近年、三重県が注目されています。2016年には世界最大級イベントであるG7伊勢志摩サミット(先進国首脳会議)が開催されました。また昨今の神社仏閣ブームを受け、神社の最高峰である伊勢神宮は何度もテレビ番組でフィーチャーされ大勢の観光客が訪れています。
そして三重県は、日本3大都市のうちの2つ、大阪市と名古屋市の間に位置しています。

注目が集まるとそこにビジネスが生まれ、土地や事務所、住宅が必要になるため、不動産価格は地域の注目度や人気の高まりに比例して上昇します。
また、経済が強い地域の不動産は確実に値上がりします。

ところが、2018年の公示地価をみると三重県はふるいません。三重県全体の公示地価の平均変動率(前年比)はマイナスで推移し、全国平均はおろか地方圏の平均より低い数値を示しています。しかも県庁所在地の津市も不調なのです。
公示地価は土地だけでなく不動産全体の重要な指標になっているので、三重県内に売却用の中古マンション、中古戸建て、土地を所有しているオーナーは「やきもき」しているのではないでしょうか。

三重県内の不動産オーナーは、「売れる時が売り時」という態度でいたほうがいいかもしれません。なぜなら三重県の不動産市場は、上昇要因より下落要因のほうが多いからです。
ただこれは三重県全体の話であり、「自分の不動産がある地区」をみると事情が変わってくる可能性もあります。
不動産を適正価格で売るには、三重県経済をチェックしつつ、自分が所有する不動産がある地区の不動産市況を把握しておく必要があります。

不動産価格を左右する三重県経済の様子

不動産価格は「経済の鏡」といわれています。土地の価格が経済の動きに先行することはよく知られていて、経済が好調だと不動産価格は値上がりします。
三重県経済の情勢について三重県は、2019年1月に「回復している。生産は増加基調にあり、個人消費は緩やかに持ち直している。雇用情勢は着実に改善している」との見解を示しています。
詳しくみていきましょう。

よい数字もあるが弱い数字もある

三重県の県内総生産(名目)は確実に上昇しています。2012年の7.47兆円から2016年の8.43兆円へと13%上昇しています。
こうした流れも含め三重県経済は「回復している」わけですが、「三重県内経済情勢及び三重県景気動向指数 (2018年11月の指標から)」(2019年1月発表)を詳しくみてみると、弱い指標もあります。

鉱工業生産指数 2カ月連続上昇
大型小売店販売額(既存店調整値) 6カ月ぶり前年比減
コンビニエンスストア販売額 2カ月ぶり前年比増
家電販売額 2カ月連続で前年比減
自動車(新車)登録台数(軽自動車を除く) 3カ月連続前年比増
軽自動車(新車)販売台数 2カ月連続前年比増
新設住宅着工戸数 2カ月連続前年比減

よい流れにあるものの気になる数字も出始めてきた、といったところでしょう。
次に、このなかから、不動産市況に影響を与える新設住宅着工戸数をみていきます。

新設住宅着工戸数の減少が気になる

三重県の新設住宅着工戸数に関するデータは2019年2月現在、2017年までの「年まとめ」と、2018年1~11月までの「月ごと」の数字が公開されていて、以下のとおりとなっています。

三重県新設住宅着工戸数(▲はマイナス)
  戸数(単位:戸) 前年比(単位:%)
2012年 9,554 1.7
2013年 10,738 12.4
2014年 9,858 ▲8.2
2015年 10,059 2
2016年 11,090 10.2
2017年 10,347 ▲1.9
    以下、前年同月比
2018年1月 729 ▲17.4
2月 761 ▲12.2
3月 664 ▲22.5
4月 872 1.9
5月 726 ▲8.0
6月 1,099 16.5
7月 913 7.7
8月 1,143 43.4
9月 1,029 14.5
10月 835 ▲9.0
11月 842 ▲6.4

2012年から2016年までは、2014年を除いて毎年、前年を上回っていました。
ところが2017年は前年を1.9%下回り、2018年に入ってからも前年同月比を大きく下回る月が増えてきました。

新設住宅着工戸数の伸び悩みや減少傾向は、三重県民の住宅購入意欲の落ち込みを反映しています。
日本人は新築志向が強いので、新設住宅ですら需要が落ちているということは、中古マンションや中古戸建ての需要はさらに冷え込んでいる可能性があります。
三重県経済にも勢いが感じられないので、中古不動産のオーナーは早めに売却手続きに着手したほうがいいでしょう。

三重県の中古マンションの売買状況

不動産の種類ごとに傾向をみていきます。
まず中古マンションですが、三重県ではほとんど市場が形成されていません。三重県は地価が安いので、県民はマンションより戸建てを好む傾向が強いのでしょう。

