千葉県の中古マンション、中古戸建て、土地の相場と不動産売却事例をみていきましょう。
2018年7月時点の基準地価において、千葉県の住宅地が平均0.1%上昇しました。リーマンショック前の2008年以来10年ぶりのプラスとはいえ、その上昇幅は「ほんのわずか」です。
日本経済の強さからすると「勢いがない」と感じる不動産オーナーは少なくないでしょう。その懸念は現実味を帯びていて、千葉県は宅地開発ペースを抑制する方針を固めました。
こうした情勢を考えると、保有する中古マンション、中古戸建て、土地の売却を検討している方は「売れるときに売る」姿勢でいたほうがいいでしょう。

ただ地域によっては不動産価格の上昇が見込めることに注意する必要があります。「売り急がないほうがよい地域」が存在します。
千葉県内に売却不動産を抱える人は、全体の流れと地域事情の2つの情報を入手して「売り時」を探ってください。

千葉県の不動産価格に影響を与えそうなトピックス

商品やサービスの価格は市場の需要と供給で決まりますが、ある程度は売る側の意思を反映できます。
しかし不動産の売却価格は、相場を超える金額で売ることは難しいでしょう。不動産の価格は、そのほかの商品やサービスの価格に比べると、「世の中の動き」に左右されやすいのです。
そのため、千葉県内にある不動産を売却しようと考えている方は、千葉県内の経済動向を押さえておかないと「最高値で売れる時」を見逃してしまうことになりかねません。

千葉県の人口は2045年までに12%減る

不動産価格の大きな流れを決めるのは人口です。一般的に、人口が増える地域の不動産は値上がりし、人口が減る地域では値下がりします。
国立社会保障・人口問題研究所は2018年に、千葉県の2045年の人口が546万人になると推計しました。これは2015年より12%減る数字です。
人口の高齢化も不動産市場の熱を冷ます効果がありますが、千葉県も高齢化は加速します。65歳以上人口の割合は2015年では25.9%でしたが、45年には36.4%まで上昇します。ほとんどの高齢者は新たに不動産を手に入れようとはしません。むしろ保有している不動産を売る機会が増えるので、供給過多に陥る可能性があります。いずれも不動産価格を押し下げる効果があります。
これが「売れる時に売っておいたほうがよい」と判断する根拠になります。

特に人口が減るのは勝浦市、銚子市、長南町、九十九里町、鋸南町

2045年までの人口減少率が最も大きいのは(最も人口減少スピードが速いのは)、房総半島の南部に位置する鋸南町で、2015年比で57.3%減となる見込みです。そして勝浦市、銚子市、長南町、九十九里町も人口が半減するとみられています。
これらの地域は若者の流出だけでなく、高齢者も都会に出た子供たちに引き取られる形で減る可能性が高いとみられています。
不動産需要は落ち込む一方だと考えられるので、「売却は急いだほうがよい」かもしれません。

県庁所在地の千葉市ですら例外ではない

県庁所在地の千葉市ですら人口減の荒波に逆らえません。千葉市の人口は2015年から2045年までの30年間で6.9%減る見込みです。
そして幕張副都心の美浜区や県内最大の団地群がある花見川区はさらに減少率が大きく10%減を超えます。

ただ流山市、印西市、木更津市、浦安市は人口が増える

千葉県内で2045年まで人口が増え続けると見込まれているのは、流山市(14.7%増)、印西市(4.4%増)、木更津市(0.8%増)、浦安市(0.3%増)です。
この4市には「人口が増える理由」があります。

<流山市>は「人口を増やす電車」といわれているつくばエクスプレス沿線になっていて、マンション開発が進む予定です。
東京・秋葉原を出発するつくばエクスプレスは、東京以外では、八潮市、三郷市(以上埼玉県)、流山市、柏市(以上千葉県)、守谷市、つくばみらい市、つくば市(以上茨城県)の7市を通りますが、そのうち流山市と柏市とつくばみらい市とつくば市は将来人口が増えると推計されています。
東京圏の自治体にとって、東京へのアクセスのよさは最高の人口対策といえるでしょう。

