不動産売却を契約して握手する

岡山県内の「中古マンション、中古戸建て、土地」の相場と不動産売却事例をみていきましょう。
岡山県内の不動産オーナーのなかには、不動産価格が「値上がりしている印象」を持っている人がいるのではないでしょうか。そのイメージは間違っていません。
岡山県は経済的に強い地盤がある兵庫県と広島県に挟まれていて、さらに大阪圏経済と九州圏経済を結ぶルート上に位置しています。こうした地の利を生かして、岡山県経済は順調に発展を続けています。
岡山県は2018年7月の西日本豪雨に見舞われましたが、経済的には素早く立ち直ることができました。
良好な経済は不動産価格の上昇をもたらすので、こうした岡山県経済ニュースは不動産オーナーには朗報といえます。

しかし、油断できないニュースもあります。
世界経済の減退傾向は2019年に入ってより顕著になり、日本もそれに巻き込まれています。また、岡山県経済に大きな影響を与える近畿、中国、四国の経済は現状を維持していますが、お隣の九州・沖縄では減少傾向が出始めています。景気後退は地方から始まるので、地方である岡山県も油断できないのです。
そして岡山県内の不動産関連の指標でも「悪い数字」が現れ始めています。

こうしたことから、岡山県内に売却用の不動産をお持ちの方は「売れる時に売っておく」姿勢でいたほうがよいかもしれません。値上がりを待つ売却延期リスクが高まる前に売ることを目指してください。

岡山県の不動産の全体的な話題

岡山県内の不動産全体の価格に影響を与えそうな経済ニュースなどを紹介します。
こうした経済情報は、「売り時」を計る時の判断材料になるので、不動産オーナーは注視してください。

底堅い経済力

2018年7月の西日本豪雨から約2カ月後、日本銀行岡山支店の支店長は岡山県経済について「マイナスは残っていない」と断言しました。さらに、前向きな景気循環を途切れさせていない、とも述べました。
岡山県内の主な経済的な被害は、商工被害が約210億円、農林水産被害が約266億円にのぼりました。
それでも「マイナス」にならなかったのは、岡山県内のスマホ向けの電子部品メーカーや自動車部品メーカーの業績が安定していたからです。村田製作所は岡山県瀬戸内市内に工場を新設し、大建工業は岡山市内に研究開発拠点を開設しました。その他の岡山県内の企業も「100億円単位」の投資を継続しています。

内閣府の県民経済計算によると、岡山県の県内総生産は7.8兆円(2015年)にのぼり、47都道府県中21位でした。地方の県としては好位置につけているといえます。
そして注目すべきはその成長率です。岡山県の県内総生産の2014→2015年の成長率は5.9%で、1位長崎県の7.6%、2位福井県の6.5%に次ぎ3位となっています。
岡山県経済の底堅さが、大規模自然災害からの素早い復活を後押ししたことは間違いありません。

「好立地」「充実したインフラ」が岡山県経済の動力源

岡山県は県内総生産6位の兵庫県と同12位の広島県の間に位置しています。大阪経済と九州経済を結ぶ山陽新幹線の全便がJR岡山駅に停車します。しかもJR岡山駅は山陽新幹線と山陽本線の共通駅です。共通駅は経済効率が高いという特徴があります。
岡山県を走る高速道路は主なものだけでも山陽道、中国道、岡山道、瀬戸中央道があり、自動車交通の要所になっています。
さらに、四国と本州を結ぶ瀬戸大橋の本州側の起点が岡山県にあります。瀬戸大橋の自動車通行量は2017年に3年連続で増加し過去最高を更新しました。
そして岡山桃太郎空港は地方空港ながら国際線4路線が就航し、インバウンド(訪日外国人)需要を確実に取り込んでいます。
好立地と充実したインフラが、岡山県経済の強さの秘密です。

