の勢いは、全国のちょうど真ん中になります。
大分県の上位3県は21位山形県3.3%、22位島根県3.3%、23位宮城県3.2%でした。
大分県の下位3県は25位鹿児島県3.2%、26位北海道3.1%、27位高知県3.0%でした。

大分県経済は、規模は小さいものの勢いは中程度といったところです。不動産価格を上昇気流に乗せるのに十分とはいえないでしょう。

現状は小康状態<悪いニュース>

大分県経済の「今」は小康状態にあります。
財務省九州財務局大分財務事務所は2019年4月、大分県内経済情勢報告を発表しました。総括判断は「緩やかに持ち直している」とし、前回2019年1月の総括判断を維持しました。
住宅建設と倒産の2項目で改善がみられましたが、個人消費、生産活動、雇用情勢、設備投資、企業収益、公共事業は横ばいでした。

しかし企業の景況感は、前回(1月)の「上昇超に転じている」から今回(4月)の「下降超に転じている」に悪化しました。不動産オーナーは、こうしたネガティブな数字に注目しましょう。
企業の景況感は、経済の先行きを見通すときに参考になります。不動産の売却は「これから」行うことなので、経済の先行き予測が重要になります。

大分県内の大企業の景況感は次のとおりです。

  • 2019年1~3月(現状)△7.4の下降超
  • 4~6月(見通し)3.7の上昇超
  • 7~9月(見通し)11.1の上昇超

現状は悲観的ですが、見通しは楽観的です(△はマイナス)。

しかし中小企業の景況感は悲観的です。

  • 2019年1~3月(現状)△11.9の下降超
  • 4~6月(見通し)11.9の下降超
  • 7~9月(見通し)△10.2の下降超

中小企業のほうが景気に敏感なので、不動産オーナーは中小企業のネガティブな反応に注意したいところです。

大分県内の新設住宅着工戸数ですが、確かに2019年2月は前年同期比7.2%増と好調な数字を示しています。それで大分財務事務所は「住宅建設は改善している」と判断しました。
しかし、新設住宅着工戸数の「年間計」をみると気になる数字があります。2014~2018年までの5年間で、前年比がプラスになったのは2015年と2018年の2カ年で、マイナスになったのは2014、2016、2017年の3カ年でした。
新築住宅市場が安定していないことがわかります。

多くの日本人は住宅を購入するとき、まず新築を検討し、それで予算が折り合わなければ中古を検討し始めます。したがって新築住宅市場が安定していないと、中古住宅市場はさらに不安定な状態にあると推測できます。
後段で中古マンションと中古戸建ての価格動向をチェックしますが、そこでも不安定さを確認することができます。

売却準備を急いだほうがよい理由

売却準備を急いだほうがよい理由

大分県経済の現状は、決して「悪い」わけではありません。また、大分銀行のように、地域経済に投資を呼び込む取り組みをしている企業もあります。
しかし、将来的に不動産価格を大きく押し上げる「パンチ力」に欠けるのは事実です。よくて現状維持、日本経済が低迷すれば不動産価格の低下を招きかねません。
その日本経済は2018年後半から成長が鈍化し、2019年に入ってからは「低空飛行」(大和総研グループ*)になりました。

したがって大分県内に不動産を持っている方は、売却を急いだほうがいいでしょう。今ならまだ「投げ売り」や「売れ残り」の心配はありません。不動産仲介会社の協力を得て、適正価格で購入してくれる買い手を探す時間があります。
この記事の冒頭で「少なくとも査定は済ませておいてください」とアドバイスしたのは、こうした背景があるからです。

*:https://www.dir.co.jp/report/research/economics/outlook/20190524_020809.html

大分県の中古マンションの売買状況

不動産の種類ごとに、市場の動きをみていきましょう。まずは大分県内の中古マンションの売買状況を紹介します。

市場は拡大しているようにみえるが注意が必要

全国指定流通機構連絡協議会が運営する不動産取引情報提供サイト「レインズマーケットインフォメーション」(以下、レインズ)には、大分県内全域の中古マンションの価格動向が掲載されています。