<印西市>の人口増は、1966年から始まり2014年に完了した千葉ニュータウンの存在が大きいと見られています。今後も若いファミリー層の流入が期待されます。
1兆1,903億円もの巨費を投じて街並みを整え、魅力的な商業施設を集め、都心部や成田空港へのアクセスを整備した結果、「人々が住みたい街」になったのです。
千葉ニュータウンは白井市と船橋市にも広がっていますが、船橋市の人口は3.1%減、白井市は8.3%減となっていて千葉県全体の12%減より減り幅は小さく済んでいます。

<木更津市>は高速道路「東京湾アクアライン」など、「千葉県の東京への玄関口」としての地位が確立しています。<浦安市>には国内最大のテーマパーク東京ディズニーリゾートがあり、街の魅力増進に大きく寄与しています。

千葉県の中古マンションの売買状況

千葉県内の不動産の全体的な傾向がつかめたところで、中古マンションの売買状況をみていきましょう。

千葉県内に2019年以降に完成する高層マンション

中古マンションの売却価格は新築マンションの建設状況に左右されます。新築マンションが建つと、その周辺の中古マンションは劣化が目立ってしまうので一時的に価格は下がります。
ただ、新築マンションが林立したり(たくさん建ったり)、タワーマンションのような高級マンションが建ったりすると、街に活気が生まれたり富裕層が増えたりするので、その地域がブランド化されます。その域に達すると、「中古マンションでもその地域に住みたい」という需要が生まれ、中古マンション価格が上昇します。
千葉県内で2019年以降に完成するマンションのうち、15階以上のものは以下のとおりです。

マンション名 高さ 所在地 所在地ごとの階数の総数 完成予定月
(仮称)EXC本八幡駅前計画 新築工事 59.24 19 千葉県市川市 37 2020.2
ルフォン市川一丁目 ザ・タワー&レジデンス 58.89 18 千葉県市川市 2020.2
津田沼 ザ・タワー 161.04 44 千葉県習志野市 44 2020.4
パークシティ柏の葉キャンパス サウスフロント 59.9 20 千葉県柏市 67 2019.1
(仮称)ワザック柏の葉キャンパス計画 59 18 千葉県柏市 2020.9
(仮称)柏の葉162街区計画新築工事 104.66 29 千葉県柏市 2021.5
千葉駅西口地区第二種市街地再開発事業 B工区 59.4 15 千葉市中央区 51 2020.3
千葉銀行 本部棟建替え計画 90 16 千葉市中央区 2020.9
千葉パルコ跡地開発 20 千葉市中央区 2020
幕張ベイパーク スカイグランドタワー 172.4 48 千葉市美浜区 214 2020.12
(仮称)幕張新都心若葉住宅地区計画 B-3街区 46 千葉市美浜区 2022
(仮称)幕張新都心若葉住宅地区計画 B-6街区 37 千葉市美浜区 2026
(仮称)幕張新都心若葉住宅地区計画 B-4街区 46 千葉市美浜区 2027
(仮称)幕張新都心若葉住宅地区計画 B-5街区 37 千葉市美浜区 2029

市川市、習志野市、柏市、千葉市中央区、千葉市美浜区で15階以上の高層マンションの建設が予定されています。40階を超えるタワーマンションも4棟含まれています。
マンションの階数を所在地ごとに足し合わせると、幕張新都心若葉住宅地区計画などがある美浜区が214階となり、ダントツの多さです。
そして柏市と中央区はそれぞれ3棟が計画されています。

高層マンションが建つ地域は、マンションデベロッパーが「魅力がある」と判断した土地であり、そして高層マンションが建つことで地域が活性化する可能性が高くなります。
市川市、習志野市、柏市、千葉市中央区、千葉市美浜区に売却用の中古マンションを保有している方は、不動産会社に「売り時」を尋ねるなど、リサーチに取り組み始めてもいいでしょう。

