神奈川駅

神奈川県内に保有している「中古マンション、中古戸建て、土地」の売却を検討している方は、「売り時」が近づいているかもしれません。不動産売却価格が安定していることをうかがわせるニュースが散見されるようになりました。また、中古不動産の価格に影響を与える指標も上昇基調にあります。

神奈川県の「中古マンション、中古戸建て、土地」の売却価格は、「4極化」の様相を呈していいます。
まず、「横浜市と川崎市」と「それ以外の市町村」という2極化があります。この2極化は、「横浜市と川崎市」の不動産価格の高騰により生じています。
そして「横浜市と川崎市」のなかでも2極化がみられ、「それ以外の市町村」でも2極化がみられるのです。それで都合4極化になるわけです。

神奈川県の「中古マンション、中古戸建て、土地」の売却価格をみるときは、

  • 「横浜市と川崎市」のなかの強い地域と弱い地域
  • 「それ以外の市町村」のなかの強い地域と弱い地域

という視点で観察すると傾向をつかみやすいでしょう。

神奈川県の不動産価格に影響を与えそうなトピックス

まずは、神奈川の中古不動産の売却価格に影響を与えそうな経済ニュースやトピックスをみていきましょう。

不動産価格の高騰を期待させる人口増

人口が増えればマンションも戸建ても土地も必要になるので、不動産価格は上昇します。しかし現在の日本は人口が減っているので、売却したい不動産を持っている人にとっては現状は「逆風」が吹いていることになります。
しかし神奈川県は例外です。
神奈川県の人口は増えています。総務省の調べによると2017年の神奈川県への転入者は前年比1.3%増の207,941人、転出者は前年比0.8%増の194,786人でしたので、神奈川県の人口は、差引き13,155人増えました。
神奈川県には33の市町村があるのですが、人口が増えたのはその55%にあたる18自治体で、人口増自治体は前年より2自治体増えました。

人口増(転入超過)が最も大きかったのは川崎市で、7,502人増でした。そのうちの約400人は川崎市高津区の人口増でした。高津区では低価格のマンション建設が相次ぎました。その要因は若い子育て世代が高津区に流入したことが大きかったようです。
神奈川県のように東京圏にある地域の場合、人口が増えるからマンションが建ち、マンションが建つから人口が増えるという好循環が生じます。

相模原市も935人増加しましたが、こちらの人口増加は市中心部の相模大野駅(小田急)周辺に建った分譲マンションが貢献しました。
また相模原市にある橋本駅(JR)周辺に2027年ごろ、リニア中央新幹線の駅ができます。リニア駅が起爆剤となり再開発が進めば、さらなる人口増が期待できます。

市の政策や経済活動の活性化で人口を増やしたのは藤沢市です。2015年10月の423,894人から2018年8月には430,707人へと1.6%増加しました。
市による保育所の拡充が「子育てのしやすい街」というイメージを生み、若い世代を呼び込むことができました。さらに藤沢市内には大型ショッピングモールなどが建設され、生活のしやすさが一層向上しています。

意外なのが横浜市の人口動向でしょう。
2017年は729人増加(転入超過)しているのですが、前年の2016年は3,000人近く増えていました。増加率が鈍化しているのです。
横浜市青葉区、都筑区、保土ヶ谷区といった大きな住宅街がある区で流出が目立ちました。地価が高いこれらの区を出て、地価が安い場所で住宅を建てる動きが広がったためとみられています。

神奈川県の中古マンションの売買状況

神奈川県内には人々に「住みたい」と思わせる街が多くあり、そのような地域に建つ中古マンションの価格は高値で安定しています。
人気エリアに売却用の中古マンションを持っているオーナーは、売り急ぐ必要はないでしょう。販売活動に力を入れ、潜在的な購入希望者にもPRして、高値で購入してくれる買主が現れるのを待ちましょう。

