大きな経済圏ほど好景気の恩恵を受ける傾向があります。九州で最大の県別GDP(県内総生産)を誇る福岡県も例外ではありません。
福岡県内に中古マンション、中古戸建て、土地を保有している不動産オーナーにとっては、いまは「売り時」の状態といえます。むしろ不動産価格の高騰がみられる地域の不動産であれば、さらなる値上がりを「待ってもよい」かもしれません。

ただ、同一都道府県内でも都市部と郡部の経済格差が広がる傾向が全国でみられます。福岡県でも、福岡市や北九州市の一部の区の不動産価格に驚くほど高い値がつく一方で、両市以外の市町村では苦戦が目立ちます。

福岡県の不動産売却は、所在地によって「売り時」「待ち時」「売り急ぎ時」にわかれることになるでしょう。

福岡県の不動産価格に影響を与えそうなトピックス

福岡県の不動産に関するニュースのなかから、今後の中古マンション・中古戸建て・地価市況を占うものをピックアップして紹介します。

圧倒的な人口増加率。人が増えれば不動産価格も上がる

福岡市の不動産価格が高騰している最もシンプルな理由は人口増です。人が増えれば中古マンションも中古戸建ても土地も必要になり価格は上昇します。
2010年10月から2015年10月までの5年間の福岡市の人口増加数は74,938人で、政令市のなかで最多です。2位の神奈川県川崎市が49,701人、3位のさいたま市は41,545人、そして北国を代表する札幌市は4位38,811人ですので、福岡市の増加数の大きさは際立っています。
そして人口増加率も福岡市は高く、2010年10月から2015年10月までの人口増加率はやはり政令市のトップで5.1%でした。2位の川崎市が3.49%、3位の仙台市が3.46%でしたので、福岡市の増加率がいかに大きいかおわかりいただけるでしょう。政令市の平均人口増加率が1.1%なので、福岡市はその5倍の速さで人口が増えているのです。

アジアの投資家が福岡市に注目している

現在の日本の不動産価格は、外国人投資家の動向に大きく左右されます。1980~90年代のバブル期は日本経済自体にパワーがあったので、日本人が不動産を大量に買ったことで不動産価格が高騰しました。しかし現在は、国内企業に「バブルの反省とトラウマ」があるため、費用対効果を無視した無茶な不動産投資はあまりみかけません。
ところが上海、香港、台湾、シンガポールの投資家たちには、日本の不動産が「割安」に映っているようです。アジアマネーが向かう先は、まずは東京圏で、その次が福岡市なのです。なぜなら福岡市は、上海、香港、台湾、シンガポールにとって「最も近い日本の大都市」だからです。
福岡空港の入国外国人数は2017年度221万人で、成田空港764万人、関西空港716万人、羽田空港375万人に次ぐ第4位でした。5位沖縄空港、6位新千歳空港、7位中部空港を押さえての4位ですので、福岡の外国人人気の底堅さがわかります。
港の入国外国人数では、博多港は78万人で全国1位です。2位は同じ九州の長崎港60万人で、3位に入ったのも「九州・沖縄地方」の那覇港38万人でした。
福岡市は外国人にとって、「経由地」ではなく「直接訪れる都市」なのです。

外国人の不動産投資家は、「まず首都圏、次いでなじみのある地方の大都市」という順に投資をしていく傾向があります。首都圏の不動産価格が高騰し「うまみ」が減ったことで、割安感がある地方大都市で、かつ「訪れたことがある」福岡市がその次に選ばれた、と考えることができます。

シンプルに魅力がある地域だから

不動産業界に限らず、いま全国的に福岡ブームが到来しています。福岡市は食文化が発達しているほか、中洲など遊べる場所も充実しています。
2018年2月に「福岡市が地方最強の都市になった理由」(PHP研究所)という本が出版されました。著者の木下斉氏は内閣府の地域活性化伝道師を務めていて、いわば客観的に地方都市を分析できる専門家です。
その「地方の達人」が、福岡市を最強とした理由は次のとおりです。

