奈良県内の中古マンション、中古戸建て、土地の相場と不動産売却事例をみていきましょう。
奈良県内の不動産オーナーはいま、複雑な心境ではないでしょうか。奈良県の不動産関連の指標をながめると、よいものと悪いものとが混在していてどれを信じたらよいのか迷ってしまう状況になっています。
不動産価格に影響を与える奈良県経済には、順調なセクターも不調なセクターもあります。
よい数字を信じるのなら、自身の不動産の売却を延期して値上がりを待つという判断になりますが、悪い兆候が現実化すると「あのとき売っておけばよかった」と後悔することになります。

奈良県の不動産オーナーは、どうしたらいいのでしょうか。
おすすめしたいのは、「迷ったら早めに売ってしまう」ことです。まだ大幅下落が始まっているわけではないのであわてる必要はまったくありませんが、少なくともお手持ちの不動産の査定を済ませておいたほうがいいでしょう。
奈良県の不動産オーナーに早め売却と早め査定をおすすめする理由と、奈良県内の不動産動向について詳しく紹介します。

奈良県の不動産の全体的な話題

奈良県内の不動産に関する全体的な話題を紹介します。なぜ奈良県の不動産市場は今、不安定なのでしょうか。その答えに近付くことができる情報を提供します。

不動産市場が不安定なときの「素人判断」はリスキー

不動産市場が不安定なとき、不動産の素人が独自の判断を下すことはとてもリスキーです。
個人が自身の不動産を売却する機会は人生に1度あるかないかでしょう。多い人でも数回だと思います。しかも不動産売買では数千万円規模のお金が動くので、不動産の売却に失敗すると家計に多大な影響を与えます。
つまり個人の不動産売却は「素人が巨額ビジネスに挑むようなもの」でありながら、失敗が許されないのです。

そこで今の奈良県の不動産市場のように、複数の指数がよかったり悪かったりして市場が荒れているときは、「売れるときに売る」姿勢で臨み、少しでもよい条件が提示されたら売却してしまったほうがよいのです。売却後に値上がりしたら後悔するでしょう。しかし売却を延期しているうちに値下がりしたら、売るに売れない状況に陥ってしまいます。

ですから不動産価格の下落傾向が顕著になったときにすぐに売却できるように、査定は済ませておいてください。不動産仲介業者に査定額を出してもらえば、将来の資金繰り計画にも役立ちます。そしてなにより、不動産仲介業者の営業担当者から奈良県内の「生の」不動産情報を入手できるので、より正しい売却判断を下せるようになるはずです。

奈良県の経済指標は不安定

奈良県統計課が発表した「奈良県の経済動向2019年3月」によると、8つの経済指標の最新月の動きは、上昇3、低下5とバラバラです。その内容は次のとおりです。△はマイナスです。

  • 百貨店・スーパー販売額(全店):△4.2%低下(12カ月連続の減少)
  • 新車販売台数:5.4%上昇(2カ月連続の増加)
  • 鉱工業生産指数:2.1%上昇(2カ月ぶりの増加)
  • 新設住宅着工戸数:△21.7%低下(2カ月ぶりの減少)
  • 建設着工床面積:5カ月連続の低下
  • 国内銀行貸出残高:0.9%上昇(2カ月連続の増加)
  • 有効求人倍率:△0.05ポイント低下(2カ月ぶりの減少)
  • 新規求人倍率:△0.26ポイント低下(2カ月ぶりの減少)

1回の購入単価が安い百貨店・スーパー販売額が12カ月連続で減少しているのに、価格の高い新車販売台数が堅調な伸びを示しています。
新設住宅着工戸数が激しい落ち込みをみせていますが、下落傾向はまだ2カ月続いただけです。
経済指標はこのように「まだら模様」で、同じ傾向は不動産関連の指標でもみられます。その点については後段で詳しく紹介します。

日本1の「株保有県」に忍び寄る陰とは

総務省が2019年2月に公表した全国消費実態調査によると、最新データの2014年時点で、株式と株式投資信託を保有する世帯の比率が最も高かったのは奈良県で29%でした。
この29%はとても高い数字で、株保有率最下位の沖縄県は5%、鹿児島、宮城、北海道も1けた%でした。
奈良県民は株投資に熱心なのです。
奈良県の不動産市場が安定しないのは、日本一の株保有県であることと関係しているかもしれません。