千葉県の中古マンション市況

千葉県内の中古マンションの市況を地域ごとにまとめてみました。以下の表は不動産会社が公開しているものをまとめたものです。

千葉県内の中古マンションの相場
地区 ~40m² ~50m² ~60m² ~70m² ~80m² ~90m² ~100m² 101m²~
千葉市中央区 507万円 848万円 1,480万円 1,786万円 2,292万円 2,725万円 2,162万円 2,749万円
千葉市花見川区 481万円 801万円 1,142万円 2,093万円 2,497万円 1,473万円 980万円
千葉市稲毛区 850万円 403万円 1,212万円 1,771万円 1,958万円 2,053万円 1,960万円 3,075万円
千葉市若葉区 1,230万円 1,419万円 390万円 1,676万円 1,280万円
千葉市緑区 1,315万円 1,183万円 2,041万円 1,481万円 1,880万円
千葉市美浜区 935万円 1,335万円 1,458万円 2,217万円 2,659万円 3,774万円 4,190万円
銚子市
市川市 867万円 1,375万円 2,326万円 2,516万円 2,959万円 3,638万円 3,126万円 4,742万円
船橋市 1,751万円 1,152万円 1,928万円 2,330万円 2,311万円 2,767万円 1,706万円 2,618万円
館山市 105万円
木更津市 589万円 2,680万円
松戸市 747万円 575万円 1,369万円 1,951万円 2,110万円 1,967万円 2,983万円 2,380万円
野田市 1,080万円 1,315万円 2,540万円 1,280万円 1,280万円
茂原市 630万円 750万円 643万円
成田市 670万円 2,270万円 4,380万円 3,480万円 1,497万円
佐倉市 1,439万円 1,288万円 1,598万円 2,180万円 2,516万円
東金市 655万円 480万円
旭市
習志野市 585万円 1,746万円 2,083万円 1,959万円 2,065万円 2,597万円 4,483万円
柏市 1,093万円 1,021万円 2,086万円 1,873万円 1,844万円 1,753万円 2,862万円 2,502万円
勝浦市 350万円 417万円 680万円 853万円 855万円 680万円
市原市 240万円 575万円 1,337万円 1,292万円 880万円 1,750万円
流山市 1,172万円 1,727万円 1,923万円 2,167万円 2,073万円 1,858万円 4,137万円
八千代市 436万円 450万円 1,564万円 2,161万円 2,051万円 2,380万円 1,727万円
我孫子市 710万円 1,013万円 1,682万円 1,157万円 1,526万円 1,535万円 2,680万円
鴨川市 225万円 383万円 725万円 1,180万円 300万円
鎌ケ谷市 334万円 1,826万円 1,604万円 925万円
君津市 68万円 1,855万円 2,180万円 2,180万円
富津市 830万円
浦安市 1,480万円 2,047万円 3,251万円 3,751万円 3,670万円 4,998万円 6,060万円
四街道市 1,022万円 2,810万円 2,080万円
袖ケ浦市
八街市 549万円
印西市 790万円 600万円 1,245万円 1,641万円 1,840万円 1,715万円
白井市 512万円 980万円 1,228万円 956万円 1,372万円
富里市 1,390万円 680万円 1,000万円
南房総市 520万円 482万円 477万円 665万円
匝瑳市
香取市
山武市 660万円
いすみ市 440万円 380万円 1,800万円
大網白里市 450万円 980万円
印旛郡酒々井町 2,140万円 707万円
印旛郡栄町
香取郡神崎町
香取郡多古町
香取郡東庄町
山武郡九十九里町
山武郡芝山町
山武郡横芝光町 400万円
長生郡一宮町
長生郡睦沢町
長生郡長生村
長生郡白子町 264万円 392万円
長生郡長柄町
長生郡長南町
夷隅郡大多喜町
夷隅郡御宿町 256万円 585万円 598万円 505万円 715万円 1,690万円
安房郡鋸南町 1,350万円 1,550万円