  • 教育機関が多く九州全域から若者が集まる
  • 教育機関の多さはファミリー層にも人気
  • 留学生や外国人観光客が多く、街が国際化している
  • 交通の便がよい。空港から市街地まで地下鉄で5分。バス停も多い
  • 市中心部の家賃が他の地方都市より安い。職と住を隣接させやすくワークライフバランスを向上させやすい
  • 上場企業、クリエイティブ系企業、スタートアップ企業から屋台まで産業構造が複雑かつ豊か
  • 市内在住の大卒者がそのまま市内に就職しやすい。街に愛着を持つ若者が企業人になっている
  • 若い創業者が多い。福岡市の開業率は全国の政令市トップ

街に活気がありビジネスが成功しやすい街だから、福岡市の不動産価格はいま上昇しているのです。

福岡県の中古マンションの売買状況

福岡県内の中古マンションの売買状況をみてみましょう。中古マンション価格でもやはり、福岡市内は堅調です。

新築高級マンションの値上がりが顕著

福岡市内の新築マンションで「高級」といえば、かつては坪200万円ほどでした。80平方メートルの新築マンションで5,300万円ほどです。
しかしいまは坪300万円付近の物件が増えてきました。80平方メートルで7,000万円をゆうに超えています。
福岡市のマンション価格は「階段をひとつ昇った」イメージです。
日本人は中古より新築を好むため、新築マンションの建設戸数が増えることは、必ずしも中古マンションのオーナーにとって歓迎できることではありません。
しかし福岡市の場合、新築マンションの戸数だけでなく価格も上昇しています。そうなると新築の購入をあきらめた人が中古市場に流れてくるので、これは中古マンションのオーナーにとって歓迎できる動きです。

海外マネーがマンション価格を底支え?

福岡市内の新築マンションの価格高騰は、土地価格の上昇が背景にあります。そこに建設業界の慢性的な人手不足による人件費の高騰や原材料価格の上昇が加わりました。
しかし、福岡市の物件については円建資産を求める海外投資家が注目しているので、「高くても売れる」状況が続いている、と不動産専門家はみています。
海外投資家の多くはドル建資産を保有しています。それはアメリカ経済が堅調なので、ドル建資産を持っているとその恩恵を直接受けることができるからです。
しかし100年に一度の危機といわれている2008年のリーマンショックの震源地はアメリカでした。そこでアジアの投資家や富裕層は、アメリカ経済の好調ぶりがピークアウトしそうないま、分散投資の意味で円建資産を物色し始めたわけです。
これが、海外マネーが福岡市のマンション価格を底支えしている構図と考えられています。

福岡市と北九州市の中古マンション市況

以下の表は、不動産会社が公開している福岡市と北九州市の中古マンション価格をまとめたものです。この表から、より詳細な地域分析をしていきましょう。

福岡県の中古マンション 単位:万円
地区 ~40m² ~50m² ~60m² ~70m² ~80m² ~90m² ~100m² 101m²~
福岡市 東区 831 1,427 1,395 1,546 2,023 2,421 3,284 3,730
博多区 926 1,320 1,725 1,595 2,147 2,843 3,300 10,000
中央区 1,054 1,475 1,681 2,199 2,980 3,479 3,472 5,593
南区 631 1,190 1,354 1,442 2,133 2,348 2,138 3,057
西区 710 1,263 1,765 2,388 2,850 3,096 1,200
城南区 565 1,426 1,477 2,338 2,742 1,465
早良区 434 1,335 1,130 2,474 2,675 3,593 3,531 8,200
北九州市 門司区 299 373 510 828 1,416 1,642 1,339
若松区 998 374 682 1,870 3,480
戸畑区 250 432 1,070 888 2,085 2,480
小倉北区 271 450 859 945 1,083 1,451 1,887 4,203
小倉南区 293 1,159 1,076 982 1,548 1,874 1,460 1,815
八幡東区 222 350 898 1,106 821 750 2,690
八幡西区 242 255 745 788 1,225 1,661 653 798

福岡市の「101平方メートル~」の価格帯で、博多区の平均価格が1億円、早良区が8,200万円となっています。こうした強気な価格設定は、「新築マンションの高騰→中古マンション価格の押し上げ」傾向を裏づけています。
したがって博多区と早良区に中古マンションを保有していて、それを売却しようとしている方は、強気な姿勢で価格交渉に臨めそうです。