横浜市、川崎市、相模原市の中古マンション売買状況

神奈川県内で区制を導入している横浜市、川崎市、相模原市の中古マンションの相場は以下のとおりです。

神奈川県の中古マンション相場 単位:万円
  地区 ~40m² ~50m² ~60m² ~70m² ~80m² ~90m² ~100m² 101m²~
横浜市 鶴見区 1,370 2,159 2,639 2,750 3,077 3,408 1,990 3,702
神奈川区 1,264 2,056 3,005 2,957 3,971 4,775 4,808 14,500
西区 1,307 2,434 3,073 4,065 4,220 9,695 4,980
中区 1,793 2,051 4,142 3,996 4,310 4,038 6,831 5,396
南区 1,254 1,676 2,440 2,967 2,880 2,264 3,930
保土ケ谷区 1,045 1,292 2,122 2,723 2,680 2,905 2,864
磯子区 493 1,078 1,817 2,411 2,924 3,327 2,451 4,245
金沢区 710 1,158 1,358 2,161 2,327 2,999 2,683 2,686
港北区 1,232 2,333 2,634 3,579 4,114 4,033 3,499 4,610
戸塚区 715 1,157 1,840 2,279 2,901 3,558 2,962 2,842
港南区 350 1,282 1,886 2,266 2,900 2,942 3,184
旭区 530 1,651 2,263 2,288 2,171 2,785 2,000 2,517
緑区 1,100 1,581 2,672 3,185 3,554 3,681 3,084
瀬谷区 599 1,050 1,344 1,965 3,433 2,650 3,100
栄区 1,020 2,106 3,011 3,283 2,876 3,055
泉区 1,290 2,081 3,214 2,428 2,787 2,530
青葉区 721 1,720 2,497 3,425 4,265 4,620 4,374 4,818
都筑区 1,340 1,780 2,801 2,938 3,693 4,120 3,710 4,758
川崎市 川崎区 1,300 2,191 2,321 3,065 3,065 4,396 3,522
幸区 1,900 2,199 2,628 3,243 4,036 4,480 5,410
中原区 1,897 2,966 3,900 3,961 5,460 4,912 4,875 12,495
高津区 770 2,494 3,394 3,506 4,230 3,169 3,783
多摩区 1,215 1,388 2,287 2,856 2,849 3,565 3,480 3,958
宮前区 1,250 1,906 2,233 2,850 3,360 4,402 4,707 5,980
麻生区 904 2,142 2,350 3,120 2,853 3,147 4,055
相模原市 緑区 350 729 1,949 2,505 2,673 4,371
中央区 443 936 1,319 2,120 2,354 3,530 3,780 3,292
南区 568 1,304 2,206 2,601 2,982 2,891 3,318

ファミリー層に人気がある「~100平方メートル」の広さで4,000万円を超えたのは、横浜市神奈川区、中区、青葉区、川崎市幸区、中原区、宮前区の6地域でした。それぞれの地域の特徴は次のとおりです。

<横浜市神奈川区>は国内最大級の工業地帯、京浜工業地帯の一角をなしていて、日産自動車や日本製粉、昭和電工など名だたる企業の工場が林立しています。中間層でも上部の層が多いことから、高価格帯のマンションが建ち、それが中古物件になっても高値で取り引きされている、と推測できます。

<横浜市中区>には横浜市内随一の経済エリア、みなとみらい地区があり、富裕層が多く住んでいます。横浜公園や横浜スタジアム、横浜赤レンガ倉庫といったレジャー施設や名所も多く、中区のマンションに住むことは市民のステータスになっています。そのため中古になっても価格が落ちないのです。

<横浜市青葉区>は典型的な東京のベッドタウンとなっていて、「青葉都民」という言葉があるくらいです。住宅街としての「歴史」から、中古マンションの価格も高止まりしているようです。

<川崎市幸区>は、工業のマチ東京都大田区と隣接していることから、東芝、キヤノン、日立製作所など大手メーカーの事業所が多い地域です。かつては幸区にも多くの工場がありましたが、東京へのアクセスのよさからベッドタウンとしての需要が強まり、大規模工場は次々とマンションや商業施設に置き換わりました。都心に近い割に広い土地を確保できたので高級マンションが多く、そのためマンションが中古になっても高値で取り引きされています。

<川崎市中原区>の武蔵小杉エリアには、圧巻の景色をつくっているビル群があります。川崎市が武蔵小杉を川崎、溝の口に次ぐ「第3都心」に指定したことで、武蔵小杉は急速に発展しました。住みたい街ランキングでも常に上位に食い込むほどのステータスを感じられる地区で、中古マンションの価格が高値で維持されているのも納得できます。

<川崎市宮前区>は東名高速の東名川崎インターチェンジができたことで人口が急増した街です。神奈川県ではありますが、東京への経済依存が強い地域として知られています。

以上の6地域に共通しているのは、地元経済に力があり、東京とのつながりが強いということです。この条件に当てはまると中古マンションは人気が落ちず、価格が高値で維持されやすいことがわかります。