日本の株価の指標である日経平均は、2019年3月27日の時点で21,287円でした。2013年までは10,000円を大幅に割り込んでいただけに、隔世の感すらあります。
単純計算すると、2013年より前に株を買い、そのまま今まで持ち続けている人は、その資産は2.1倍になっているわけです。仮に当時、株を1,000万円分購入していたら、その価値は今2,100万円になっているのです。
株を日本で最も多く持っている奈良県民は、他の都道府県の人たちより資産を増やしているといえます。

つまり、株を多く持っている奈良県民は今、住宅を購入する余裕があるわけです。これが購買意欲を高め、不動産関連の「一部の」指標を改善させていると推測できます。

ところが日経平均(株価)は最近、乱高下を繰り返しています。
2018年初頭と2018年秋に日経平均は24,000円を突破しましたが、2018年12月には約19,000円になっています。日経平均が24,000円から19,000円になったということは「日本企業の株は全体的に大体2割ぐらい下がった」ことを意味します。1,000万円分の株が800万円になってしまうわけです。
株でこれだけ損失を出してしまうと、とても「住宅を買おう」という気持ちにならないでしょう。これが不動産関連の「一部の」指標を悪化させている要因と推測できます。

奈良県の中古マンションの売買状況

それでは不動産の種類ごとに売買状況などをみていきます。
まずは、中古マンションの動向を確認します。

県全域も奈良市も価格は上昇している

全国指定流通機構連絡協議会が運営する不動産取引情報提供サイト「レインズマーケットインフォメーション」(以下、レインズ)が公開しているデータによると、奈良県の中古マンション市場には次のような傾向がみられます。

  • 県全域では価格は上昇しているが売買成約件数は減っている
  • 奈良市は価格も売買成約件数も上昇している

詳しい数字をみていきましょう。

【県全域】成約価格17%上昇、成約件数△3%減

下の表は、奈良県内の中古マンションの売却価格(成約価格)や成約件数などについて、2017年3月から2019年2月までの2年間を集計したものです。
集計は3カ月ごとに行っています。

中古マンション、奈良県全域
  2017年3月から2017年5月 2017年6月から2017年8月 2017年9月から2017年11月 2017年12月から2018年2月  
合計成約件数(件) 198 178 192 192  
平均成約価格(万円) 1,358 1,258 1,460 1,491  
平均m²単価(万円/m²) 18 17 19 20  
平均専有面積(m²) 74 71 74 74  
           
  2018年3月から2018年5月 2018年6月から2018年8月 2018年9月から2018年11月 2018年12月から2019年2月 対2017年3月
合計成約件数(件) 204 195 216 192 -3.00%
平均成約価格(万円) 1,425 1,381 1,416 1,589 17.00%
平均m²単価(万円/m²) 19 19 19 22 19.30%
平均専有面積(m²) 74 72 72 72 -1.50%

平均成約価格は、2017年3~5月の1,358万円から2018年12月~2019年2月の1,589万円へと17.0%も上昇しています。
さらに平均平方メートル単価は、同じ期間に18万円/平方メートルから22万円/平方メートルへと19.3%上昇しています。
数年前にマンションを査定してもらった方が今あらためて査定をしてもらうと、査定額が上がっているかもしれません。マンションは原則、古くなるにしたがって価値が下がりますが、奈良県内の中古マンションは例外的に上昇している可能性があります。

では、保有している中古マンションの売却を延期して値上がりを待ったほうがいいのでしょうか。
一概にそうとはいえません。
それは成約件数が2017年3~5月の198件から2018年12月~2019年2月の192件へと△3%も減っているからです。
これは購買意欲が落ちていることを意味しますし、奈良県内の中古マンション市場が縮小傾向にあることも示唆しています。
恐らく、価格が高くなりすぎて「買えない」と感じている人が増えているのでしょう。

【奈良市】成約価格も成約件数も2ケタ上昇の理由とは

続いて奈良市の中古マンション市場をみていきます。

中古マンション、奈良市
  2017年3月から2017年5月 2017年6月から2017年8月 2017年9月から2017年11月 2017年12月から2018年2月  
合計成約件数(件) 91 86 93 99  
平均成約価格(万円) 1,516 1,382 1,655 1,667  
平均m²単価(万円/m²) 20 19 22 22  
平均専有面積(m²) 73 70 73 75  
           
