秋田県内の中古マンションと中古戸建てと土地の売却価格の相場と不動産売却事例を紹介します。
県全体を総括すると、秋田県は国内景気の上昇気流に乗ることができていない、といわざるを得ません。地域の不動産市場の重要指標である土地価格も、秋田県平均は下落基調のままです。
さらに不動産市場に躍動感が感じられません。中古マンション、中古戸建て、土地の3市場すべてで市場らしい市場が形成されていないのです。

秋田県内に売却用の不動産を持っている方は、なかなか「売り時」をみつけられずに苦心しているのではないでしょうか。ここは「売れる時が売り時」という不動産売却の鉄則とおりに動いたほうがいいかもしれません。
もちろん「あのとき売らなければよかった」と後悔するリスクはゼロではありませんが、「あのとき売っていればこのような苦労はしなかったのに」と後悔する確率のほうが高いからです。

ただ、秋田県内の不動産市場が闇一色というわけではありません。明るいニュースもありますので、そういった好材料も紹介していきます。

秋田県の不動産価格に影響を与えそうなトピックス

まずは秋田県内の不動産市場全般に影響を与えそうなニュースやトピックスを紹介します。
不動産価格はその土地の経済状況に左右されます。経済が上向くと不動産が必要とされ、中古不動産価格は上昇します。一方経済に力がないと不動産に投資したり、不動産を使ってビジネスをしたりする意欲が薄れるので、不動産価格は低下します。
したがって秋田県内にある不動産の売却タイミングを探っている方は、経済動向に注目してください。
不動産関連のニュースは、以下の順番で集めていってください。

  1. 国内の経済ニュース

  2. 秋田県内の経済ニュース

  3. 不動産がある市町村の経済動向

  4. 不動産がある半径10キロメートル以内の不動産価格動向

「大きなニュース→小さなニュース」の順に情報を集めると、小さなニュースの価値を見極められるようになります。

日本経済新聞の予測が的中した

日本経済新聞は2017年9月に、「基準地価、住宅地の資産デフレ解消遠く 二極化鮮明に」という記事(*)のなかで、「日銀の緩和マネーを背景に、三大都市圏から周辺都市へと地価上昇の機運は広がってきたとはいえ、取り残された地方圏との間で二極化が一段と鮮明になる恐れもはらむ」と論じていた。

*:https://www.nikkei.com/article/DGXLASFS19H2Y_19092017EA2000/

この予測は2018年に見事に的中した。秋田県は「取り残された地方圏」の代表格となってしまい、東名阪の三大都市圏との差をさらに広げてしまったのです。

三大都市圏の経済が好調なのは、アメリカの好景気や2020年の東京五輪などによる上げ潮基調のおかげです。しかし東京から遠く離れた秋田県までは影響が及んでいないので差が広がっているのです。

地熱発電には未来がある

明るいニュースを紹介します。
出光興産、国際石油開発帝石、三井石油開発の3社が、秋田県湯沢市の栗駒国定公園内で地熱発電の実証実験を行っています。地熱発電は地下1,500~2,100メートルの熱を使って電気をおこす仕組みです。
3社は2013年からこの実証実験に着手し、2018年10月には報道陣に噴気試験を公開しました。毎時30トンの蒸気と毎時140トンの熱水が出ている様子が報道されました。
この地熱発電は、2024年には本格的に事業化される予定です。

エネルギーの議論では、原子力発電の稼働問題や風力発電や太陽光発電などの再生可能エネルギーが注目されますが、実は地熱発電はポテンシャル(潜在能力)が高いのです。
日本の地熱資源は世界の10%を占め、アメリカ、インドネシアに次ぐ第3位なのです。
もしこの地熱発電事業が軌道に乗れば、湯沢市はクリーン電力を供給する街として注目されるようになるでしょう。もしそうなれば地域経済が潤い、不動産価格にもよい影響をもたらします。
エネルギービジネスは地方のほうが有利です。そして出光というビッグネームが乗り出しているプロジェクトだけに、期待が膨らみます。

秋田県経済にも「動き」はある

一般社団法人秋田経済研究所の2018年10月の「あきた経済」によると、県内の電子部品生産額は前年比0.7%増と2カ月ぶりに上昇に転じました。自動車向けが好調だったほか、スマートフォン向けも高水準を維持できました。
また機械金属も前年比5.7%増と大きな伸びを示しました。前年比より増加したのはこれで5カ月連続です。
こうした動きは小さいながらも消費者マインドを安定させる効果があるといえます。これは不動産売却にも少なからず影響する動きといえます。