「県の顔」岡山駅の再開発が進む

岡山駅

地方経済の強さのバロメーターになるのが、「県の顔」の発展です。県庁所在地の市が発展している県の経済は強く、また逆に、県経済が強い県庁所在地の経済は好調です。
岡山県の顔であるJR岡山駅前はいま、2027年度まで続く再開発にわいています。野村不動産などが、約1万3,000平方メートルの敷地内に28階建てマンションや24階建てホテルなどを建設中です。
またJR岡山駅近くにあるイオンモール岡山の向かいに、新たな複合商業施設ができる計画もあります。
岡山芸術創造劇場(仮称)も岡山市中心街に2022年に開業します。

悪化の予兆か。警戒が必要な数字とは

ここまで岡山県経済の強さと勢いを紹介しました。しかし不動産オーナーは、そろそろ警戒心を強めたほうがよいでしょう。それは「悪い数字」が表れ始めているからです。

日本銀行は、2019年4月8日に「地域経済報告さくらレポート2019年4月」を発表しました。中国経済は前回の1月レポートの「緩やかに拡大している」が維持され、四国経済も「回復している」との評価が維持されました。
しかし、九州・沖縄経済は1月の「しっかりとした足取りで、緩やかに拡大している」から、4月の「緩やかに拡大している」へと下方修正されました。
好景気は中央から始まり、不景気は地方から始まります。九州・沖縄経済の陰りが今後、中国・岡山県に及ぶことは十分考えられます。

そして岡山県内の不動産オーナーが注意しなければならないのは、中古マンションと中古戸建ての市場が縮小傾向にあることです。
中古マンションも中古戸建ても単価や価格は上昇しているので、「今すぐ売らなければならない」緊急事態ではありませんが、市場の縮小は今後の価格低下を招く恐れがあるので、少なくとも売却の準備には取りかかったほうがよいと思われます。
この点については後段で詳しく解説します。

岡山県の中古マンションの売買状況

それでは不動産の種類ごとの価格動向をみていきましょう。
まずは岡山県内の中古マンションの売買状況を概観していきます。

【岡山県全域】価格の上昇と市場の縮小が同時に起きている

全国指定流通機構連絡協議会が運営する不動産取引情報提供サイト「レインズマーケットインフォメーション」(以下、レインズ)によると、岡山県全域の中古マンション価格の推移は次のとおりです。

レインズ:岡山県全域の中古マンション状況
  2017年3月から2017年5月 2017年6月から2017年8月 2017年9月から2017年11月 2017年12月から2018年2月  
合計成約件数(件) 109 100 112 111  
平均成約価格(万円) 1,580 1904年9月 1,764 1,886  
平均m²単価(万円/m²) 22 23 24 25  
平均専有面積(m²) 70 71 70 72  
  2018年3月から2018年5月 2018年6月から2018年8月 2018年9月から2018年11月 2018年12月から2019年2月 対2017年3月
合計成約件数(件) 115 107 104 107 -1.80%
平均成約価格(万円) 2,005 1904年5月 1,762 1,856 17.40%
平均m²単価(万円/m²) 26 23 25 25 15.90%
平均専有面積(m²) 73 1900年3月 71 71 1.30%

平均成約価格は、「2017年3月から2017年5月」の1,580万円から、2年経過した「2018年12月から2019年2月」には1,856万円へと17.4%も上昇しています。
平均平方メートル単価も同じ期間、22万円/平方メートルから25万円/平方メートルへと15.9%も上昇しています。
この数字には力強さが感じられますが、成約件数をみると、109件から107件へと△1.8%減っています(△はマイナス)。
価格が上昇しているのに市場が縮小していることから、依然として需要は旺盛であるものの、高値を嫌気する人が増え始めていると推測されます。

したがって、岡山県内に中古マンションを保有している方は、高値になるのを待つのをやめて、そろそろ売却活動に着手したほうがよいでしょう。
もちろん、今後も値上がりする中古マンションはあるでしょう。しかし不動産販売の素人である個人によるマンション売却では、「売却の成功」を狙うより「売却の失敗を回避する」ことを念頭に動いたほうが無難です。