市川市と浦安市の中古マンション売却価格は期待できる。成田市は注意が必要

「~90平方メートル」帯で3,000万円を超えたのは、市川市と浦安市と成田市です。このうち市川市と浦安市は中古マンション市場がしっかり形成されているとみていいでしょう。売却価格の設定も強気で臨んでもいいかもしれません。希望価格で買い手がつかない場合、しばらく販売活動を休止することも検討してみてください。

成田市は「~90平方メートル」帯では最高の4,380万円となっていますが、これは「瞬間風速」の可能性が高く、参考にしにくい金額です。というのも「~100平方メートル」帯で3,480万円に下がっていますし、「~80平方メートル」帯では2,500万円を大きく割り込む2,270万円となっているからです。

千葉県の中古戸建ての売買状況

千葉県内の中古戸建ての売買状況をみていきましょう。
千葉県が2018年3月に、住宅地の開発ペースを抑制すると発表しました。これが中古戸建ての売却価格にどう影響するでしょうか。

住宅地の開発ペースの抑制は中古戸建てオーナーにとってよいことなのか

千葉県は2015~2025年の住宅地面積の増加目標を年平均240ヘクタールに減らす方針です。これは2018年の増加ペースの4割減となります。
千葉県全体の人口は、2020年代中盤に減少に転じる見込みなので、宅地開発のペースを緩めるのは当然の決断です。
その一方で千葉県は、都市部の空地や未利用地の活用を進めていきます。空地や未利用地であれば住宅を建てるコストを減らすことができます。「宅地開発のペースを緩める」と聞くとネガティブな印象を受けますが、しかし無駄を減らす行政運営と考えればプラス評価ができるのではないでしょうか。

県のこの住宅地政策の変更は、売却を予定している中古戸建てオーナーには朗報となるのでしょうか。一般的には「中古戸建ての価格は上昇または維持が期待できる」といえるでしょう。千葉県は需給バランスを考えて決定を下したわけですから、供給側である中古戸建てオーナーには追い風と考えられるからです。
ただ中古戸建ての売却価格は地域の事情に大きく左右されるので、すべての中古戸建ての価格が一気に上昇することはありません。

千葉県の中古戸建て市況

千葉県内の中古戸建ての市況は以下のとおりです。

千葉県内の中古戸建ての相場
地区 ~40m² ~50m² ~60m² ~70m² ~80m² ~90m² ~100m² 101m²~
千葉市中央区 3,499万円 1,942万円 780万円 2,817万円 2,286万円 2,641万円
千葉市花見川区 420万円 3,680万円 3,123万円 2,907万円 2,710万円
千葉市稲毛区 680万円 2,620万円 3,560万円 3,126万円 2,958万円
千葉市若葉区 1,200万円 2,467万円
千葉市緑区 2,269万円
千葉市美浜区 3,153万円 3,896万円 3,630万円
銚子市 610万円 1,574万円
市川市 2,413万円 2,344万円 3,295万円 4,219万円 4,007万円 3,939万円 4,106万円 3,581万円
船橋市 580万円 2,660万円 1,848万円 2,156万円 1,862万円 2,811万円 2,715万円 2,988万円
館山市 2,199万円
木更津市 2,271万円
松戸市 430万円 740万円 998万円 1,479万円 2,042万円 1,370万円 2,725万円 3,206万円
野田市 1,260万円 1,398万円 2,241万円
茂原市 590万円 1,355万円
成田市 3,356万円
佐倉市 600万円 900万円 570万円 1,528万円 2,298万円
東金市 1,356万円
旭市 989万円
習志野市 3,270万円 2,407万円 2,782万円 3,191万円 3,482万円
柏市 750万円 1,335万円 1,190万円 2,105万円 2,188万円 2,667万円
勝浦市 2,019万円
市原市 2,090万円 450万円 539万円 1,970万円
流山市 900万円 2,850万円 1,990万円 2,180万円 2,813万円 2,110万円 3,379万円
八千代市 1,254万円 1,920万円 2,793万円 2,413万円 2,870万円
我孫子市 1,240万円 2,755万円
鴨川市 2,328万円
鎌ケ谷市 1,380万円 580万円 1,106万円 2,398万円 1,829万円 1,797万円 2,613万円
君津市 2,186万円
富津市 450万円 2,502万円
浦安市 1,315万円 4,003万円 4,305万円 5,230万円 4,789万円 5,288万円 7,493万円
四街道市 2,480万円 1,980万円 2,389万円
袖ケ浦市 590万円 490万円 2,213万円
八街市 480万円 1,149万円
印西市 2,274万円
白井市 620万円 600万円 2,527万円
富里市 1,880万円 1,879万円
南房総市 2,794万円
匝瑳市 1,098万円
香取市 2,011万円
山武市 298万円 1,144万円
いすみ市 1,327万円
大網白里市 830万円 1,377万円
印旛郡酒々井町 2,060万円
印旛郡栄町 1,709万円
香取郡神崎町 1,454万円
香取郡多古町
香取郡東庄町 1,980万円
山武郡九十九里町 1,244万円
山武郡芝山町 769万円
山武郡横芝光町 1,261万円
長生郡一宮町 2,022万円
長生郡睦沢町 1,255万円
長生郡長生村 1,398万円
長生郡白子町 540万円 1,149万円
長生郡長柄町 1,912万円
長生郡長南町 762万円
夷隅郡大多喜町 1,350万円
夷隅郡御宿町 1,859万円
安房郡鋸南町 1,350万円