レインズ
大分県全域
中古マンション
2017年6月から2017年8月 2017年9月から2017年11月 2017年12月から2018年2月 2018年3月から2018年5月  
合計成約件数(件) 28 40 41 50  
平均成約価格(万円) 1,791 1,325 1,560 1,570  
平均m²単価(万円/m²) 22 19 21 20  
平均専有面積(m²) 78 66 71 73  
  2018年6月から2018年8月 2018年9月から2018年11月 2018年12月から2019年2月 2019年3月から2019年5月 2017年6月比
合計成約件数(件) 34 42 40 46 64%
平均成約価格(万円) 1,681 1,640 1,785 1,688 -6%
平均m²単価(万円/m²) 23 22 23 21 -6%
平均専有面積(m²) 69 74 73 78 0%

市場の大きさの指標となる成約件数は、「2017年6~8月」の28件から「2019年3~5月」の46件へと64%も増加しています。大分県内の中古マンション市場は拡大している、とみることができます。
成約件数の増加は購入希望者の増加を意味するので、売却を検討している中古マンション・オーナーには歓迎できる傾向です。
しかし、なぜか平均成約価格も平均平方メートル単価も下落しています。
平均成約価格は「2017年6~8月」の1,791万円から「2019年3~5月」の1,688万円へと△6%減でした。平均平方メートル単価も同期間に△6%減っています。

この数字からは、値下げして売り始めたので売れるようになった、と推測することができます。つまり、値下げしないと売れないのです。

また市場規模についても、2年のスパンでみると拡大していますが、「2018年3~5月」と「2019年3~5月」を比較すると、50件から46件へ△8%減っています。
つまり短期的には市場は縮小しているのです。この傾向は、中古マンションの売主にとってはネガティブ材料です。

それでは個別物件をみていきましょう。

大分市新町の12階91平方メートル4LDKが3,950万円

大分市新町にある15階建て全87戸のマンションの12階、91平方メートル4LDKの部屋が3,950万円で売りに出ています。2016年9月完成です。

大分市新町には複数のマンションが建っていますが高層階のものは少なく、15階のこのマンションはこの地区で目立つ存在で入居者の所有欲は満たされるはずです。
91平方メートルもあるので部屋を4つ取っていてもリビングダイニングは17帖あります。内装は白を基調としていて清潔感があります。キッチンは対面式で、上部に収納棚がないタイプですっきりしています。
浴槽、洗面台、トイレの水回りの設備は最新式のものが使われていて使い勝手はよさそうです。
玄関手前のポーチや奥行2.5メートルのバルコニーなど、全体的に余裕のある造りになっています。
エントランスは凝ったデザインでありながらシャープで、豪華でありながら品格があります。エントランスホールには、テーブルと椅子のセットが2セット置かれてあります。

大分市新町はJR大分駅から500メートルの位置にあり、周囲にはホテル日航大分オアシスタワー、大分県立美術館OPAM、iichiko総合文化センターなどがあります。「県庁所在地の中心部に住んでいる」実感を味わえるでしょう。
半径1.5キロ圏内には、大分赤十字病院、大分中村病院、永冨脳神経外科、大分循環器病院があり、安心できます。

この住環境にある高層階の築浅物件なので、約4,000万円の価格は納得できます。

別府市亀川四の湯町の2階104平方メートル5LDKが1,480万円

別府市亀川四の湯町にある13階建て全48戸のマンションの2階、104平方メートル5LDKの部屋が1,480万円で売りに出ています。1996年2月完成です。

戸建て住宅ばかりの住宅街にある13階建てマンションなので、とても目立ちます。明るいオレンジ色のレンガ調の外壁で、温かみがあります。100平方メートルを超える広さがありますが、5部屋取っているのでリビングダイニングは12帖しかありません。ただリビングダイニングに6帖の和室がつながっているので、開放感はあります。
築20年以上経過しているので、キッチン、浴槽、トイレ、洗面台の水回り設備は「それなり」です。
このマンションは1階部分が駐車スペースなどになっているので、この2階の物件の階下には住戸がなく、子供が家のなかで走り回っても階下の迷惑になりません。

別府市亀川四の湯町は別府湾に面した土地で、マンションから海まで直線距離で500メートルほどです。JR日豊本線・亀川駅まで1.3キロです。
半径2キロ圏内には、国立病院機構別府医療センター、黒木記念病院があります。
そして「亀川」は、数百の温泉からなる別府温泉郷を代表する温泉地のひとつです。
したがってこのマンションを購入すれば、海と温泉に毎日通うことができます。1,500万円を切る価格であれば、お買い得感があります。