  2018年3月から2018年5月 2018年6月から2018年8月 2018年9月から2018年11月 2018年12月から2019年2月 対2017年3月
合計成約件数(件) 97 91 103 103 13.20%
平均成約価格(万円) 1,559 1,459 1,616 1,725 13.80%
平均m²単価(万円/m²) 21 19 22 23 15.60%
平均専有面積(m²) 73 74 72 72 -1.50%

2017年3月から2019年2月までの2年間に、

  • 成約件数13.2%増
  • 平均成約価格13.8%上昇
  • 平均平方メートル単価15.6%上昇

と、3指数とも高い伸びを示しています。

これにはさまざまな要因が考えられますが、最も確度が高い要因に「奈良市の中古マンションは安い」ことがあるでしょう。

奈良市は京都市と並んで日本を代表する古都であり、双方とも世界遺産が多数ありますが、経済規模では奈良市は京都市に及びません。不動産価格は経済情勢の影響を受けるので、経済規模が大きい地域の不動産は高く、経済規模が小さい地域の不動産は安くなります。
京都市の中古マンションの2018年12月~2019年2月の平均成約価格は2,582万円ですので、奈良市の2018年12月~2019年2月の1,725万円は、33%も安いのです。

ところが奈良駅から京都駅まではJR奈良線で45分の距離ですし、京奈和自動車道を使えば車で50分です。
つまり、

  • 奈良市の日本の古都としての知名度は京都市と同じレベル
  • 奈良市と京都市の距離は大体1時間
  • 奈良市内の中古マンション価格は京都市内のそれより3割以上安い

と、これだけの好条件がそろえば、奈良市内の中古マンションに人気が集まり、成約件数と成約価格が上昇するのは当然です。

それでは次に、奈良県内では実際にどのような中古マンションが売りに出ているのでしょうか。
個別の物件をみていきます。

奈良市西大寺宝ヶ丘の1階82平方メートル、3LDKが2,698万円

奈良市西大寺宝ヶ丘にある5階建て全38戸のマンションの1階、82平方メートル、3LDKの部屋が2,698万円で売りに出ています。2006年8月完成です。

マンションの1階に価値を見出す人でも、82平方メートルで築10年以上経過している物件が2,500万円を大幅に上回る金額は割高に感じるかもしれません。
台所もカウンターキッチンで、アイランドキッチンではありません。

ただ奈良市西大寺宝ヶ丘の立地のよさは特筆に値します。近鉄奈良線と近鉄橿原(かしはら)線の共通駅である大和西大寺駅は1キロ圏内にあります。
大和西大寺駅から京都駅までは60分、大阪駅までは途中乗り継ぎはありますが45分です。

さらに3キロ圏内には平城京跡や朱雀門、ヒシャゲ古墳、コナベ古墳、ウワナベ古墳といった史跡が多数あります。
歴史の重さを感じながら、都会の利便性も享受できる場所なので、2,698万円は決して高い価格とはいえないでしょう。

生駒市東生駒の4階92平方メートル4SLDKが2,198万円

生駒市東生駒にある6階建て全54戸のマンションの4階、92平方メートル4SLDKの部屋が2,198万円で売りに出ています。1986年3月完成です。

低層階、築年数30年以上、100平方メートル未満でありながら、2,000万円をオーバーする金額は、やや割高感があります。
ただ、浴室やトイレなどの水回りはリフォームが済んでいるようで、古さは感じません。エントランスもマンションの規模の割に豪華さがあり、全体的に質の高さがうかがえます。

そして生駒市東生駒は近鉄奈良線・東生駒駅にも、近鉄生駒線・菜畑駅にも近く交通の便は良好です。東生駒駅から大阪駅まで50分程で到着します。自動車なら大阪の中心地まで30分ほどです。
生駒市東生駒には徳洲会生駒市立病院やクリニックがあり、小学校と中学校は2キロ圏内にあります。
大阪のベッドタウンのマンションと考えると、割高感は払拭できるかもしれません。

奈良県の中古戸建ての売買状況

奈良県の中古戸建て市場は、県全域でも奈良市内でも縮小の兆しがみられます。価格はかろうじて上昇基調を維持していますが力強さはありません。
奈良県内に売却用の中古戸建てを持っている方は、売却活動の準備に取りかかることを強くおすすめします。