浦安市での中古戸建て売却は強気で

中古戸建ての価格では、浦安市が一人勝ちの様相を呈しています。「~60平方メートル」帯で4,000万円台となっているほか、「101平方メートル~」帯では7,000万円を大きく上回る価格になっています。
浦安市の中古戸建てを売却する方は、価格交渉や値付けには強気姿勢で臨んでもいいでしょう。

「~100平方メートル」で2,500万円超は花見川区、稲毛区、美浜区、市川市、船橋市、松戸市、習志野市、浦安市

浦安市以外で「~100平方メートル」の中古戸建てで2,500万円を超えたのは、花見川区、稲毛区、美浜区、市川市、船橋市、松戸市、習志野市でした。
これらの地域に売却用の戸建てを保有している方は、「千葉県に住むなら広い戸建てに住みたい」と考えている購入希望者にめぐりあうことで高値での売却が可能になります。
販売活動では東京へのアクセスのよさをPRするとともに、自然環境のよさや街の静けさなどの「東京にないもの」をアピールしてはいかがでしょうか。

千葉県の土地の売買状況

千葉県の土地の売買状況をみていきます。
まずは土地価格に影響を与えそうなトピックスを紹介します。

ようやく「底を脱した」状況

日経平均を2倍以上にした経済政策「アベノミクス」がスタートしたのは2013年です。2016~2017年ごろから全国各地で「土地が値上がりした」というニュースが聞こえ始めましたが、千葉県の土地価格はそれに若干乗り遅れている感があります。
2018年7月の千葉県の基準地価では、住宅地が2008年以来10年ぶりに上昇に転じましたが、その上昇率は0.1%にすぎません。東京に隣接している千葉県としては「勢いが足りない」といってもいいでしょう。
土地価格は常に上昇と下降を繰り返します。下降から上昇に転じる点のことを「底」といいますが、千葉県の地価はようやく底を脱した状況です。
ただ地域別にみていくと、明暗がはっきりしてきます。
それでは次に「明」の地域をみていきましょう。

東京湾アクアライン効果がみられる君津市と木更津市の住宅地価

住宅地の上昇率が高かったのは、君津市(5.3%上昇)と木更津市(2.8%上昇)でした。いずれも東京湾アクアライン効果とみられます。東京への通勤・通学のしやすさが好感された模様です。
市川市や浦安市や松戸市など県北西部では、1平方メートルあたり20万~30万円することも珍しくありませんが、君津市や木更津市ではまだ1平方メートルあたり4万~5万円で購入できます。そのため若いファミリー層が「家を建てるなら君津市や木更津市」と考えるようになり、住宅地価を押し上げているのでしょう。
ちなみに市川市の2018年の住宅地価は1.0%上昇、浦安市は1.8%上昇、松戸市は0.4%上昇でした。