また相模原市の中古マンション価格は、「~100平方メートル」の広さでまだ4,000万円に到達していませんが、同市中央区の3,780万円は、次の章でみる神奈川県のそのほかの市と比べると、相当健闘しているといえます。
相模原市は「横浜市や川崎市ほどではないが東京に近い地域」であることが、中古マンションの価格に影響しているものと考えられます。相模原市はブランド力のある地域ではありませんが、交通機関の利便性や商業施設の充実ぶりなどの「隠れた実力」が評価されているのでしょう。

神奈川県のそのほかの市の中古マンション売買状況

続いて神奈川県の横浜・川崎・相模原以外の市の中古マンションの相場をみてみましょう。
ここでは「~100平方メートル」の広さで3,000万円を超えている地区に注目してみます。

  地区 ~40m² ~50m² ~60m² ~70m² ~80m² ~90m² ~100m² 101m²~
その他の市 横須賀市 641 1,141 1,329 1,726 1,995 2,471 2,114 1,678
平塚市 432 680 1,377 1,967 2,512 2,370 2,188
鎌倉市 1,980 2,442 3,020 3,484 3,903 5,196
藤沢市 1,009 1,553 1,786 2,482 2,839 3,324 4,218 5,502
小田原市 325 630 835 1,818 1,959 2,448
茅ヶ崎市 933 1,848 2,916 2,885 2,678 3,509 3,988
逗子市 465 1,033 2,510 2,027 3,480 7,800 4,135
三浦市 700 872 1,180 1,380 1,490
秦野市 280 350 1,294 1,103 1,280 880 1,560
厚木市 474 1,208 2,136 2,163 2,723 1,467 1,000
大和市 560 915 1,679 2,113 2,616 2,858 2,787
伊勢原市 365 560 1,623 2,253 1,480
海老名市 1,140 1,180 2,702 2,421 3,081 2,820 3,380
座間市 385 1,233 1,237 2,526 2,364 2,036 2,208 3,289
南足柄市 650
綾瀬市 1,072 1,625 1,516 1,920

<鎌倉市>は、全国的な知名度、土地の歴史、観光地としての価値の高さ、ステータス、どれをとっても申し分ない市です。それゆえ、決して交通アクセスがよいわけではないのに、東京に通勤しなければならない人たちがこぞって鎌倉に住もうとします。したがって鎌倉市の中古マンションの価格が高いのも納得がいきます。

<藤沢市>という名称ではそれほど知られていないかもしれませんが、「湘南(しょうなん)」地域では最大の人口を有する市です。江の島、片瀬、鵠沼(くげぬま)といったメジャーな観光地も藤沢市内にあります。それでいて鎌倉市より東京へのアクセスがよいという特長があります。藤沢市内の中古マンションに人気が集まるのも不思議ではありません。

<逗子(ずし)市>は知る人ぞ知るリゾート地で、逗子マリーナには富裕層のボートやヨットが所狭しと係留されています。「~100平方メートル」の中古マンション価格が7,800万円と突出していますが、これは1件の価格です。
ただこの7,800万円の中古マンションの広さは93平方メートルで、狭くはありませんが驚くほど広いわけでもありません。また築年は1975年なので40年以上経過しています。階数は9階建ての7階です。
それでもこの価格で売りに出されているのは、このマンションが逗子マリーナエリアに建っているからです。土地のブランドでここまで中古マンション価格を上げることができるのは、逗子ならではといえるでしょう。

町村の中古マンション売買状況

他の都道府県ですと、町村に行くとそもそもマンションがなかったり、あったとしても低価格物件が多かったりするのですが、神奈川県は例外です。
町村の中古マンションにも注目物件があります。

  地区 ~40m² ~50m² ~60m² ~70m² ~80m² ~90m² ~100m² 101m²~
町村 葉山町
寒川町 830 1,220 1,050 1,490
大磯町 630 980 2,487 4,063 3,980 4,605
二宮町 780 1,007
中井町
大井町
松田町
山北町 480 690
開成町
箱根町 170 352 509 730 822 817 2,000 1,436
真鶴町 726 1,575 1,960 1,448 2,680 2,792
湯河原町 1,167 875 1,262 1,298 1,888 2,127 4,130 1,490
愛川町 540 540
清川村