次に福岡市の「~100平方メートル」の価格帯をみてみましょう。高い順から「早良区>中央区>博多区>東区>西区>南区>城南区」となっています。ほぼ「区のステータス」の高い順になっています。

早良区の「強さ」の秘密

早良区は「福岡タワー」や「シーサイドももち」といった、福岡経済を代表する施設・地区があります。さらに地下鉄、バス、高速道路といった交通インフラも充実しています。
その一方で市街化調整区域が広いのも早良区の特徴で、山間部もありホタルの生息も確認されています。
都会と自然の融合は街を魅力的にするので、それが早良区の中古マンションの高値を支えていると推測できます。

福岡ドームがある中央区の人気も根強い

ウォーターフロント開発地区の「シーサイドももち」は、中央区にも広がっています。「福岡タワー」は早良区にありますが、中央区には「福岡ヤフオク!ドーム」があります。また九州地区最大の繁華街、天神も中央区にあります。
福岡市役所や西日本新聞社の本社、テレビ局本社、福岡銀行本社、そして福岡ソフトバンクホークス本社も中央区にあります。
都市機能と娯楽施設がひとつの地区にこれだけ密集しているのは、地方の大都市ならではの特徴です。その利便性の高さがマンション価格にも影響を与えています。

北九州市では若松区と小倉北区と戸畑区が高い

北九州市の中古マンション価格を福岡市と比較すると、「数百万円~1,000万円ほど安い」というのがおおまかな印象です。
そのなかで健闘しているのが若松区と小倉北区と戸畑区です。

若松区は、新日本製鉄やブリヂストンなどの大手メーカーが工場や開発拠点を設ける企業の街です。だからといって工業地帯一色に染まっているわけでなく、マリンスポーツを楽しむことができる海レジャーの街でもあります。
また若松区には私立大学が複数あり、学術の街でもあるのです。あの早稲田大学も若松区内にキャンパスを展開しています。

小倉北区には北九州市役所があり、商業地や歓楽街も充実しています。北九州モノレールや高速道路が通るなど交通網も発展しています。そのため近年はタワーマンションも建つようになりました。

戸畑区は奈良時代の歴史書、日本書紀にも登場する歴史ある街です。若松区の隣の区で、やはり海に面しています。さらに戸畑区には九州工業大学本部や北九市立美術館など学術・芸術の施設があります。

若松区、小倉北区、戸畑区の中古マンション価格が安定しているのは、経済の強さや街の利便性、歴史に支えられているためと考えられます。

福岡市・北九州市以外の市町村の中古マンション市況

福岡市・北九州市以外の市町村の中古マンション市況をみていきましょう。

福岡県の中古マンション 単位:万円
地区 ~40m² ~50m² ~60m² ~70m² ~80m² ~90m² ~100m² 101m²~
その他の市 大牟田市 600 1,065 1,327 1,205
久留米市 327 588 1,191 1,613 1,609 2,712 3,915
直方市 1,390 1,819
飯塚市 2,048 1,360 1,750
田川市
柳川市 1,450
八女市
筑後市 725
大川市
行橋市 570 1,636 1,715 2,200
豊前市
中間市 990
小郡市 1,350
筑紫野市 985 1,283 1,557 1,435
春日市 1,024 1,661 1,792 2,188 1,020
大野城市 2,134 2,630 2,637
宗像市 320 490 698 384
太宰府市 175 1,130 1,185 1,890 1,798
古賀市 1,380 1,298 1,798 1,598
福津市 1,194 1,582 2,215
うきは市
宮若市
嘉麻市
朝倉市 380
みやま市
糸島市 300 890 743 1,900
福岡県の中古マンション 単位:万円
地区 ~40m² ~50m² ~60m² ~70m² ~80m² ~90m² ~100m² 101m²~
町村 那珂川町 1,380 1,587 2,080
宇美町 1,998
篠栗町
志免町 2,355 2,853 3,280 2,763
須惠町 1,280
新宮町 1,585 2,153
久山町
粕屋町 1,100 1,480 2,340 2,680 2,080
芦屋町 6,980
水巻町 250 430
岡垣町 1,380
遠賀町
小竹町
鞍手町
桂川町
筑前町
東峰村
大刀洗町
大木町
広川町
香春町
添田町
糸田町
川崎町
大任町
赤村
福智町
苅田町
みやこ町
吉富町
上毛町
築上町