奈良県全域「市場の方向性がみえづらい」

奈良全域の中古戸建て市場をみてみましょう。

中古戸建て、奈良県全域
  2017年3月から2017年5月 2017年6月から2017年8月 2017年9月から2017年11月 2017年12月から2018年2月  
合計成約件数(件) 278 222 265 279  
平均成約価格(万円) 1,741 1,799 1,909 1,887  
平均土地面積(m²) 205 189 184 175  
平均建物面積(m²) 112 113 115 112  
           
  2018年3月から2018年5月 2018年6月から2018年8月 2018年9月から2018年11月 2018年12月から2019年2月 対2017年3月
合計成約件数(件) 292 241 217 228 -18.00%
平均成約価格(万円) 1,880 1,754 1,859 1,909 9.70%
平均土地面積(m²) 175 187 185 184 -10.40%
平均建物面積(m²) 109 116 112 117 5.00%

平均成約価格は、2017年3~5月の1,741万円から2018年12月~2019年2月の1,909万円へと9.7%上昇しています。平均建物面積は同期間5.0%増加しています。
この数字だけであれば好感を持てるのですが、成約件数は同期間に278件から228件へと△18.0%も減っています。平均土地面積も△10.4%減です。
成約価格と建物面積が上昇し、成約件数と土地面積が減少していることから、市場の方向性がみえづらくなっています。

奈良県内の中古戸建ての売却を検討している方は、早急に不動産仲介業者に査定を依頼し、そして営業担当者に地域の市場動向を尋ねたほうがいいでしょう。
それは、次にみる奈良市内の状況が芳(かんば)しくないからです。

奈良市内の成約価格は頭打ちか

奈良市内の中古戸建て市場は、平均成約価格が頭打ちに近く、市場規模の縮小が鮮明になっています。

中古戸建て、奈良市
  2017年3月から2017年5月 2017年6月から2017年8月 2017年9月から2017年11月 2017年12月から2018年2月  
合計成約件数(件) 82 71 70 88  
平均成約価格(万円) 2,144 2,103 2,238 2,085  
平均土地面積(m²) 286 221 190 195  
平均建物面積(m²) 116 115 115 119  
           
  2018年3月から2018年5月 2018年6月から2018年8月 2018年9月から2018年11月 2018年12月から2019年2月 対2017年3月
合計成約件数(件) 86 74 56 66 -19.50%
平均成約価格(万円) 2,285 1,929 1,990 2,162 0.90%
平均土地面積(m²) 184 187 187 190 -33.50%
平均建物面積(m²) 113 109 112 120 3.30%

奈良市内の中古戸建ての平均成約価格は、2017年3~5月の2,144万円から2018年12月~2019年2月の2,162万円へと0.9%の微増にとどまっています。
しかも2018年6~8月(1,929万円)と2018年9~11月(1,990万円)は2,000万円割れを起こしています。
さらに平均土地面積はこの2年間で△33.5%も減少していて、出費を抑えようという意識が見え隠れします。
そして成約件数が、2017年3~5月の82件から2018年12月~2019年2月の66件へと△19.5%も減っています。2018年9~11月は56件と、「瞬間風速」ではありますが50件台にまで下落してしまいました。
平均建物面積はややよい数字が出ていますが、それ以外の指標のネガティブ要素を打ち消すほどではありません。売却活動を本格的に考え始めましょう。

それでは次に、奈良県内でどのような中古戸建てが市場に出回っているのかみていきます。

奈良市朱雀の106平方メートル4LDKが3,395万円

奈良市朱雀にある木造2階建て、土地面積200平方メートル、延べ床面積106平方メートル4LDKの物件が3,395万円で売りに出ています。2012年12月完成の築浅物件です。

土地と延べ床面積の広さや新しさを考慮すると、リーズナブルな価格に感じられます。
家の前に自家用車3台分の広い駐車場があり、建物前面の道路も広々していて、車の出入りがしやすそうです。室内も改装済みです。

奈良市朱雀は大規模な住宅街のなかにあり、商業施設や学校が近くにあります。1キロほど離れた場所に奈良大のキャンパスもあります。
最寄り駅は近鉄京都線・高の原駅で、同駅から京都駅までは40分ほどです。
そして奈良市朱雀の3キロ圏内には平城京跡や複数の古墳があり、「奈良らしさ」を満喫できる点も、この住宅の魅力でしょう。

「ザ・日本の田舎」国宝・室生寺に近い94平方メートル4LDKが650万円

「奈良ならでは」の物件を紹介します。
宇陀市室生大野にある木造2階建て、土地面積186平方メートル、延べ床面積94平方メートル4LDKの物件が650万円で売りに出ています。1993年6月完成です。