大分県の中古戸建ての売買状況

続いて大分県内の中古戸建ての売買状況をみていきます。

市場は拡大し、価格も順調に推移

大分県全域の中古戸建ての価格動向は以下のとおりです。

レインズ
大分県全域
中古戸建て
2017年6月から2017年8月 2017年9月から2017年11月 2017年12月から2018年2月 2018年3月から2018年5月  
合計成約件数(件) 33 38 39 45  
平均成約価格(万円) 1,926 2,061 2,097 2,141  
平均土地面積(m²) 199 201 199 223  
平均建物面積(m²) 106 105 103 109  
  2018年6月から2018年8月 2018年9月から2018年11月 2018年12月から2019年2月 2019年3月から2019年5月 2017年6月比
合計成約件数(件) 36 50 53 40 21%
平均成約価格(万円) 2,171 2,362 2,146 2,238 16%
平均土地面積(m²) 166 201 189 231 16%
平均建物面積(m²) 101 108 108 120 13%

大分県民は戸建て志向が強いのでしょう。中古戸建て市場は堅調に推移しています。
成約件数は「2017年6~8月」の33件から「2019年3~5月」の40件へと21%増となっています。平均成約価格も同期間、1,926万円から2,238万円へと16%上昇しています。
さらに平均土地面積と平均建物面積(延べ床面積)も10%以上伸びていることから、買い手は「高くてもいい家」を求めていることがわかります。
市場の拡大も、買い手の購買意欲の高さも、これから中古戸建てを売ろうと考えている人にとって「よいニュース」です。

しかし、売却を延期して高値になるのを待つほどの「市場の高揚感」は感じられません。数字を細かくチェックすると、次のような気になる点がみつかります。

  • 「2019年3~5月」の平均成約価格は「2018年9~11月」より下落している
  • 「2019年3~5月」の成約件数は1年前の「2018年3~5月」より減っている

中古戸建てのオーナーは、こうしたネガティブな数字に警戒感を持ったほうがいいでしょう。
それでは次に、大分県内で売りに出ている個別案件をチェックしていきます。

大分市大字関園の175平方メートル5LDKが2,880万円

大分市大字関園にある木造2階建て、土地面積459平方メートル、延べ床面積175平方メートル5LDKが2,880万円で売りに出ています。2001年6月完成です。

とても土地が広く、カーポートは車2台分を確保していますが、それ以外にも4台は停めることができます。庭も広大なので、バーベキューをしても煙が近隣住民の迷惑になることはないでしょう。
外観は薄茶色のレンガ調で、若々しい印象があります。5部屋あっても延べ床面積が175平方メートルもあるので、リビングダイニングはゆったりしています。
玄関は吹き抜けになっています。キッチンは木をふんだんにあしらったカントリー調で好感が持てます。

大分市大字関園は大野川と乙津川に挟まれた土地で、大規模な住宅街を形成しています。保育園、小学校、中学校が近くにあり、子育てしやすい地域です。
また郊外型の商業施設群が近くにあるので、買い物や外食に困ることはありません。
JR大分駅までは道路距離で10キロあるので、自家用車は必須アイテムになるでしょう。
海まで6キロほどなので、水辺の景色を楽しみたい方におすすめできる物件です。

湯布院の温泉付き住宅が9,800万円

由布市湯布院町川上にある木造2階建て、土地面積500平方メートル、延べ床面積56平方メートル1LDKが9,800万円で売りに出ています。1972年(昭和47年)8月完成です。

敷地は石垣で囲われていて、たくさんの広葉樹が植えられています。この物件の目玉は温泉がひかれたお風呂で、設備も温泉宿並みの本格的な造りになっています。
例えるなら、文豪の隠れ家のような家です。

この物件の住所名の由布市湯布院町川上は、九州の奥座敷「湯布院温泉」全体の地名です。つまりこの物件は、オーナー専用の温泉宿といってもいいでしょう。

「ゆふいん」の表記ですが、正式名称は「由布院」とされています。市の名前もJR駅も「由布」になっています。「湯布院」は観光ガイドに使われるなど、愛称のような存在です。
ただこの物件の住所名が「由布市湯布院町」となっているように、「湯布院」も公的名称に使われることがあります。

大分県の土地の売買状況

大分県の2018年の公示地価をみていきましょう。住宅地は20年連続の下落、商業地は27年連続の下落となってしまいました。

県内の住宅地は△0.3%減

大分県の2018年の住宅地の平均変動率(前年比)は△0.3%減でした(△はマイナス)。前年の2017年は△0.6%減なので、下落スピードは落ちています。
大分県の住宅地の公示地価は、県内の200地点の地価から割り出しています。200地点のうち、2018年の上昇地点は24%、横ばい地点は21%、下落した地点の割合は55%でした。
2017年の上昇地点の割合は17%、横ばい地点は16%、下落した地点は67%でしたので、上昇地点は増え、下落地点は減っています。

