分譲のワンルームマンションからもう少し広い物件に住み替えたい。あるいは、投資用として持っているワンルームマンションをそろそろ売却したい。
それなら、今が売却のチャンスかもしれません。
同じマンション売却でも、ワンルームは投資対象として考える人が多く、ファミリーマンションとは少し事情が違ってきます。ここでは、賢くワンルームマンションを売却するために気をつけたいことをご紹介します。

ワンルームマンションの今後の需要と人気の条件とは?

今後のワンルームマンションの需要は?

東京など都心を中心にワンルームマンションは今後も需要が伸びると見られています。
その理由として、都心回帰の傾向が続き都心の人口が増え続けていること、また生涯非婚を貫く独身者が増え単身世帯が増加中であることなどが上げられます。
東京都は、東京の人口は団塊世代が全て75歳以上になる2025年をピークに減り始めると予想しています。世帯別の内訳を見るとファミリー世帯は2020年頃を境に減り始めるのに対して、単身世帯は2035年まで増え続けると予測されています。
ワンルームでいいから都心の便利なエリアに住みたい、と思う人が単身世帯を中心に増えているため、分譲・賃貸のワンルームマンションの需要は続くと見られています。

新たなワンルームマンションは規制で難しい?

このようにワンルームマンションの需要が高まっている反面、ワンルームマンションの新たな建設は難しくなっています。

2006年に施行された国の住宅政策「住生活基本計画」をご存じでしょうか。
住生活基本計画とは、「住生活基本法」に基づいて策定されている住宅政策の基本方針を示すもので、5年に1度見直しが行われています。
2016年にも見直しが行われ、少子高齢化・人口減少等の課題を正面から受け止めた新たな住宅政策の方向性を提示するものとなっています。
そのポイントは3つあります。
若年・子育て世帯や高齢者が安心して暮らせる住生活の実現
結婚、出産を希望する若い世代や高齢者の住生活に関する目標を初めて設定して、それぞれの世帯が暮らしやすい住環境を作るために、民間賃貸住宅を活用した住宅セーフティネット機能を強化する
既存住宅の流通促進と空き家の積極的活用で住宅ストック活用型市場への転換を加速
空き家を積極的に活用して減らすほか、既にある住宅の建て替えやリフォームで質の良い住宅ストックを目指す
住生活産業を活性化させ住生活を支え強い経済を実現する担い手に
産業に関する目標について初めて言及し、住宅ストックビジネスを活性化させて、既存住宅の流通やリフォームの市場規模を倍増させ20兆円市場を創出する

この住生活基本計画では、単身者が暮らす部屋の最低居住面積が25㎡と定められており、これを元に都区部でも独自に基準を設けています。以下に一部抜粋でご紹介します。

基準
千代田区 専用面積30㎡以下の住戸が10戸以上で、階数が地下も含めて4以上の建物を対象とし、1住戸の専用面積は25㎡以上とする。住戸の総戸数が20以上の場合、専用面積40㎡以上のファミリー向け住戸の専用面積を全住戸の専用面積の1/3以上とする。
港区 1住戸の専用面積が37㎡未満の住戸が7戸以上の共同住宅(総戸数の3/4以上が専用面積50㎡以上の住戸のものは除く)を対象とし、住戸の専用面積は25㎡以上とする。ただし、商業地域においては総戸数の1/2未満は20㎡以上とすることができる。
新宿区 ワンルームマンション等は高齢者の入居に配慮する。30戸以上の場合、2割の住戸を高齢者利用に配慮した住戸とする。同じく30戸以上の場合は、専用面積40㎡以上のファミリー住戸を一定割合設ける。
渋谷区 地下を除く階数が3以上、または居室を有する階数が3以上あり、専用面積が33㎡未満の住戸が15以上で、33㎡未満の住戸の数が総戸数の1/3以上ある共同住宅を対象とし、住戸の専用面積は28㎡以上とする。
世田谷区 用途地域が住居系または準工業の場合、住宅専用面積は40㎡未満が12戸以上とし、商業系の場合は15戸以上の物件を対象とし、専用面積は25㎡とする。

上の表ではワンルームマンション条例の一例をご紹介しましたが、このほかにも駐車場や駐輪場の確保や隣地の外壁との間隔、緑地の確保などに条件を設けているところが多く、ワンルームマンションの新規建築が厳しいことがうかがえます。
この傾向は東京都区部以外にも広がっています。

中古ワンルームマンションの需要も増加する?

単身者でワンルームでもいいから都心の便利な場所に暮らしたいと思う人がこれからも増える一方で、このようにワンルームマンションを新築する場合、ある程度広さが求められるなどの条件が設定されるということは、需要に見合った供給が望めない、あるいは新しく建築されても販売価格や賃貸価格が上昇する可能性があり、なかなか手が出せない状況となります。そのため、今後中古ワンルームマンションの需要がさらに高まると予測されます。
こうした傾向を見ると、ワンルームマンションの売却は、これからがよいタイミングと考えられます。

ワンルームマンションはファミリー向けと違い、投資用に購入したいと考える人が多いのですが、投資で利益を上げたいのであれば、その売却はワンルームマンションの売買を得意とする不動産会社に仲介を頼むべきでしょう。

人気のワンルームマンション、その条件とは?