秋田県の中古マンションの売買状況

それでは次に秋田県内の中古マンションの売買状況についてみていきましょう。
ここでもまずは中古マンションの価格に影響を与えるトピックスをチェックして、その後で中古マンション市況を確認します。

2018年2月に完成した秋田市南通亀の町の14階建てマンションの実力

三光不動産株式会社は2018年2月に、秋田市南通亀の町に14階建て55戸のマンション「The Marks 南通」を完成させました。
価格の一部が公開されていて、68~76平方メートル、2LDK+S~3LDK、2,950万~4,580万円となっています。広さの割に高価格な印象を受けるかもしれませんが、オール電化+エコキュート、全戸南向き、床暖房標準装備、完全平面駐車場、内廊下といった装備なので、値段相応といえるでしょう。

南通亀の町は、JRの在来線と新幹線の共通駅である秋田駅から500メートルしか離れていない好立地です。秋田銀行や北都銀行の支店が近くにあり、中通総合病院をはじめとする医療機関も充実しています。公立小学校や私立中学校、保育園に近く子育て世帯に便利です。
都市機能が充実している一方で、近隣には旭川が流れ、楢山公園もあります。
地方都市らしく、便利さと自然環境の両方がそろっています。
このような恵まれた住環境のなかにマンションができると地域のブランド化に貢献します。地域がブランド化されれば、中古マンション価格にもよい効果をもたらします。周辺に売却用の不動産を持っている方は、今後の値動きを注視してください。

秋田市南通築地で中古マンションが1棟売り、2億1,000億円

こちらも秋田市南通の物件ですが、南通築地地区の築年月1985年11月、7階建て30戸の賃貸マンションが、1棟丸ごと売りに出ています。価格は2億1,000万円で、賃貸料の年間収入は2,521万円となっています。利回りは12%で、9年で元が取れる計算です。
賃貸料が年2,521万円ということは、単純計算で1戸当たりの平均賃料は月7万円(=2,521万円÷12カ月÷30戸)となります。
「月7万円」という金額だけみると、築30年以上の地方都市の賃貸マンションの賃料としてはやや高い印象を持ちます。
しかし南通築地地区は先ほど紹介した新築マンション「The Marks 南通」の南通亀の町に近く、住環境のクオリティが高い場所です。
また南通築地地区から700メートルほどの距離に、秋田市民の憩いの場である「秋田市一つ森公園」があります。
2億1,000万円の物件の売却は、中古マンション市場が動き出す予兆と考えていいでしょう。秋田市内に売却用の中古マンションを保有しているオーナーは、しばらくは集中して市場動向を観測したほうがいいでしょう。

JR秋田駅前の都市開発、新幹線との相乗効果を生み出せるか

JR東日本が2018年9月に、秋田駅東口で、学生向けマンション・合宿施設の建設に着工しました。概要は次のとおりです。

10階建て、延べ床面積2,600平方メートル、学生向け賃貸ワンルームマンション80室、合宿施設付き

完成は2010年3月で、総工費は非公開となっています。
JR東日本は近隣にバスケットボールコートを中心とした「JR秋田ゲートアリーナ」も建設中で、こちらは2019年完成です。
さらにJR秋田駅前には、北都銀行が主導した高齢者向け住宅も2020年9月に完成します。

駅前開発は地方都市経済の起爆剤になります。また若者と高齢者を街の中心地に誘導する政策は、コンパクトシティ構想に準じていて、時宜を得たプロジェクトといえます。
秋田新幹線は秋田=東京を4時間で結んでいます。通勤には難しい距離ですが、リタイア後の移住先としては十分「東京とのつながり」が持てる土地といえるでしょう。
東京でのプロモーション次第で「意外に近い街、JR秋田駅前」の評価は高まるかもしれません。
もしJR秋田駅前のブランド化が成功すれば、地域の中古マンション価格の上昇も期待できます。

秋田県の中古マンション市況

秋田県内の中古マンションの市況をみていきます。下の表は不動産販売会社が公表している中古マンション価格を参考にして作成しました。
ご覧のとおり、秋田市でしか中古マンション市場は形成されていません。秋田県全体の様子を見える化するために全市町村を掲載しましたが、ほぼ空欄です。
そもそもマンションが存在しない市町村もありますが、しかし秋田県内の市町村別人口で2位の横手市(92,197人)でも3位の大仙市(82,783人)でも中古マンション市場が形成されていないのは、地方県の厳しい事情を反映しているといえます。