【岡山市】市場の縮小傾向はさらに顕著

続いて岡山市内の中古マンション価格の推移をみてみます。

レインズ:岡山市の中古マンション状況
  2017年3月から2017年5月 2017年6月から2017年8月 2017年9月から2017年11月 2017年12月から2018年2月  
合計成約件数(件) 92 80 94 92  
平均成約価格(万円) 1,616 1,824 1,770 1,986  
平均m²単価(万円/m²) 22 24 25 26  
平均専有面積(m²) 71 71 69 73  
  2018年3月から2018年5月 2018年6月から2018年8月 2018年9月から2018年11月 2018年12月から2019年2月 対2017年3月
合計成約件数(件) 102 78 86 84 -8.70%
平均成約価格(万円) 2,021 1,589 1,816 1,857 14.90%
平均m²単価(万円/m²) 26 23 25 26 15.90%
平均専有面積(m²) 74 67 71 70 -1.70%

平均成約価格は、「2017年3月から2017年5月」の1,616万円から「2018年12月から2019年2月」の1,857万円へと14.9%上昇しています。
平均平方メートル単価も同じ期間、22万円/平方メートルから26万円/平方メートルへと15.9%も上昇しています。
逆に成約件数は、92件から84件へと△8.7%減っています。
岡山市内の中古マンション市場の縮小傾向は岡山県全体より顕著です。
岡山県経済の中心地で市場が縮小しているということは、他の自治体ではより深刻な状況が起きていると推測すべきでしょう。
「売れる時に売る」姿勢を持っておきたいものです。

それでは次に、岡山県内で出回っている中古マンションの具体事例をみていきましょう。

岡山市北区西古松西町の93平方メートル4LDKが3,180万円

岡山市北区西古松西町にある14階建て全105戸のマンションの8階、93平方メートル4LDKの部屋が3,180万円で売りに出ています。このマンションは2003年に完成しています。

築15年以上経過しているだけあって、キッチン、浴室、洗面室の設備は「それなり」です。ただ、玄関やバルコニーが広かったり、エントランスやアプローチが豪華だったりと、住人の所有欲をくすぐる設備が光ります。

岡山市北区西古松西町は飲食店、学校、金融機関、商業施設が多い地域です。
そして医療機関が充実しています。岡山大学医学部附属病院まで2キロで、その他、おおもと病院、山田皮膚科医院、よこやま腎泌尿器科クリニックなどが近くにあり、安心して生活できます。
JR瀬戸大橋線・大元駅まで500メートル、JR岡山駅まで3キロという立地も魅力です。
住環境のよさと部屋の広さからすると3,000万円台は納得の価格といえるでしょう。

倉敷市幸町の91平方メートル2LDKが3,380万円

倉敷市幸町にある14階建て39戸のマンションの2階、91平方メートル2LDKの部屋が3,380万円で売りに出ています。2011年1月完成です。

91平方メートルもあるのに2LDKなので、リビングダイニングは27帖もあります。2つの洋室も広々しています。部屋数を少なくして1室あたりの面積を広くするのは最近のトレンドで、築浅物件らしい物件といえるでしょう。
ただ、部屋の壁紙(クロス)がバラ柄なのは好みがわかれるところです。また2階という低層階は好きな人は好印象を持つでしょうが、「せっかくなら高層階」と思っている人もいます。
そのような意味では「尖った」物件といえそうです。

倉敷市幸町はJR山陽本線・倉敷駅まで500メートルと便利な場所にあります。また倉敷中央病院やしげい病院、浅野クリニックなどの医療機関が近くにあって安心できます。倉敷警察署や各種学校にも近く、子育て世帯には喜ばれる地区です。
倉敷市のメジャー観光地である大原美術館までは道路距離で1.2キロ、徒歩16分です。
物件が気に入った人には、3,500万円を大きく割り込むこの価格は値ごろ感があるでしょう。