<大磯町>は元首相の吉田茂氏の邸宅があることで有名です。また大磯ロングビーチという巨大プールを備えたリゾート施設はテレビ番組で頻繁に使われます。大磯町は神奈川県内では鎌倉市、藤沢市に負けない「太平洋を望む魅力的な街」としての地位を築いています。その大磯町の中古マンションが高値で取り引きされても不思議はありません。

そのほか<箱根町><真鶴町><湯河原町>も、温泉があったり文学の舞台になったりして知名度があり、中古マンション相場も上々の価格を維持しています。

神奈川県の中古戸建ての売買状況

神奈川県の中古戸建ての相場をみていきましょう。

横浜市、川崎市、相模原市の中古戸建て売買状況

横浜市、川崎市、相模原市の中古戸建てのうち、「~100平方メートル」の広さで4,000万円を超えている地域は13あります。
「~100平方メートル」の中古マンションで4,000万円を超えている地域は6でしたので、中古戸建ては中古マンションより割高といえます。

  地区 ~40m² ~50m² ~60m² ~70m² ~80m² ~90m² ~100m² 100m²~
横浜市 鶴見区 3,278 3,980 4,273 3,909 4,048 4,758 4,584
神奈川区 1,974 4,224 4,018 3,938 4,861 4,575 5,097
西区 3,680 4,411 3,571 4,073 5,925 4,070 4,758
中区 3,081 3,750 4,525 4,072 4,250 7,261 7,148
南区 3,233 3,567 3,862 3,505 3,588 3,745 3,871 3,986
保土ケ谷区 2,903 3,847 3,199 3,400 3,743 3,884
磯子区 3,780 2,580 2,647 3,736 3,851 3,431 3,671 3,867
金沢区 2,906 3,008 3,268 3,565 3,589 4,252
港北区 4,580 4,705 4,230 5,502 6,314 5,022 5,500
戸塚区 3,224 3,888 3,245 3,206 3,777 4,061
港南区 2,280 3,615 3,470 3,288 3,780 3,498 4,486
旭区 3,380 3,479 2,998 3,574 3,626 3,875 4,172
緑区 3,763 3,509 4,114 4,489
瀬谷区 3,571 3,558 2,987 2,454 3,753 4,168
栄区 2,680 4,240 3,930 3,980 3,150 3,392 3,740
泉区 2,630 3,594 3,313 3,277 4,081
青葉区 4,500 4,667 4,673 4,450 5,323
都筑区 3,761 3,941 3,988 4,030 6,097
川崎市 川崎区 3,400 3,120 4,127 4,215 3,677 4,591 4,780 4,480
幸区 2,080 3,730 4,366 4,257 4,378 5,007 4,964 5,204
中原区 3,913 4,185 4,613 5,420 4,937 5,254 5,486 5,318
高津区 4,260 3,883 5,130 4,444 3,740 3,959 5,231
多摩区 3,394 4,406 4,079 4,645 4,156 5,362 4,183
宮前区 2,998 3,519 4,016 3,489 4,669 4,551 4,483
麻生区 4,397 3,386 3,685 2,960 4,285
相模原市 緑区 780 1,525 480 2,143 2,518 2,831
中央区 700 2,980 1,180 3,054 3,075 2,879 3,087 3,303
南区 880 2,900 3,352 3,408 3,434 3,669 3,644

横浜市中区では7,261万円を記録しました。川崎市は7区中6区が4,000万円超えを果たしていました。

横浜・川崎・相模原以外の神奈川県内の中古戸建て売買状況

横浜・川崎・相模原以外の神奈川県内の中古戸建ての相場をみてみましょう。「~100平方メートル」で3,000万円を超えている物件に注目すると、中古マンションでも高値がついていた鎌倉市や藤沢市、逗子市が、中古戸建てでも高値をマークしています。