この数字だけをみると「改善」しているように感じますが、土地オーナーは「2018年でも下落し続けている」ことに着目したほうがいいでしょう。
日本の景気が回復基調になったのは2013年です。そのころ土地価格の下落スピードが落ちたのであれば、今後上昇に転ずることが期待できます。しかし日本の景気は2018年終盤に減速し始め、2019年に入って悪化を示す数字が出るようになりました。
したがって、大分県内の住宅地価格が2018年以降急激に上昇に転じるとは考えにくい、ととらえておくべきでしょう。

県内の商業地は△0.5%減

商業地価格も住宅地と似た動きをみせています。
大分県内の2018年公示地価の商業地の平均変動率は△0.5%減で、2017年の△0.8%減よりは下落幅が減っています。
大分県の2018年の商業地の公示地価は、県内の79地点から算出しています。2018年は、79地点のうち価格が上昇していた地点の割合は24%、横ばい地点は19%、下落地点は57%でした。2017年は上昇地点15%、横ばい地点17%、下落地点68%でした。
上昇地点の割合は増加しています。しかし2018年でも下落地点が57%もあることは見逃せません。

「大分市、別府市、日出町」のラインは好調

大分市、別府市、日出町の3自治体は、別府湾を取り囲むように隣接しています。この3自治体の2018年公示地価は好調で、住宅地、商業地ともに前年より上昇しました。
上昇幅は以下のとおりです。

2018年住宅地の平均変動率

大分市0.9%増、別府市0.2%増、日出町0.4%増

2018年商業地の平均変動率

大分市1.1%増、別府市1.2%増、日出町0.2%増

県全体が落ち込むなかで上昇しているので、これは特筆に値する現象といえるでしょう。土地オーナーはこうした好機を逃さないようにしたいものです。
そして別府市の商業地の1.2%増はとてもよい数字です。別府市に何が起きているのでしょうか。
オリックス不動産は2019年6月に、同社が別府市に保有する杉乃井ホテルを2025年までに約400億円を投じて全面リニューアルすると発表しました。杉乃井ホテルは1944年に開業した老舗で、現在でも稼働率99%と驚異的な人気を誇ります。訪日外国人客も増えてきたことから、大規模投資に踏み切りました。
こうした「よい経済ニュース」があると土地の価格は上がりやすくなります。

少し離れるだけで「総崩れ」

大分市、別府市、日出町を除くと、2018年公示地価で平均変動率が上昇したのは津久見市の住宅地(0.1%増)だけで、それ以外はすべての自治体の住宅地と商業地で前年割れしました。

最も下落幅が大きかったのは、杵築市の商業地の△3.6%減です。杵築市は日出町に接しています。つまり「大分市、別府市、日出町」ラインの地価上昇効果は、隣接自治体にすら届かないことがわかります。

その次に大きな下落幅を記録したのは姫島村で、商業地△2.4%減、住宅地△2.1%減でした。姫島は離島で、国内に44カ所あるジオパークのひとつです。ジオパークとは地球の地史や地質現象が観察できるエリアのことで、日本ジオパーク委員会が認定しています。
また、大分県中津市のT・プランという会社が2018年、姫島で電気自動車のカーシェアリングをはじめました。
姫島は観光地としての魅力は高いのですが、残念ながら地価上昇にはつながっていないようです。
九州の内陸に位置しほとんどが森林地帯の日田市も、商業地△1.9%減、住宅地△0.9%減と低迷しています。
「大分市、別府市、日出町」ラインとその他の市町村の格差は拡大するばかりです。

まとめ~決定打が出る前に動こう

大分県内の不動産市場は「悪い」わけではありません。特に大分市と別府市は、よい兆候もあります。これが売却をためらわせてしまうかもしれません。
しかし大分県内の中古マンションや中古戸建てや土地の価格が今後、高騰することは考えづらいでしょう。したがって、いつか売却しなければならない不動産は、早めに売る準備を整えておくことを強くおすすめします。
不動産仲介会社に「今すぐ手放すつもりはない」と伝えても、不動産仲介会社によってはしっかり査定してくれるところもあります。査定をすれば不動産仲介会社の営業担当者から価格動向の情報を聞くこともできます。
景気が悪化して「投げ売り」合戦になる前に動きましょう。