この物件から7キロほど離れた場所に、室生寺という寺があります。京都の金閣寺や銀閣寺と比べると派手さはありませんが、室生寺は国宝や重要文化財に指定されている五重塔や金堂や仏像を多数保有する日本を代表する寺です。
そして室生寺周辺には、「日本昔ばなし」に出てきそうな「ザ・日本の田舎」といった田園風景が広がっています。
周辺には森や林が広がり、川も流れています。初めて訪れた人でも「懐かしい」と感じるでしょう。

この物件は築25年以上経過しているので、キッチンや和室のつくりは年代相応ですが、とてもきれいな家で好感が持てます。そして1,000万円を大きく割り込む価格が魅力です。

宇陀市室生大野では都市機能は期待できませんが、それでも地区内に近鉄大阪線・室生口大野駅があり、大阪駅まで特急で1時間16分です。
自然と歴史の両方を感じられる場所に移住したいと考えている人には、この物件は掘り出し物といえるでしょう。

奈良県の土地の売買状況

奈良県の2018年公示地価の全用途の平均変動率は△0.6%と、前年割れが続いています。
ただ用途別にみると低調な住宅地に対し、商業地は上昇幅を拡大させています。
詳細をみていきましょう。

住宅地は△1.0%減、前年より悪化

奈良県の2018年の住宅地の平均変動率(前年比)は△1.0%で、前年の△0.9%より下落幅が拡大しています。
住宅地の平均変動率を市町村別でみると、奈良市(0.3%)、生駒市(0.4%)、香芝市(0.1%)の3市が前年より上昇しています。奈良県地域政策課は「利便性と住環境が良好な人気のある住宅地に需要が集中する傾向がみられる」と解説しています。

奈良市は県庁所在地であり、生駒市と香芝市は大阪府と接しています。経済活動に有利な土地は価格が上がりやすいことがわかります。

一方、下落幅が大きかった自治体は、平群町△2.8%、三郷町△4.1%、下市町△3.2%、黒滝村△2.5%、野迫川村△2.6%、十津川村△2.6%、上北山村△2.5%、川上村△2.6%、東吉野村△2.6%でした。
三重県や和歌山県に近い山間の自治体では住宅地の価格下落が顕著です。

商業地は0.7%増で上昇幅が拡大。奈良市は3.0%増

奈良県の2018年の商業地の平均変動率は0.7%で、前年の0.3%より上昇幅が拡大しています。商業地の変動率の高さランキングで奈良県は全国14位で、トップ20入りしました。

奈良市の平均変動率は3.0%で、他の市町村を寄せ付けない圧倒的な強さをみせています。そのほかプラスになったのは、橿原市2.0%、生駒市0.8%、香芝市1.6%、王寺町0.6%でした。
王寺町は人口2.4万人ほどの街ですが、大阪市のベッドタウンになっていて、同市への通勤率は3割ほどになります。

奈良県地域政策課は、奈良市の住宅地価格の大幅上昇を支えたのは外国人観光客であると分析しています。近鉄奈良駅に近い奈良市東向南町地区の平均変動率は、県内商業地で最も高い8.7%を記録しました。
また、同じく近鉄奈良駅前の奈良市東向中町地区は1平方メートル当たり730,000円で、県内最高値となりました。
外国人観光客が集まることでにぎわいができ、ビジネスが活況を呈し、商業地の需要が高まって地価が上昇するわけです。

まとめ~不調でないだけに判断に悩む

奈良県全域の不動産市場をみても、奈良市の不動産市場だけをみても、歓迎できる指標が散見されます。奈良県内に売却用の不動産を持っている方は、これらの指標をみると安心できると思います。

しかしリスク管理の観点からいえば、よい数字のなかに潜む悪い数字にこそ敏感になるべきです。
中古不動産売買の成約件数が減少傾向にあることは、消費者は不動産価格の高騰を嫌気しています。奈良県民の購買力がピークに近付いているのかもしれません。

全国有数の観光地・奈良市を有する奈良県は観光特需の恩恵を受けているわけですが、あれほど騒がれた「中国人による爆買い」が急速に下火になったように、観光頼みの経済には安定した強さがありません。
したがって個人の不動産オーナーは、自衛策として「売れるときに売る」姿勢で臨み、現金化を急いだほうがよいかもしれません。