この傾向は、売却用の中古マンションのオーナーにとってピンチではありますが、チャンスととらえることもできます。
普通に考えれば、戸建て志向が強い三重県では中古マンションは売りにくい、となります。
しかし、市場に出回る中古マンションが少ないと希少性が高まります。中古マンションを探している人はなかなかよい物件にめぐりあえず困っているはずです。
したがって三重県で中古マンションを売却しようとしている方は、不動産仲介業者の力を借りて販売活動を工夫し物件の魅力をPRできれば、適正価格で売却できるかもしれません。

三重県内で売りに出ている数少ない中古マンションには、どのような特徴があるのかみていきましょう。

津市上浜町、2階84平方メートル3LDKが2,490万円

津市上浜町にある14階建て全37戸のマンションの、2階84平方メートル3LDKの部屋が2,490万円で売りに出ています。2004年10月完成です。

築10数年の物件なので、キッチンや浴室などの水回り設備のデザインの古さはやむを得ないところでしょう。ただ押し入れやウォークインクローゼットなどの収納が充実しているので、使い勝手はよさそうです。

津市上浜町内には近鉄名古屋線・江戸橋駅があり、同駅から名古屋駅までは1時間ほどです。また三重大学医学部附属病院や三重県庁、三重県警察本部などが近くにあります。
伊勢湾の海岸線まで2キロほどの「海に近い街」でもあります。
2階であることや築年数を考慮しても、2,500万円を切る価格は納得できるでしょう。

四日市市西富田町、1階94平方メートル4LDK、3,270万円の物件の実力

四日市市西富田町にある12階建て全47戸のマンションの、1階94平方メートル、4LDKの部屋が3,270万円で売りに出ています。2014年月完成です。

築浅物件だけあって、キッチンや浴室などの水回りには最近のトレンドを取り入れた製品が使われています。また収納も多く好感を持てます。
マンションの1階は好き嫌いが極端にわかれるところですが、この物件は「1階好き」の人から歓迎される設備があります。それは専用の玄関です。1階の住人は共用のエントランスを経由しなくていいので戸建て感覚が味わえます。
また、この物件には93平方メートルの専用の庭があるので、かなり立派なガーデニングを楽しむことができます。
共用設備に宅配ボックスや広々したラウンジがあるのも魅力的です。

四日市市西富田町は、JR関西本線・富田駅や近鉄名古屋線・近鉄富田駅に近く、国道1号線の北勢バイパスも1キロほどのところにあります。
名古屋へは鉄道でも自動車でも40分ほどで行けます。

「四日市市の1階94平方メートルの中古マンション」と考えると3,270万円は高く感じますが、「名古屋のベッドタウンの上質中古マンション」と考えると適正価格といえるでしょう。

桑名市大字桑名、2階87平方メートル、3LDKの物件は3,980万円

桑名市大字桑名にある12階建て全47戸のマンションの、2階87平方メートル、3LDKの部屋が3,980万円で売りに出ています。
2016年1月完成と築浅ではありますが、階数や広さだけを考えると高い印象があります。そのほかにどのような魅力があるのでしょうか。

最大の魅力は、マンションのブランドでしょう。有名メーカーのマンションだけあって、内装やキッチンや浴室は品よくまとまっています。
そして最寄りの道路からマンションのエントランスまでの間に100メートルほどのアプローチがあり、高級感があります。そのエントランスはモダンな美術館のような雰囲気が漂い、毎日の帰宅が楽しみになるでしょう。

桑名市大字桑名は、JR関西本線と近鉄名古屋線の共通駅である桑名駅に近く、都市機能も充実しています。また国道1号線が付近に走っているので自動車での移動も便利です。すぐ近くには長良川が流れ、桑名城跡といった名所もあります。
名古屋へのアクセスは電車でも自動車でも30分ほどです。
建物と立地に魅力があるので、約4,000万円という価格は妥当といえるでしょう。

三重県の中古戸建ての売買状況

三重県内の中古戸建ての売買状況をみてみましょう。
インターネット上に公開されている三重県内の中古戸建てのうち、市場が形成されている延べ床面積101平方メートル以上の物件の平均価格をまとめました。
平均価格が3,000万円を超えている市町村はなく、県庁所在地の津市でも1,500万円を大きく割り込んでいます。
この数字からも、三重県内で中古戸建てを売るのは簡単ではないことがわかります。
このなかから、特徴的な物件を紹介します。