岡山県の中古戸建ての売買状況

続いて岡山県内の中古戸建ての売買状況をみていきます。

【岡山県全域】市場の縮小は中古戸建てでも

岡山県全域の中古戸建て市場の推移は以下のとおりです。

レインズ:岡山県全域の中古戸建て状況
  2017年3月から2017年5月 2017年6月から2017年8月 2017年9月から2017年11月 2017年12月から2018年2月  
合計成約件数(件) 154 176 230 181  
平均成約価格(万円) 1,848 1,867 1,879 1,907  
平均土地面積(m²) 187 195 255 206  
平均建物面積(m²) 112 107 107 111  
  2018年3月から2018年5月 2018年6月から2018年8月 2018年9月から2018年11月 2018年12月から2019年2月 対2017年3月
合計成約件数(件) 191 147 150 133 -13.60%
平均成約価格(万円) 2,014 1,786 1,790 1,903 3.00%
平均土地面積(m²) 205 197 208 203 9.00%
平均建物面積(m²) 703 114 117 113 0.70%

平均成約価格は「2017年3月から2017年5月」の1,848万円から、2年経過した「2018年12月から2019年2月」には1,903万円へと3.0%上昇しています。
平均土地面積は同じ期間、187平方メートルから203平方メートルへと9.0%増加し、平均建物面積も0.7%とわずかながらではありますが増えています。
このことから、岡山県民には「立派な中古戸建て」を求める傾向があることがわかります。
その一方で、成約件数はこの2年間で154件から133件へと△13.6%も減っています。中古戸建て市場も縮小傾向は顕著です。
岡山県内の中古戸建てのオーナーもそろそろ、価格上昇を待つ気持ちから、本格的な売却活動に乗り出す気持ちへ切り替えたほうがよいでしょう。

【岡山市】は価格12%上昇、市場5%減

続いて岡山市内の中古戸建て市場の推移をみてみましょう。

レインズ:岡山市の中古戸建て状況
  2017年3月から2017年5月 2017年6月から2017年8月 2017年9月から2017年11月 2017年12月から2018年2月  
合計成約件数(件) 84 101 125 111  
平均成約価格(万円) 1,782 1,971 1,968 1,992  
平均土地面積(m²) 182 201 185 209  
平均建物面積(m²) 110 107 105 111  
  2018年3月から2018年5月 2018年6月から2018年8月 2018年9月から2018年11月 2018年12月から2019年2月 対2017年3月
合計成約件数(件) 103 88 66 80 -4.80%
平均成約価格(万円) 2,226 1,812 2,025 1,998 12.10%
平均土地面積(m²) 208 189 184 186 1.80%
平均建物面積(m²) 1,211 114 116 111 1.10%

平均成約価格は、「2017年3月から2017年5月」の1,782万円から「2018年12月から2019年2月」の1,998万円へと12.1%も上昇しています。
しかし成約件数は、84件から80件へと△4.8%減っています。
「価格上昇、市場縮小」傾向は同じですが、注目してしたいのは「2017年9~11月」と「2018年9~11月」を比較した成約件数の1年間の推移です。125件から66件へと約半数になっています。同じ期間、成約価格は1,968万円から2,025万円へと上昇しているので、「価格上昇」と「高値傾向を嫌う人の増加」が同時に起きておることがわかります。
この傾向が続けば、「高い価格では売れなくなる」かもしれません。
岡山市内に売却用の中古戸建て住宅を保有している方は、危機感を強めたほうがよいでしょう。

それでは岡山県内で実際に売りに出ている中古戸建て物件をみていきましょう。

岡山市北区上中野1丁目の9,750万円の豪邸の実力とは

岡山市北区上中野1丁目にある木造2階建て、土地面積500平方メートル、延べ床面積221平方メートル7LDKが9,750万円で売りに出ています。1991年1月完成です。

住宅の周囲が壁で覆われた豪邸です。築30年近い物件なので内装にはところどころ「やれ」がみられますが、生活に支障が出るレベルではありません。
JR瀬戸大橋線・大元駅が1キロ圏内にあり、立地も良好です。

岡山市東区西大寺中野の物件は利便性が高い割にリーズナブル

岡山市東区西大寺中野にある木造2階建て、土地面積151平方メートル、延べ床面積100平方メートル4LDKの物件が1,680万円で売りに出ています。1994年8月完成です。

築25年近くなる物件ですが外観はとてもきれいです。土地が広いので自家用車2台分の駐車スペースがあります。
この物件の魅力は、吉井川と砂川に挟まれた土地に建っているため自然を感じながら生活できることと、JR赤穂線・西大寺駅まで1キロ圏内であることです。西大寺駅から岡山駅まではJRで17分という近さです。
築年数が気にならなければ、かなりリーズナブルな物件といえます。