「~100平方メートル」の価格帯で2,000万円を超えたのは次の7市町村でした。
久留米市2,712万円、行橋市2,200万円、春日市2,188万円、大野城市2,637万円、福津市2,215万円、志免町3,280万円、粕屋町2,680万円

粕屋町は福岡市のベッドタウンとして急成長している町です。粕屋町の出生率は1.78で福岡県内トップ。逆に高齢化率(65歳以上人口の率)は14.5%で県内最下位(最も若い自治体)です。さらに2040年の人口推計では、2010年より約3割も増える見通しです。

志免町も粕屋町と同様に福岡市のベッドタウンとして成長しています。志免町は全国の町村で最も人口密度が高く、1キロ平方メートル当たりの人口は5,226人で、東京都千代田区の5,225人より人口密度が高いのです。

粕屋町と志免町は、1967年に福岡都市計画区域に加わり上下水道など生活インフラが早くから整備されました。
両町の中古マンション価格の安定は、福岡経済の好調ぶりが周辺にまで波及していることを示しています。両町に中古マンションを保有している方にとっては、売却しやすい状況といえるでしょう。

福岡県の中古戸建ての売買状況

福岡県の中古戸建て市況をみていきましょう。
福岡市の中古戸建て価格動向は、中古マンション価格と「リンクしていない」部分が多いので注意が必要です。

福岡市内は新築マンション価格に引っ張られ高値傾向

福岡市の中古戸建ても値上がり傾向にあります。
地元の不動産業者によると、マンションディベロッパーが新築マンション用地として福岡市内の土地を積極的に買っていることから、土地が値上がりし、それが新築戸建て住宅価格を押し上げています。
高止まりしている新築戸建て価格を嫌気した消費者が、中古戸建て市場に流れてきたことで、中古戸建て市場も堅調に推移しているようです。
この傾向は、売却予定の中古戸建てを保有している方には朗報といえるでしょう。

福岡市と北九州市の中古戸建て市況

福岡市と北九州市の中古戸建て市況は以下のとおりです。

福岡県の中古戸建て 単位:万円
地区 ~40m² ~50m² ~60m² ~70m² ~80m² ~90m² ~100m² 101m²~
福岡市 東区 2,810 3,366
博多区 4,180 3,980 3,511
中央区 4,135
南区 2,739 2,898 3,359
西区 3,799 1,950 3,198 3,097 3,429
城南区 3,690 3,735 3,299 3,391
早良区 1,798 3,194
北九州市 門司区 220 380 615 1,834
若松区 2,209
戸畑区 380 2,254
小倉北区 2,200 300 485 2,242
小倉南区 380 1,250 2,298 2,217
八幡東区 500 2,380 1,380 1,825
八幡西区 1,780 200 1,000 855 320 2,424

福岡市の中古戸建て市況でまず注目したいのは、価格が表示されていない部分です。この表は不動産会社が公開しているデータをまとめたものなので、「価格がない」ということは売り物件がないことを意味しています。もちろん一時的な傾向ではあるのですが、それでもこの空欄の多さは、少なくとも福岡市内の中古戸建て市況が活発ではないことを示しています。

需要に供給が追いついてない

一般的には、市況が活発でないときは「売り時ではない」と考えられるのですが、福岡市の中古戸建てについてはそうともいえません。「101平方メートル~」の価格帯をみると、軒並み3,000万円超で、中央区に至っては4,000万円を大きく超えてきました。

つまり福岡市の中古戸建て市場は、需要に供給がまったく追いついていないわけです。
したがって、中古戸建ての売却を検討している方は、いまが「売り時」といえます。しかも価格設定や価格交渉では、強気姿勢で臨んだほうがいいかもしれません。