  地区 ~40m² ~50m² ~60m² ~70m² ~80m² ~90m² ~100m² 100m²~
その他の市 横須賀市 330 1,400 1,396 1,656 1,371 2,246 2,487 2,878
平塚市 2,555 1,300 2,493 2,991 2,201 2,868 2,957
鎌倉市 4,380 4,113 3,367 3,824 3,680 3,756 3,968 4,140
藤沢市 2,140 2,400 3,189 3,603 3,699 3,605 3,681 4,175
小田原市 1,500 2,368 1,390 2,462
茅ヶ崎市 4,480 3,383 2,977 2,905 3,705 3,180 3,785
逗子市 2,380 2,547 4,580 3,879
三浦市 1,380 1,980 1,190 1,880 2,395
秦野市 750 2,334
厚木市 990 2,105 1,205 1,797 2,635 2,855
大和市 3,050 3,056 3,273 3,503 3,266 3,170 3,554
伊勢原市 660 2,580 1,817 2,627
海老名市 3,288 2,656 2,951 3,152 3,462
座間市 3,417 3,044 2,989 3,129 2,991 3,256
南足柄市 997 1,760 2,004
綾瀬市 2,600 1,413 2,383 2,374 2,598 2,959 3,004
町村 葉山町 5,083
寒川町 2,380 1,847 3,167 2,924
大磯町 1,700 4,248
二宮町 3,109
中井町 750
大井町 480 1,980 2,062
松田町 2,057
山北町 865
開成町 2,242
箱根町 4,048
真鶴町 1,450 680 1,894
湯河原町 2,380 2,697
愛川町 1,965 2,276
清川村 497 1,177

中古マンションではそれほど高値がつかなかった大和市と寒川町が3,000万円台にのせてきました。
大和市も寒川町も全国的な知名度はありませんが、どちらも「有名自治体に隣接している」という特徴があります。
大和市は横浜市と東京都町田市に接していて、経済は横浜・東京圏に属しています。寒川町は藤沢市とサザンオールスターズとゆかりがある茅ケ崎市に接しているのです。そのため大和市と寒川町の中古戸建てが高値で取り引きされても不思議はなく、ここに売却用の戸建てを保有する方は強気で販売活動を展開できるでしょう。

神奈川県の土地の売買状況

神奈川県内の土地の売買状況をみていきましょう。全般的に土地の売却にとってはよい地合い(相場の状態)になっているといえますが、地域差はあります。

横浜市を中心とした大経済圏は好調だが、都心から離れた土地は下落が続く

神奈川県の2018年の基準地価は、住宅地の調査地点630地点のうち41%にあたる257地点で上昇しました。これまで割安感があった川崎市では、マンション開発が進んでいる武蔵小杉駅(JRと東急)周辺で6.7%もアップしました。
また東京23区へのアクセスがよい横浜市と相模原市は、すべての地点で上昇しました。値ごろ感のある土地を求める動きは横浜市でも顕著で、金沢区と旭区でも地価が上昇しました。
不動産業者は「都内やみなとみらい地区に近い横浜市の地価はまだ天井がみえない(まだ上昇するだろう)」とコメントしています。

横浜市内で今後も上昇が期待できるエリアとその理由は次のとおりです。

  • 横浜駅西口(2020年のJR駅直結のビルが完成するなど開発が進んでいるから)
  • みなとみらい地区(高層マンションがあり商業施設も充実しているから)
  • 山下ふ頭周辺(カジノを含む統合型リゾートの誘致が期待できるから)
  • 横浜市西区(ショッピングセンター「横浜モアーズ」など商業施設が充実しているから)

県内最大の経済圏である横浜周辺が牽引する形で、神奈川県全体の商業地の地価は、2008年のリーマンショック以来最大の上げ幅である2.0%アップをマークしました。県全体の住宅地も3年ぶりに下落を脱し、横ばいになりました。

ただ横浜市内の二極分化は進んでいて、都内へのアクセスが悪い市西部と南部は上昇率が1%アップに止まりました。またさらに都心から遠くなる横須賀市は地価の下落が継続しています。三浦市も同じ理由から地価の下落が止まりません。
バブル期と異なり、すべての地価が上昇するといったことは生じていないようです。買い手の慎重姿勢がうかがえます。