倉敷市平田の135平方メートル4LDKが4,980万円

倉敷市平田にある軽量鉄骨2階建て、土地面積173平方メートル、延べ床面積135平方メートル4LDKが4,980万円で売りに出ています。2015年1月完成の築浅物件です。

外観に凝ったデザインを採用していて、「人と違う家」を求める人は高く評価するのではないでしょうか。玄関までのアプローチが住宅街にある戸建てとしては長く、優雅な雰囲気すら漂います。
4LDKながら、延べ床面積が135平方メートルもあるので、リビングダイニングは余裕の22帖です。対面キッチンのデザインはシンプルながらエッジが利いていて「今風」です。オーナーのセンスが光る家です。

倉敷市平田はJR倉敷駅から道路距離で2キロほどの場所にあります。さらに山陽自動車道・倉敷インターチェンジが1キロ圏内にあります。
地区内にはTSUTAYA、ユニクロ、イエローハット、モスバーガー、一風堂、くら寿司などの全国チェーンの小売店や飲食店が建ち並び、買い物や外食には不便しません。
小学校も近くにあります。
住宅自体の質の高さと住環境のよさからすると、約5,000万円の価値は十分あります。

瀬戸内市邑久町福元の116平方メートル4SLDが3,980万円

地方の中古戸建てもみてみましょう。
瀬戸内市邑久町福元にある木造2階建て、土地面積794平方メートル、延べ床面積116平方メートル9SLDKが3,980万円で売りに出ています。
1982年6月完成なので、あと数年で築40年になります。確かに土地は広大ですが、それでも約4,000万円の価格は割高な印象を受けます。

ただ、外観を観ればこの価格に納得できるかもしれません。敷地は石垣を土台にした塀で覆われていて、大邸宅の雰囲気を醸し出しています。
洋室と和室が全部で9部屋もあり、その他に1階にダイニングキッチン、2階にリビングがあります。「廊下のある家」が、さらに大邸宅らしさを演出しています。

瀬戸内市邑久町福元は吉井川のほとりにあり、村田製作所の子会社が近くにあります。
JR赤穂線・邑久駅まで200メートルで、高速道路の岡山ブルーライン・瀬戸内インターチェンジまで道路距離で3キロほどです。
ファッションセンターしまむら、エディオン、ハローズ、ディスカウントドラッグコスモスなど商業施設も豊富です。
瀬戸内市役所、瀬戸内市民病院、幼稚園や小中学校が1キロ圏内にあります。
この利便性のよさが、この物件の「しっかりした価格」の根拠になっているようです。

岡山県の土地の売買状況

岡山県の2018年の公示地価は、全用途の平均変動率(前年比)が△0.7%(△はマイナス、以下同)となり、2017年の△1.0%よりは下落幅が縮まったものの、1993年以来26年連続の前年割れとなりました。
用途別では、住宅地が△1.0%(2017年は△1.2%)で21年連続下落、商業地は△0.2%(同△0.5%)で27年連続下落でした。工業地は0.6%(同△1.0%)で、24年ぶりに下落から上昇に転じました。
それでは市町村別に詳しくみていきましょう。

【住宅地】岡山市と早島町がプラスに

2018年の岡山県内公示地価の住宅地を市町村別にみると、岡山市と早島町の平均変動率がいずれも0.4%で前年を上回りました。県内の住宅地ではこの2自治体のみがプラスでした。
そして、前年比割れを起したものの下落幅が小さかったのは、倉敷市の△0.1%と総社市の△0.4%でした。
この岡山市、早島町、倉敷市、総社市はそれぞれ接していて、なかでも早島町は全方位を岡山市と倉敷市に囲まれています。
岡山市を中心とした経済圏が広範囲に形成されていて、それが地価の好結果につながっているとみてよいでしょう。