三重県内の中古戸建て市況
(市場が形成されている101平方メートル以上の物件のみ掲載)
地区 101m²~ 地区 101m²~
津市 1,394万円 桑名郡木曽岬町
四日市市 2,325万円 員弁郡東員町 1,776万円
伊勢市 1,634万円 三重郡菰野町 1,195万円
松阪市 1,249万円 三重郡朝日町 1,698万円
桑名市 2,012万円 三重郡川越町 2,991万円
鈴鹿市 2,822万円 多気郡多気町
名張市 1,282万円 多気郡明和町 1,391万円
尾鷲市 多気郡大台町
亀山市 1,455万円 度会郡玉城町 730万円
鳥羽市 度会郡度会町 280万円
熊野市 2,350万円 度会郡大紀町
いなべ市 1,910万円 度会郡南伊勢町 773万円
志摩市 859万円 北牟婁郡紀北町 520万円
伊賀市 1,422万円 南牟婁郡御浜町
南牟婁郡紀宝町

津市南新町の鉄筋コンクリート2階建て106平方メートルが2,300万円

津市南新町で、個人宅では珍しい鉄筋コンクリート造の住宅が2,300万円で売りに出ています。土地面積316平方メートル、延べ床面積1.6平方メートル、2階建て6DKで、完成は1968年5月です。
築約50年にもかかわらずこれだけしっかりした価格がついているのは、土地の広さもありますが、鉄筋コンクリート造だからでしょう。

津市南新町の近くには近鉄名古屋線・津新町駅や遠山病院、幼稚園、服飾専門学校などがあります。近くには岩田川が流れています。

鈴鹿市南若松町の4,800万円の物件の実力とは

鈴鹿市南若松町でも鉄筋コンクリート造2階建ての住宅が売りに出ています。
2003年10月完成ですので15年以上経過しているのですが、価格はかなり強気の4,800万円です。
それもそのはずで土地面積は442平方メートルで、延べ床面積は352平方メートル、7SLDKの豪邸です。

居住空間は2階に集中し、1階は巨大な駐車場になっています。1階には洋室と納戸もあるので、車好きなら愛車を眺めながら毎日過ごすことができます。かなり趣味性が高い住宅です。

鈴鹿市南若松町は伊勢湾に面した風光明媚な場所で、地区内に千代崎海水浴場があります。
また近隣には近鉄名古屋線・千代崎駅や公園などがあります。
南若松町から鈴鹿サーキットまでは道路の距離で約9キロなので、車で20分ほどで到着します。
自動車好きな富裕層の別荘に最適な物件といえるでしょう。

熊野市有馬町の1,078平方メートルの土地に建つ物件が2,350万円

地方の戸建ての魅力は、なんといっても広い土地を確保できることでしょう。ガーデニングや家庭菜園を思う存分楽しむことができるので、それを求めて都会から田舎に移り住む人もいます。
熊野市有馬町にある2000年10月完成の木造2階建て延べ床面積187平方メートル、6SLDK、2,350万円の物件もそのひとつで、土地面積は1,078平方メートルもあります。

2階建てで200平方メートル近くあるので住宅もかなり大きい部類に入るのですが、これだけ広大な土地のなかにあると「ポツンと建っている家」といった印象があり、とても贅沢な空間です。
敷地は壁で覆われているので、プライバシーは保たれています。

熊野市有馬町内にあるJR紀勢本線・有井駅から名古屋駅までは3時間40分、大阪駅までは3時間20分かかります。紀伊半島の先端まで60キロという、かなり「奥まった場所」にあるので、都会生活に慣れた人には「不便な場所」と映るでしょう。

しかし有馬町は、東側はすぐ海岸線で、西側は山のふもとになります。海と山の両方で遊びたいアウトドア派にはこの上ない立地といえます。
世界遺産になった熊野三山へのアクセスもよく、この家を購入することは「歴史ある土地」に住むということになります。

熊野市有馬町内から熊野三山までの距離

  • 熊野本宮大社まで46キロ(車で1時間)
  • 熊野速玉大社まで20キロ(車で30分)
  • 熊野那智大社まで42キロ(車で1時間)

地方への移住を検討している方にとっては、魅力的な物件といえそうです。

伊勢神宮まで車で10分の木造2階建て220平方メートル7LDKが3,300万円

伊勢市桜木町は伊勢神宮まで約3キロ、車で10分という場所にあります。
その桜木町で、木造2階建て7LDK、土地面積501平方メートル、延べ床面積220平方メートルという物件が3,300万円で売りに出ています。大正15年に建てられた「お屋敷」です。