北九州市も中古戸建てが不足気味

北九州市も、需要が供給に追いついていない状況です。福岡市の物件よりは安いですが、「101平方メートル~」の価格帯で2,000万円台または2,000万円に近い価格となっています。
また小倉北区、小倉南区、八幡東区の100平方メートル以下の価格帯で2,000万円超が出ています。しかもこれらの物件のなかには築20年以上の戸建てもあります。築浅物件でなくても2,000万円超の価格がついています。
もちろん北九州市内には、門司区の「~70平方メートル」の220万円や、八幡西区の「~100平方メートル」の320万円など激安物件もあるので、売却時の価格交渉では注意しなければなりません。

福岡市・北九州市以外の市町村の中古戸建て市況

福岡市・北九州市以外の市町村の中古戸建て市況の特徴は、「101平方メートル~」の広い住宅にしっかりした価格がついていることです。県内26の市町で2,000万円超の物件が売りにでています。
このことから、福岡県民は「福岡市、北九州市以外に住むなら、広めの戸建てに住みたい」という意向が強いことが推測できます。

福岡県の中古戸建て 単位:万円
地区 ~40m² ~50m² ~60m² ~70m² ~80m² ~90m² ~100m² 101m²~
その他の市 大牟田市 980 580 1,047
久留米市 1,680 2,220
直方市 2,187
飯塚市 2,145
田川市 1,512
柳川市 2,105
八女市 2,162
筑後市 1,397
大川市 1,595
行橋市 1,969
豊前市 786
中間市 1,632
小郡市 2,390
筑紫野市 2,697 2,654
春日市 3,380 3,274 3,339
大野城市 3,440 3,249 3,680 3,185
宗像市 2,362
太宰府市 850 3,140
古賀市 2,770
福津市 2,640
うきは市
宮若市 1,318
嘉麻市 1,244
朝倉市 2,343
みやま市 1,163
糸島市 2,465
福岡県の中古戸建て 単位:万円
地区 ~40m² ~50m² ~60m² ~70m² ~80m² ~90m² ~100m² 101m²~
町村 那珂川町 2,298
宇美町 798 2,241 2,876
篠栗町 2,868
志免町 2,980 3,269
須惠町 2,540
新宮町 2,962
久山町 1,598
粕屋町 2,728
芦屋町 2,077
水巻町 2,110
岡垣町 1,874
遠賀町 2,209
小竹町
鞍手町 869
桂川町 398
筑前町 1,800
東峰村
大刀洗町 1,707
大木町 1,280
広川町 1,980
香春町
添田町
糸田町 298
川崎町
大任町
赤村
福智町 550 1,940
苅田町 2,251
みやこ町 402
吉富町
上毛町
築上町 1,358

春日市の「101平方メートル~」物件は、平均価格3,339万円とかなり強気な価格となっています。このうちJR春日駅徒歩19分、土地155平方メートル、建物137平方メートル、2階建て3LDKの物件は、2017年築で5,420万円、土地120平方メートル、建物105平方メートル、2階建て3LDK、2014年築の物件は3,990万円です。
大野城市は「~80平方メートル」の価格帯から3,000万円台をつけています。
春日市も大野城市も、福岡市のベッドタウンですので、「福岡市内のマンションより近隣市の一戸建てに住みたい」と希望する人に注目されている土地、ということなのでしょう。

福岡県の土地の売買状況

福岡県の土地の市況をみていきましょう。
県全体の指標は好調さを示しているのですが、局地的にみるとまだ地価上昇が波及していない地域も目立ちます。

上昇率で全国3位

2018年の基準地価によると、福岡県の住宅地は前年比プラス1.1%で、2年連続で上昇しました。上昇率は沖縄、東京に次ぐ3位でした。
福岡県内で土地価格が上昇した市町村は24市町で、前年の20市町から4増えました。
市町村別の上昇率では、福岡県大野城市が全国8位に入りました。
北九州市も20年ぶりに前年比プラスに転じました。

トップ10に福岡市の4地点がランクイン、最高全国2位

2017年の基準地価では、全国の上昇率トップ10地点に福岡市内の4地点がランクインしました。福岡市内の4地点のひとつである「福岡市城南区鳥飼」は、前年比で13.2%アップし全国の上昇率ランキングで2位となりました。