秋田県内の中古マンションの市況
地区 ~40m² ~50m² ~60m² ~70m² ~80m² ~90m² ~100m² 101m²~
秋田市 930万円 1,255万円 1,814万円 1,348万円 2,228万円 2,780万円
能代市
横手市
大館市
男鹿市
湯沢市
鹿角市
由利本荘市 870万円
潟上市
大仙市
北秋田市
にかほ市
仙北市
鹿角郡小坂町
北秋田郡上小阿仁村
山本郡藤里町
山本郡三種町
山本郡八峰町
南秋田郡五城目町
南秋田郡八郎潟町
南秋田郡井川町
南秋田郡大潟村
仙北郡美郷町
雄勝郡羽後町
雄勝郡東成瀬村

この住環境で3,000万円を大幅に割り込むなら値ごろ感あり

上記の表のうち、秋田市保戸野中町の物件を紹介します。
7階建ての7階、築年月2001年11月、4LDK、110平方メートル、2,780万円となっています。
秋田市保戸野中町はJR秋田駅から1キロメートルほどの旭川に面した地域です。近くに久保田城跡がある千秋公園や秋田大学教育文化学部附属小学校、同中学校があります。
住環境としては申し分ありません。
この住環境と築年数、広さ、階数からすると、3,000万円を大幅に割り込んだ価格には値ごろ感があります。

秋田県の中古戸建ての売買状況

秋田県内の中古戸建ての売買状況をみていきましょう。
まずは中古戸建て価格に影響を与えそうなトピックスを概観していきます。

地元の工務店に依頼する傾向が強い秋田県民

リクルート社によると、秋田県内で戸建て住宅を建てる人の85%が、地元の工務店やビルダーに依頼するそうです。秋田県民は地元志向が強い県民性といえるでしょう。
ただ、地元愛だけで地元の建築会社に依頼しているわけではありません。秋田県は北国なので戸建て住宅には高い気密性と断熱性と保温性が求められます。それで「暖かい」住宅づくりのノウハウがある地元の建築会社が支持されているわけです。
また秋田県民は広い戸建てに住む傾向があります。首都圏はいうに及ばず地方の大都市と比べても土地が格段に安いので、土地購入で浮いたお金を住宅にかけられるのです。
以上のことをまとめると、秋田県内で売りやすい中古戸建ての特徴はこうなります。

  • 地元建築会社など高気密・高断熱・高保温性の家づくりに慣れた会社が建てた住宅
  • 室内面積100平方メートル以上の広い住宅

もし、自身が保有する売却用の戸建てがこの2条件に当てはまれば、市場価値は十分あると考えていいでしょう。販売活動やオープンハウスでは、この2点を強調するようにしてください。

新設住宅着工戸数は2カ月連続で前年比増

秋田経済研究所の「秋田経済2018年10月号」によると、8月の県内新設住宅着工戸数は454戸で前年比3.7%増と大幅な伸びを示しました。持家と分譲住宅が牽引し、これで前年比増は2カ月連続です。ただ賃貸住宅が大幅に戸数を減らしてしまいました。

秋田県の中古戸建て市況

先述したとおり、秋田県民は「広い住宅」を求める県民性があるため、中古戸建て市場は「101平方メートル~」帯が中心になっています。秋田市には「91~100平方メートル」帯に物件が紹介されていましたが、1件しかないのでここでは省略しました。

秋田県内の中古戸建ての市況
(相場が形成されている101平方メートル以上のみ表示)
地区 100m²~
秋田市 1,979万円
能代市 885万円
横手市 1,172万円
大館市 1,038万円
男鹿市 892万円
湯沢市 670万円
鹿角市
由利本荘市 1,054万円
潟上市 763万円
大仙市 1,267万円
北秋田市 1,013万円
にかほ市 1,750万円
仙北市 1,328万円
鹿角郡小坂町
北秋田郡上小阿仁村
山本郡藤里町
山本郡三種町 514万円
山本郡八峰町
南秋田郡五城目町 437万円
南秋田郡八郎潟町 925万円
南秋田郡井川町 1,648万円
南秋田郡大潟村
仙北郡美郷町 1,348万円
雄勝郡羽後町
雄勝郡東成瀬村

秋田市なら築浅141平方メートル鉄骨戸建てが4,000万円以下で買える

上記の表のなかから、秋田市川尻総社町の物件を紹介します。
2008年12月築、鉄骨2階建て3LDK、141平方メートル、土地面積240平方メートルという「豪邸」のような物件が紹介されていて、価格は3,790万円です。
秋田市川尻総社町には、約1300年の歴史があり明治時代には「県社」にもなった総社神社があります。総社神社は、境内に約100本の欅(けやき)の森があることなどから、秋田市のふるさと百景に選定されています。さらにこの地域は市立秋田総合病院に近く、JR秋田駅まで2キロほどです。
これだけ住環境が整っている地域の豪邸が4,000万円を大きく割り込む価格で購入できるのは、地方都市の特権といえるでしょう。