一方、下落幅が大きかったのは、新見市△2.8%、玉野市△2.2%、鏡野町△2.2%、井原市△2.2%でした。このうち、新見市と鏡野町は山陰・鳥取県に接しています。つまり岡山市経済圏から遠くなると地価が安くなる傾向を示しています。

岡山市経済圏の強さは【商業地】でも

岡山市を中心とした経済圏の強さは商業地でより鮮明です。
商業地で2018年の平均変動率がプラスになったのは、岡山市1.9%、倉敷市0.7%、総社市0.6%の3市でした。
そしてプラスマイナスゼロ(平均変動率0.0%)になったのは、早島町、瀬戸内市、浅口市、美咲町です。
瀬戸内市と美咲町は岡山市に接し、浅口市は倉敷市に接しています。

商業地で下落幅が大きかったのは、吉備中央町△3.1%、和気町△3.0%、備前市△2.8%でした。

県庁所在地の面目躍如、岡山市が上昇率上位を独占

岡山市が住宅地と商業地の平均変動率のトップ3地点を独占しました。
住宅地のトップ3は次のとおりです。

1位:岡山市北区下中野710番113:
2017年105,000円/平方メートル 2018年111,000円/平方メートル:5.7%
2位:岡山市中区国富3丁目539番7「国富3-6-26」
2017年101,000円/平方メートル 2018年106,000円/平方メートル:5.0%
3位:岡山市中区門田屋敷1丁目167番2外「門田屋敷1-5-15」
2017年104,000円/平方メートル 2018年109,000円/平方メートル:4.8%

商業地のトップ3は次のとおりです。

1位:岡山市北区錦町6番101外「錦町6-1」
2017年1,250,000円/平方メートル 2018年1,340,000円/平方メートル:7.2%
2位:岡山市北区中山下1丁目2番107「中山下1-2-8」
2017年440,000円/平方メートル 2018年464,000円/平方メートル:5.5%
3位:岡山市北区柳町1丁目6番106外「柳町1-6-7」
2017年168,000円/平方メートル 2018年177,000円/平方メートル:5.4%

県庁所在地、岡山市の面目躍如といったところでしょう。
一方、下落率が高い地点を持つ自治体は、新見市、玉野市、高梁市、津山市、吉備中央町、和気町などとなっています。

岡山市の「ひとり勝ち」状態

先ほど、岡山市と周囲の市町で構成する岡山市経済圏の地価の強さを紹介しましたが、そのなかでも岡山市の強さは群を抜いています。

例えば2018年の住宅地では、岡山市の最高価格地点は「岡山市北区伊福町3丁目846番2『伊福町3-27-5』」の181,000円/平方メートルでした。ところが県内2位の自治体である倉敷市の最高価格地点は、「倉敷市浜町1丁目568番10『浜町1-3-24』」の84,500円/平方メートルで、岡山市の最高地点半額以下です。

商業地では、岡山市の最高地点「岡山市北区錦町6番101外『錦町6-1』」が1,340,000円/平方メートルであるのに対し、倉敷市の最高地点は「倉敷市阿知2丁目511番1『阿知2-9-10』」345,000円/平方メートルでした。その差は約4倍もあり、岡山市1強であることを如実に表しています。

まとめ~岡山県経済の強さに油断しないように

2019年に入り世界経済の減速は疑いようのないものになりました。岡山県の輸出額は中国圏(鳥取、島根、岡山、広島、山口)全体の2割を占めるほど大きく、世界の景気の影響を受けやすい経済といえます。
それだけに、今の力強い岡山県経済がどれほど続くか不透明な状況です。

景気の悪化は地方から始まるので、地方である岡山県でも前触れもなく不況が始まるかもしれません。売却用の不動産を保有している方は、その事態に備えておく必要があるでしょう。
バブル崩壊を知っている40代以降の方なら、不動産価格が「加速度をつけて下落する」様を思い出してください。
中古マンション、中古戸建て、土地のオーナーは、そろそろ不動産仲介会社に物件の査定を依頼してはいかがでしょうか。不動産仲介会社の担当者は、査定額を知らせるだけでなく、地域の不動産情報も教えてくれるはずです。
「適正価格」で不動産を売却するには、良質な情報を小まめに集めることが重要です。