基準地価は売買動向をダイレクトに反映する指標ですので、こうした高い数値は「福岡市の土地が積極的に買われている」ことを意味しています。

地元の不動産業者は、マンションディベロッパーとホテル開発会社が福岡市の土地を競うように購入していることが地価上昇の原因とみています。そして購買力はホテル開発会社のほうがマンションディベロッパーより勝っているそうです。
これは福岡市内の不動産投資では、ホテル投資が最も効率がよい、ということです。福岡市が外国人観光客に人気のエリアであることがホテル需要を押し上げ、それが地価も押し上げているのです。

福岡市と北九州市の地価市況

福岡市と北九州市の地価の市況は以下のとおりです。

福岡県の土地 単位:万円
地区 ~40m² ~50m² ~60m² ~70m² ~80m² ~90m² ~100m² 101m²~
福岡市 東区 2,523
博多区 1,550 2,000
中央区 6,250 5,102
南区 2,791
西区 6,235
城南区 2,204
早良区 2,537 3,564
北九州市 門司区 130 650 80 532 1,291
若松区 1,390
戸畑区 440 565 1,449
小倉北区 200 700 398 316 1,485
小倉南区 398 1,254
八幡東区 350 300 567
八幡西区 200 450 1,599

福岡市中央区の「~90平方メートル」の価格帯に6,250万円の値段がついています。かなり強気の価格設定といえるでしょう。
そして福岡市で売りに出ている土地はほとんど「101平方メートル~」ばかりというところから、購入希望者の多くが広い土地を求めていることがわかります。
北九州市でも広い土地を求める傾向が強くなっています。

福岡市・北九州市以外の市町村の地価市況

福岡市・北九州市以外の市町村の地価市況では、ほぼ「101平方メートル~」の土地しか取引されていません。また田川市、春日市、大野城市、大刀洗町、みやこ町の5市町で2,000万円台の土地が売りに出ています。
このことから、地方でも相応の価格で土地を売ろうとする土地オーナーがいることがわかります。
「今が売り時」という機運は少しずつ高まっているようです。

福岡県の土地 単位:万円
地区 ~40m² ~50m² ~60m² ~70m² ~80m² ~90m² ~100m² 101m²~
その他の市 大牟田市 614
久留米市 400 498 1,169
直方市 50 1,317
飯塚市 698
田川市 2,396
柳川市 526
八女市 1,093
筑後市 675
大川市 100 471
行橋市 200 710
豊前市
中間市 1,403
小郡市 90 1,116
筑紫野市 1,445
春日市 2,076
大野城市 1,500 2,120
宗像市 100 957
太宰府市 1,670
古賀市 1,415
福津市 1,037
うきは市 1,717
宮若市 406
嘉麻市 100 255
朝倉市 1,390
みやま市 601
糸島市 551
福岡県の土地 単位:万円
地区 ~40m² ~50m² ~60m² ~70m² ~80m² ~90m² ~100m² 101m²~
町村 那珂川町 1,594
宇美町 200 1,232
篠栗町
志免町 700
須惠町 216 218 978
新宮町 950
久山町 100
粕屋町 450 1,550
芦屋町 420 1,543
水巻町 260 868
岡垣町 1,489
遠賀町 1,410
小竹町 777
鞍手町 673
桂川町 328
筑前町 540
東峰村
大刀洗町 2,906
大木町 673
広川町 999
香春町
添田町
糸田町
川崎町
大任町 190
赤村
福智町
苅田町 961
みやこ町 2,588
吉富町
上毛町
築上町 323

まとめ~福岡人気の波及効果に期待

福岡市の不動産売却の好調ぶりが目立ちます。これには、全国的な不動産価格の上昇機運に加え、福岡経済の強さと、観光地福岡の魅力の3つの要素が貢献しているものと考えられます。
2019年10月の消費増税と2020年の東京五輪後という2大懸念はありますが、現状の底堅さを考えると、売却を検討している不動産オーナーとしては、「売却時期をもう少し延期したい(値上がりするのを待ちたい)」という心理になるのではないでしょう。地域密着の不動産情報を入手して売却タイミングを測ってください。