ワンルームマンションで人気の物件に共通する条件とは?ここでは、単身者が借りたいと思う、ワンルームマンションの条件をご紹介します。

  • 駅から近い
  • 築浅である
  • オートロックである
  • トイレ・バスが別である
  • 無料で使えるインターネットがある
  • 独立洗面台がある
  • 2口コンロのキッチンがある

駅から近いという便利さと、オートロックで安心・安全が確保されていること、そして水回りなどの設備が充実している物件が人気となります。皆さんが保有する物件はいかがでしょうか。

築浅であることは買い手、借り手にとっては大変魅力ですが、税金のことを考えると注意も必要です。
次では、ワンルームマンションの売却のタイミングと税金の関係について説明しましょう。

ワンルームマンション売却時にかかる税金と売るタイミングは?

投資用で保有しているワンルームマンションを売却したら、居住用の物件売却と同じく確定申告をしなければなりません。そして譲渡所得に対しては所得税・住民税が課せられます。
ただし、譲渡所得とは売却益のことですので、譲渡損失が発生する場合は課税されません。
譲渡所得は以下のように計算します。

譲渡所得(売却益) = 譲渡金額(売却価格) - (取得費用 + 譲渡費用)

譲渡所得は、売却した金額からその不動産を取得した際の購入代金や手数料などの諸経費、および譲渡のためにかかった費用などを差し引いて算出します。また、マンションの場合、購入代金から減価償却をする必要があります。
詳しくは別頁の不動産売却で課される税金とは?売却益と取得費用の関係をご参照ください。

この譲渡益または損失ですが、同じ年に他に不動産を売却したのであれば、その不動産の譲渡益または損失と合わせて損益通算することが可能です。
ただし、給与所得などのほかの所得とは損益通算することはできませんのでご注意ください。

なお、ワンルームマンションを売るタイミングを考えるときには、前項でもご紹介した通り、新しいものほど魅力ではありますが、売主が保有した期間によって税金が変わってきますので、そのことも踏まえて考えるようにしてください。
不動産の所有期間が5年以下で売却すると「短期譲渡所得」、5年を超えてから売却すると「長期譲渡所得」となって、それぞれ所得税・住民税の税率が異なり、5年を越えてから売却すると税率は低くなります。これは、土地を短期間に売買して利益を得ようとする、いわゆる「土地ころがし」防止のためです。

不動産の築年数を聞いたとき、どの位が新しいと感じ、どの位だと古いと感じるものでしょうか。人それぞれ感じ方は違うでしょうが、10年が一つの境になっているようです。ワンルームマンションの売却のタイミングは新しい程いいのはもちろんですが、税金のことも考えると5年以上10年未満がよいタイミングと考えられます。

オーナーチェンジで居住中のワンルームの売却も可能

投資用に持っているワンルームマンション、そろそろ売却したいと考えても、現在、賃貸中で空室にできないのが悩みどころ……。
そんな方も多いと思いますが、実はオーナーチェンジという方法を採れば、賃借人に出てもらう必要はありません。賃借人はそのまま住み続けることができ、家賃や賃貸の契約期間もそのままで変更せずに売却できるので、賃借人に迷惑がかかりません。
売却に伴う変更手続き、家賃の振込先変更手続きなどは仲介の不動産会社がすべて行ってくれますので、賃貸中だとあきらめることはありません。

ワンルームマンション売却で仲介?買取?そのメリットデメリット

ワンルームマンションを売却する場合、不動産会社が仲介に入って買い手を探す「仲介」のほかに、不動産会社が買い手となる「買取」という方法もあります。どちらがいいのでしょうか?それぞれのメリットとデメリットをご紹介しましょう。

仲介の場合のメリットは、自分で希望の売却価格を決めることができることです。ただし、買い手が決まるまでに時間がかかる可能性があり、場合によっては値引きも必要となる、この点がデメリットです。
一方の買取は、不動産会社がすぐに買ってくれますので、至急現金化したいときなどは大変助かります。ただし、不動産会社は相場がわかっていますので、かなり厳しい値段をつけられることは覚悟しなければなりません。売却価格は仲介よりも安くなってしまいます。

仲介する不動産会社を見つける際には、一括査定サービスを利用してみよう

これまでご紹介したように、ワンルームマンションはファミリー向けの一般の居住用マンションとは違い、投資目的で売買することが多く、投資で利益を上げたいなら、ワンルームマンション売買の経験が豊富な会社に依頼することが成功の鍵になります。
大手だからワンルームも実績があるだろうなどといった安易な理由で、最初から1社に絞ってしまうのはおすすめできません。
ネットで物件情報を入力するだけで数社の査定金額を知ることができる、無料の不動産売却一括査定サービスというものがあります。まずはこのサービスを利用して、複数の仲介業者から査定金額を出してもらいその金額を比較してみましょう。気になる不動産会社があれば担当者と話すとともに実績を確認するなどして、ワンルームマンションの売却に精通した不動産会社を見つけましょう。