商業地の上昇が目立つ県北西部の船橋市、市川市、浦安市

東京経済圏に組み込まれている千葉県北西部は、人口増や購買力の上昇やビジネスの好調さに牽引されている形で商業地の価格が上層しています。
北西部でも特に船橋市(3.2%上昇)、市川市(4.6%上昇)、浦安市(3.0%)は上昇率が加速している状態です。
この3市は不動産需要が高まっているにも関わらず再開発が進んでいないという点が共通しています。ビジネス向け不動産の需要逼迫が土地の価格を吊り上げているわけです。

千葉県の土地市況

千葉県内の地域別の土地市況をみてみましょう。
町村部は土地市場が形成されていないので省略しています。

千葉県内の土地の相場
地区 ~40m² ~50m² ~60m² ~70m² ~80m² ~90m² ~100m² 101m²~
千葉市中央区 1,245万円 960万円 2,168万円 1,880万円 1,763万円
千葉市花見川区 1,400万円 400万円 1,000万円 1,300万円 2,308万円
千葉市稲毛区 840万円 950万円 500万円 1,682万円 2,261万円
千葉市若葉区 780万円 1,100万円 1,642万円
千葉市緑区 380万円 1,258万円
千葉市美浜区 3,000万円
銚子市 2,608万円
市川市 600万円 1,147万円 1,767万円 2,066万円 2,463万円 2,217万円 3,608万円
船橋市 410万円 1,311万円 972万円 1,086万円 1,382万円 2,177万円
館山市 854万円
木更津市 166万円 1,382万円
松戸市 470万円 591万円 655万円 1,216万円 929万円 1,027万円 2,621万円
野田市 480万円 480万円 200万円 1,040万円
茂原市 80万円 80万円 65万円 60万円 643万円
成田市 138万円 762万円
佐倉市 605万円 500万円 750万円 1,134万円
東金市 676万円
旭市 609万円
習志野市 980万円 2,100万円 1,888万円 2,465万円
柏市 1,200万円 600万円 750万円 670万円 777万円 954万円 1,678万円
勝浦市 180万円 855万円
市原市 440万円 290万円 896万円
流山市 825万円 1,250万円 1,290万円 2,653万円
八千代市 700万円 733万円 1,166万円 2,331万円
我孫子市 475万円 1,506万円
鴨川市 1,420万円
鎌ケ谷市 580万円 1,148万円 1,285万円 917万円 1,383万円
君津市 1,304万円
富津市 1,306万円
浦安市 2,100万円 3,436万円 7,527万円
四街道市 680万円 617万円 1,534万円
袖ケ浦市 500万円 1,021万円
八街市 537万円
印西市 1,198万円
白井市 350万円 480万円 325万円 727万円 2,078万円
富里市 369万円
南房総市 375万円
匝瑳市 583万円
香取市 621万円
山武市 361万円
いすみ市 236万円 526万円
大網白里市 90万円 469万円

一部の都市部以外の土地売却は厳しい

土地価格が厳しい地域に注目してみましょう。「~100平方メートル」帯で1,000万円割れを起こしている市区は、13市区ありました。
千葉市でも緑区は380万円となっています。また「東京への玄関口」のひとつである木更津市も166万円と低迷しています。
そのほか市場を形成できていない市も多数あります。
千葉県内の土地売却は、一部の都市部を除く多くの地域で厳しい状況が続いているとみるべきでしょう。

まとめ~際立った長所がない物件の売却は難航するかも

千葉県内の不動産の売却を検討している人にとって、現状は過去より「よりまし」ではあるものの、「好機到来」とまではいえないようです。
不動産の売却を、「値上がりが期待できる2020年の東京五輪の直前まで引っ張りたい」と考える不動産オーナーは少なくないでしょう。しかしその場合、売り損じには十分警戒する必要があります。期待していたほどには価格が上昇せず、管理コストのほうが高くなる可能性があるからです。
際立った長所があり問い合わせが多い物件以外は、「売れる時が売り時」と考えておいたほうがいいかもしれません。