神奈川県の地価の売買状況

神奈川県の地価の売買状況をみてみましょう。

神奈川の地価の相場 単位:万円
  地区 ~40m² ~50m² ~60m² ~70m² ~80m² ~90m² ~100m² 100m²~
横浜市 鶴見区 1,310 2,750 2,580 3,030 3,330 3,745
神奈川区 980 3,100 3,062 2,920 3,880 4,315
西区 1,990 2,270 2,369 1,580 2,980 4,444
中区 3,780 1,370 2,180 3,142 2,500 2,512 4,353 6,862
南区 2,472 2,080 3,280 2,750 2,953 2,895
保土ケ谷区 2,980 2,180 2,363 2,034 2,190 3,485
磯子区 2,369 5,412
金沢区 2,498 1,880 2,180 980 3,174
港北区 3,180 1,480 5,714 3,680 4,667
戸塚区 2,053 1,825 3,026
港南区 2,099 2,680 1,290 2,173 2,090 3,210
旭区 2,322 1,980 1,331 2,735 3,391
緑区 1,980 3,367
瀬谷区 1,866 2,380 400 1,880 2,814
栄区 2,630 2,720 2,812
泉区 1,266 1,980 1,382 1,860 3,170
青葉区 3,066 2,680 4,254
都筑区 5,090
川崎市 川崎区 2,815 3,051 2,670 5,559
幸区 1,680 2,550 3,202 4,137 6,066 3,000
中原区 3,490 4,620 8,568 3,990 6,025 4,236
高津区 4,368 3,000 3,558
多摩区 2,880 2,350 3,455 3,530 3,947
宮前区 2,580 2,780 1,990 3,510
麻生区 1,002 3,419
相模原市 緑区 400 800 1,235 1,631
中央区 863 1,154 2,220 2,524 1,960 2,419
南区 600 2,800 1,797 1,664 2,321 2,898
その他の市 横須賀市 930 700 765 1,335 1,163 1,698
平塚市 892 1,156 1,095 1,143 1,497 1,909
鎌倉市 2,000 4,330 2,367 5,621
藤沢市 2,380 3,403 2,436 3,291
小田原市 500 500 1,270 1,631
茅ヶ崎市 3,180 1,665 918 3,069 2,599 2,577
逗子市 1,580 2,180 3,739
三浦市 1,500 350 790 1,732
秦野市 1,480 580 792 790 1,339
厚木市 570 619 1,218 900 1,612
大和市 750 2,091 1,624 2,412 2,898
伊勢原市 375 450 1,721
海老名市 980 1,354 1,625 2,440
座間市 1,200 1,635 1,594 2,000
南足柄市 680 1,318
綾瀬市 485 940 1,097 2,153
町村 葉山町 1,190 3,931
寒川町 1,330 790 1,787 1,571 1,798
大磯町 990 1,932
二宮町 1,280 1,583
中井町 1,114
大井町 976
松田町 1,050
山北町 849
開成町 1,389
箱根町 1,403
真鶴町 980 2,658
湯河原町 1,660
愛川町 500 1,319
清川村 1,500

神奈川県の「~100平方メートル」の地価のトップ5は次のとおりです。

  • 1位:川崎市幸区6,066万円
  • 2位:川崎市中原区6,025万円
  • 3位:横浜市中区4,353万円
  • 4位:横浜市神奈川区3,880万円
  • 5位:横浜市港北区3,680万円

横浜市と川崎市に集中しているのは当然としても、1位と2位を川崎市が独占しました。
1位の川崎市幸区は、川崎区に隣接しています。2位の中原区は幸区に隣接しています。つまり幸区と中原区は、川崎区に最も近い区と2番目に近い区なのです。
その川崎区では不動産開発が活況を呈しています。
JR東日本は2018年5月に、川崎区内にあるJR川崎駅西口開発に本格的に着手しました。1万2,400平方メートルの敷地にホテルとオフィスのビル3棟を建てます。こうした大規模開発が幸区と中原区の地価高騰に影響を及ぼしていると推測できます。

まとめ~大都市と有名観光地がある神奈川県の不動産価格は堅調

東京圏の県のなかで抜群の知名度とプレミアム感を誇る神奈川県の中古マンションと中古戸建てと土地の売却価格は堅調に推移しています。
もちろん地域差はありますが、それでも好景気の恩恵を受けている中古不動産は増えているとみられます。こうなると売却用の不動産のオーナーは「売り時」に迷ってしまうかもしれません。これだけ関連指標の数値がよく、不動産開発が始まるニュースが飛び込んでくると、「もう少し値上がりを待ちたい」という気持ちになるのは当然です。
2018年まで好調を維持しているアメリカ経済が2019年以降減速するという観測も出ている一方で、日本経済は2020年の東京オリンピックまでは底堅いという見解もあります。
不動産売却価格の行方が読みにくくなっていますので、不動産オーナーは不動産専門家の意見を聞くなどして、ますます売買状況の観察を強化させる必要があるでしょう。