人口2位の横手市なら築30年、4LDK、80平方メートルでも1,648万円

上記の表のなかから、秋田県内で2番目に人口が多い横手市の中古戸建て物件をみてみましょう。
横手市婦気大堤の木造2階建て、築年月1987年12月、4LDK、80平方メートルという物件が1,648万円で売りに出ていました。
敷地面積は200平方メートルと広く、1台分のカーポートのほかに2台停めることができます。
築年数などからすると「しっかりした価格」という印象です。戸建て売却を検討している方はぜひ参考にしてみてください。

秋田県の土地の売買状況

秋田県内の土地の売買状況をみてみましょう。
残念ながら、土地の価格は下がり続けています。売却したい土地を持っている方にとっては、厳しい状況が続いています。

2018年地価、住宅地は20年連続、商業地は26年連続の下落

秋田県の2018年7月現在の地価調査によると、県全体の住宅地の前年比(平均変動率)は2.4%減で20年連続の前年割れとなりました。2017年7月は前年比2.9%減でしたので下落幅は縮小していますが厳しい状況には変わりありません。
秋田市内だけの住宅地でも0.4%減で、前年割れは回避できませんでした。
県全体の商業地も前年比2.6%減で、こちらは26年連続の前年割れです。

東名阪の三大都市圏は住宅地0.7%増、商業地4.2%増と、ともに上昇基調なだけに、秋田県の3%近い落ち込みは目立ちます。

東北6県のなかで最も厳しい状況

東北6県のなかで比較しても秋田県の地価の厳しさは際立ちます。
いずれも2018年7月の数値です。

秋田県 住宅地2.4%減、商業地2.6%減
青森県 住宅地1.2%減、商業地1.3%減
岩手県 住宅地1.2%減、商業地2.0%減
宮城県 住宅地0.9%増、商業地4.7%増
山形県 住宅地0.8%減、商業地1.2%減
福島県 住宅地0.5%増、商業地0.2%増

宮城県と福島県にいたっては住宅地、商業地ともに前年比を上回っているだけに、秋田県の劣勢が目立ちます。

秋田県の土地市況

秋田県内の土地市況をみてみましょう。こちらも「101平方メートル~」帯しか市場が形成されていませんでした。

秋田県内の土地の市況
(相場が形成されている101平方メートル以上のみ表示)
地区 101m²~
秋田市 762万円
能代市 538万円
横手市 522万円
大館市 1,076万円
男鹿市 428万円
湯沢市 557万円
鹿角市 558万円
由利本荘市 1,680万円
潟上市 313万円
大仙市 885万円
北秋田市
にかほ市 100万円
仙北市
鹿角郡小坂町
北秋田郡上小阿仁村
山本郡藤里町
山本郡三種町
山本郡八峰町
南秋田郡五城目町 230万円
南秋田郡八郎潟町
南秋田郡井川町
南秋田郡大潟村
仙北郡美郷町
雄勝郡羽後町
雄勝郡東成瀬村

売買は活況ではないが「動き」は確実にある

上記の表のなかに、大館市釈迦内、4,180平方メートル、3,800万円という土地があります。大手自動車メーカーの販売店の跡地です。
また秋田市御所野堤台の秋田南インターチェンジから車で5分の3,007平方メートルの土地が5,700万円で売りに出ています。周囲は倉庫などが並んでいます。

いずれも土地単価はそれほど高くありませんが、総額が大きい物件です。
秋田県内の土地売買は活況とまではいえないのですが、このように「小さな動き」は確実にあります。
土地の売却を検討しているオーナーはこの小さな動きを取りこぼさないようにしたいものです。

まとめ~消費増税前後のタイミングを逃さないように

2019年10月に消費税が増税される予定です。消費増税が近づくと、マスコミ各社は「不動産を買うなら増税前が得か、増税後が得か」といった話題を提供します。こうしたニュースは「不動産売買のコマーシャル」の効果があります。マスコミから「マンション」「マイホーム」という単語が多く出てくると、消費者の購買意欲は自然と高まります。

秋田県内に売却用の不動産を保有している方は、この流れを逃さないようにしてください。問い合わせが複数続くとつい「もう少し待てば売却価格がもっと上がるかもしれない」と思い勝ちですが、それは危険な選択になるかもしれません。
秋田県内の直近の経済動向からすると、購入希望者が現れたら素早く売却するほうがよいかもしれません。