風格あふれる塀や門、床の間がある和室や長い廊下など、純和風の家ですが、キッチンやトイレなどの水回りはリフォームされていて、「普通に住む」ことができます。

桜木町の近くには伊勢自動車道・伊勢西インターチェンジや近鉄鳥羽線・五十鈴川駅があり、交通の便は申し分ありません。また伊勢赤十字病院も5キロ圏内にあります。
さらに伊勢湾や宮川、五十鈴川といった「水環境」に恵まれた土地でもあります。
人にうらやましがられる物件のひとつといえるでしょう。

三重県の土地の売買状況

三重県の2018年公示地価の平均変動率(前年比)は、住宅地で1.4%のマイナス、商業地で1.3%のマイナスでした。これで住宅地、商業地ともに26年連続の前年割れとなってしまいました。
しかも都道府県別の平均変動率ランキングでは、三重県は住宅地で44位、商業地で39位とふるいません。
詳しくみていきましょう。

住宅地も商業地も改善しているが勢いはない

三重県の住宅地と商業地の平均変動率の推移は次のとおりです。

住宅地 2016年マイナス1.7%→2017年マイナス1.6%→2018年マイナス1.4%
商業地 2016年マイナス1.5%→2017年マイナス1.6%→2018年マイナス1.3%

この数字から「マイナス幅が縮まっている(改善している)」と評価することもできますが、しかし三重県内の不動産の売却を検討している方は、現状をよりシビアにとらえ「マイナスが継続している(下落し続けている)」ととらえるべきでしょう。

それは三重県と、全国、地方圏、3大都市圏を比べるとより鮮明になります。

2018年の住宅地の平均変動率:三重県と、全国、地方圏、3大都市圏の比較
三重県 マイナス1.4%
全国 0.30%
地方圏 マイナス0.1%
3大都市圏 0.70%
2018年の商業地の平均変動率:三重県と、全国、地方圏、3大都市圏の比較
三重県 マイナス1.3%
全国 1.90%
地方圏 0.50%
3大都市圏 3.90%

住宅地も商業地も、三重県は全国を大きく下回り、地方圏よりも低いのです。

都道府県別のランキングから、三重県を中心にした前後3県を並べてみました。

2018年公示地価、三重県と前後3県   (△はマイナス)
住宅地の全国順位   平均変動率 商業地の全国順位   平均変動率
41位 福井 △ 1.2 36位 山形 △ 1.1
42位 山梨 △ 1.2 37位 和歌山 △ 1.1
43位 愛媛 △ 1.2 38位 高知 △ 1.1
44位 三重 △ 1.4 39位 三重 △ 1.3
45位 鹿児島 △ 1.4 40位 愛媛 △ 1.3
46位 和歌山 △ 1.5 41位 宮崎 △ 1.3
47位 秋田 △ 1.8 42位 鹿児島 △ 1.4

三重県は住宅地では44位で、下には鹿児島、和歌山、秋田しかありません。商業地でも三重県は39位と低迷しています。
三重県は、トヨタの愛知県、国内第2の都市大阪、観光地日本一の京都市に近いのですが、地の利を生かし切れていないのです。
これは、東海道新幹線もJR東海道本線も三重県内を通っていないことが影響しているのかもしれません。いくら主要市と近くても物流網が整備されていないと、経済もビジネスも素通りしてしまいます。

県全体に▲が並ぶ。津市でもマイナス

それでは三重県内の市町村別の公示地価をみていきましょう。次の表は、2018年と2017年の住宅地と商業地の市町村別の平均変動率です。四日市市の2018年と2017年の商業地と、桑名市の2018年の商業地の3つの例外を除くすべてで前年比マイナスを示す「▲」がついています。

三重県内の市町別の平均変動率(前年比)▲はマイナス
  住宅地  商業地
  2018年 2017年 2018年 2017年
三重県 ▲ 1.4 ▲ 1.6 ▲ 1.3 ▲ 1.6
津市 ▲ 1.3 ▲ 1.3 ▲ 1.0 ▲ 1.2
四日市市 ▲ 0.3 ▲ 0.4 0.4 0.2
伊勢市 ▲ 2.8 ▲ 3.3 ▲ 1.8 ▲ 1.7
松阪市 ▲ 2.8 ▲ 3.2 ▲ 1.8 ▲ 2.4
桑名市 ▲ 0.4 ▲ 0.6 0 ▲ 0.2
鈴鹿市 ▲ 0.8 ▲ 1.1 ▲ 1.0 ▲ 1.5
名張市 ▲ 2.5 ▲ 2.4 ▲ 2.7 ▲ 3.0
尾鷲市 ▲ 3.7 ▲ 3.8 ▲ 3.7 ▲ 3.8
亀山市 ▲ 1.2 ▲ 1.4 ▲ 2.1 ▲ 2.3
鳥羽市 ▲ 4.5 ▲ 5.0 ▲ 3.9 ▲ 3.8
熊野市 ▲ 4.3 ▲ 4.8 ▲ 4.8 ▲ 5.1
いなべ市 ▲ 0.9 ▲ 1.1 ▲ 1.0 ▲ 1.2
志摩市 ▲ 3.9 ▲ 3.9 ▲ 4.5 ▲ 5.2
伊賀市 ▲ 2.7 ▲ 2.9 ▲ 2.9 ▲ 3.1
木曽岬町 ▲ 3.6 ▲ 3.7    
東員町 ▲ 0.6 ▲ 0.8    
菰野町 ▲ 0.5 ▲ 0.7 ▲ 0.3 ▲ 0.6
朝日町 ▲ 0.2 ▲ 0.3    
川越町 ▲ 0.1 ▲ 0.2 ▲ 0.4 ▲ 0.4
多気町 ▲ 2.0 ▲ 2.6 ▲ 2.8 ▲ 3.1
明和町 ▲ 3.2 ▲ 2.8 ▲ 3.5 ▲ 3.6
玉城町 ▲ 2.9 ▲ 3.3 ▲ 2.9 ▲ 3.4
南伊勢町 ▲ 4.6 ▲ 5.0 ▲ 5.1 ▲ 5.4
紀北町 ▲ 4.7 ▲ 5.2    
御浜町 ▲ 4.1 ▲ 4.0    

三重県に限らず地方の県は地価の低迷に苦しんでいますが、それでも県庁所在地の地価が安定している県は、県庁所在地が県全体の地価を下支しています。
ところが三重県では県庁所在地の津市の地価が不調で、三重県平均とほとんど変わらない数字を示しています。
全国的な知名度を誇る伊勢市でも、住宅地は三重県平均を1.4ポイント(=▲2.8-▲1.4)下回り、商業地も0.5ポイント(=▲1.8-▲1.3)下回っています。
さらに、世界遺産「熊野三山」がある熊野市も2018年の住宅地はマイナス4.3%、商業地はマイナス4.8と、前年を大きく下回っています。
世界的な自動車レースが開かれる鈴鹿サーキットを持つ鈴鹿市も前年割れが続いています。

リーダー格の市(津市)や知名度を誇る市(伊勢市、熊野市、鈴鹿市)がこの状態ですので、三重県全体が落ち込んでいるのは当然といえば当然です。

県庁所在地の津市の様子

津市の2018年の住宅地の詳細をみていきます。
津市の住宅地域は、①旧津市と旧久居市の市街地と②郡部の2つに大別され、二極化が広がっています。
好調なのはJR紀勢本線・津駅の西側に広がる大谷町で、2018年の平均変動率は、県内最高率のプラス1.9%を記録しました。また、やはり津駅周辺に位置し、三重大学教育学部附属幼稚園・小学校・中学校・特別支援学校などがある津市観音寺町もプラス1.2%と、前年を上回りました。
また近鉄名古屋線・南が丘駅がある津市南が丘も地価は下げ止まっています。
津市内で下落が大きかったのは津興地区と海岸町地区の海岸線の地域です。三重県はこの2地区の下落要因として、津波の危険性から住宅地需要が希薄化していることを挙げています。

局地的に好調な状況を示す桑名市

住宅地で局地的に好調な状況を示しているのが桑名市です。
桑名市大字東方の2018年の住宅地の平均変動率は1.3%増、桑名市汐見町も1.2%増でした。この2地区はJR関西本線と近鉄名古屋線の共通駅である桑名駅に近く、名古屋市との結びつきが強いことから住宅地の供給が逼迫し地価が上昇していると考えられています。
都会へのアクセスのよさは、これほど地価に影響するのです。

まとめ~三重県内の不動産オーナーは「売れる時に売る」姿勢が大切

三重県は魅力ある県ですが、なぜか地価は低迷しています。それは、大阪と名古屋から「近くて遠い」ためでしょう。地の利は決して悪くないのに「大経済圏」に組み込まれにくいのです。
三重県の不動産オーナーは「これだけ住みやすい街の不動産なのだから、それなりの価格で売れるはずだ」と思っているのではないでしょうか。しかし公示地価からも三重県経済の動向からも、中古マンション、中古戸建て、土地の価格が今後値上がりする要素は見当たりません。2019年10月の消費増税や2020年の東京五輪終了を考えると、さらに先行きの不透明感が増します。
値上がりを待つのはリスクが高いといわざるを得ません。三重県内の不動産オーナーは「売れる時に売る」姿勢が、大切と考えられます。